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舞台は陸の孤島となった団地、屋根裏ハイツが“加害性”を考える「パラダイス」

ナタリー

21/1/16(土) 13:06

屋根裏ハイツ 6F「パラダイス」チラシ表(c)屋根裏ハイツ

屋根裏ハイツ 6F「パラダイス」が、2月5日から9日まで神奈川・STスポットで上演される。

本作は、屋根裏ハイツが“加害”について考えるシリーズの第2弾。劇中では、人口が大きく減少した日本で、老人ホームのような役割を持つようになった郊外の団地を舞台にした物語が展開する。団地では小さな病院や売店を設け、介護が必要な人々を積極的に招き入れていた。最寄り駅からバスで30分近くかかるその団地は“陸の孤島”とも呼ばれている。あるとき、住人を介護していた子供が家を飛び出してしまう。団地を管理するスタッフは「居住者が新たに逃げ出さないように管理を強化しようか」と話し合い……。

作・演出・音響を手がける中村大地は「分断が激しさを増す一方になってしまった世の中で、その分断と分断の間にある暮らしの、日々を良きものにしようとする営為を描こうと思う。その営みのなかで人はルールや規範を互いに課す。より自らを生きやすくするために。それを描くことでむしろ、“加害性”を考えることができるのではないかと思っている」と語っている。

なお本作は「TPAM - 国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2021」の公募プログラム・フリンジ作品にラインナップされている。また2月6日にはYouTubeで音声のみのオンラインパフォーマンスが配信される。

中村大地コメント

本作は「シリーズ:加害について」の2作目にあたる。一見シリーズとかけ離れたように思えるタイトル「パラダイス」は、作家トニ・モリスンの同名小説から拝借した。“どの土地からも拒絶された人々が作り上げた街、ルビー”が舞台となる小説では、先祖から受け継いだ暮らしを守る人々と、革新を望み他者を排除することも辞さない若者との分断が描かれる。拒絶された人々の街にも、あらゆる差別と偏見がある。

誰もが快適に暮らせる場所では当然ない。

そこから、理想のコミュニティを考えてみる。

舞台はアメリカではなく日本の郊外。小さな団地に隣接した集会場だ。

分断が激しさを増す一方になってしまった世の中で、その分断と分断の間にある暮らしの、日々を良きものにしようとする営為を描こうと思う。

その営みのなかで人はルールや規範を互いに課す。より自らを生きやすくするために。それを描くことでむしろ、“加害性”を考えることができるのではないかと思っている。

屋根裏ハイツ 6F「パラダイス」

2021年2月5日(金)~9日(火)
神奈川県 STスポット

作・演出・音響:中村大地
キャスト:瀧腰教寛、村岡佳奈、村上京央子、和田華子、宮川紗絵

※宮川紗絵は遠隔出演。

Online Performance(Audio only)配信

2021年2月6日(土)13:30頃~ / 18:30頃~

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