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稲葉友の「話はかわるけど」

規則的×健康野郎×筋況【後編】

毎週連載

第114回

筋肉仲間と励まし合って、ジムに通うと同時にお家筋トレに勤しむ稲葉さん。グループLINEで食事やトレーニング内容をアドバイスし合うのが、何よりも楽しいのだとか。

最近は仲のいい友人達と筋トレをしている。同じ場所で一緒にトレーニングをしているワケではなく、各々でした後にグループLINEで筋トレのことや身体の状態を共有するのだ。もともとはオンラインゲームをよくやるのでそのためのグループLINEだったのだが、今では近況報告の「近」が「筋」なって筋況報告が飛び交うものになった。

僕はジムでパーソナルトレーナーについてもらい、自宅や稽古場では軽いウェイトや自重でのトレーニングをやっている。友人達もそれぞれのやり方や目指すところがあって、それを踏まえた上でのこれを食べると筋肉にいいとか、お勧めプロテインとか、家でどの種目をやっているのかとか情報交換をして、筋トレ後のパンプアップした身体の写真を撮って送り合っている。結果的にそのトークルームがもう上半身裸の男の写真で溢れている。「いいね!胸筋が育ってきたね」などお互いを褒め合い、切磋琢磨している。切磋琢マッチョしている。そんな謎のフレーズも生まれたりしながらも、そんなトークはモチベーションの維持に役立っている。

みんなが大体同じ時期にやり始めてお互いのスタートラインの身体を知っているのも、気安く言い合える理由だと思う。太り過ぎでもガリガリでもなかったけど、やっぱちゃんとトレーニングをしていると筋肉が整ったいい身体になってきているのがわかる。この筋肉談義がとても楽しいし自分の中でストレス解消にもなってるし、仲の良いヤツらとの新しいつながり方として楽しめている。

僕の今の段階としては自分の身体のベースの作り直しという感じ。今までの身体のニュートラルな部分を作り直せば痩せるにしろ増やすにしろ早くなるし、30歳も近いので少しは逞しい方がいいかなと。ただこのペースでやっていると夏頃に仕上がりすぎる気もするのでほどほどに続けていきたい。もともと肩幅はある方なのでオーバーサイズの服ばかり着ているから、普段の生活の中じゃバレないのでコソコソとやっている。

少し話は戻るけど、いつからこんな健康野郎になってんだと我に返ることもある。でもコロナ渦でなくこの生活をしようと思うと、やろうという意思が何倍も必要だったとも思う。大局が変わったことによって、こちらの変化が僅かなものでも大きく変わったように感じる。

自分のリフレッシュ法としてはサウナが大半を占めていたが、今となってはずいぶん行けていない。サウナは特に制限は何もかかっていないのだが、心持ちとして舞台が終わるまではいかないぞと。そんなことも相まって筋トレとしっかり栄養や休息をとることに集中されるようになった。

朝からご飯を食べた後にプロテイン、バナナ2本、ピーナッツバター、アーモンドミルクをミキサーで混ぜた物を飲んでいる。朝にスムージーを飲むみたいな健康法が世に広まりだした頃は「それ自分はできないなあ」と思う人間だったし、それ抜きでも健康は維持できていたが、今は目的に対してのアプローチとして全く苦なく続けられている。

筋トレをすると筋肉が壊れて筋肉痛になる。そしたら筋肉痛になっているところに修復するための栄養を与えたいから、食事をしっかり摂る。より強くなって修復される筋肉の為にたんぱく質を多めに身体にいれる。そんな段取りをキチンと踏めば、やった分に応えてくれる自分の身体をだんだんと好きになってくる。

今の健康筋肉生活を2年前くらいの自分が見たら「???」と思うだろう。逆に2年後の自分が見たら「あの時期よくやってたな」と思うのか、まだ今のような生活を続いているのか分からんけど。自分の身体と向き合ってコントロールするのは楽しいし、その方法を覚えられたのは良かった。これをどう継続していくかはその時々の役によってなりたい身体もあるだろうから、臨機応変にいきたい。

理想の身体とは何なのかとも考える。男の身体の写真を国内外色々見たがピンと来ない。『アベンジャーズ』なんかを見ていると、ヒーローなのもあるしいろんな要素でカッコいいしで「やっぱ男の身体ってこれだよな!」と熱くなったりもするが、自分がその身体になりたいかと言えば、やり過ぎだと思う。見た目としてはバランスよくキレイに、そしえ何より自分が使いやすい身体にしていきたい。

『ターミネーター』シリーズでお馴染みの俳優、アーノルド・シュワルツェネッガーのインタビューでの逸話がある。ざっくり書くと「筋肉すごいですね」という話になったときに、自分の筋肉をボコボコとウェーブで動かしたんだとか。すごいですね、そんなことが出来るんですねという反応をインタビュアーさんはしたんだけど「自分の身体だから、自分が思ったように動かせるなんて当たり前じゃないか」的な返しをしたと。それは俳優としての理想的な身体だと思う。いかに自分が自分の身体を使いこなせるかというのは絶対重要。

踊れたり歌えたりアクションなどの身体的なスキルを身に付けるのもそういうことだよなと。感情や表現力も関わってくるが、身体に対する意識と認識と神経がしっかり通っている感じ。

トレーニングのお陰なのか疲れてくると出る慢性的な腰痛が消えた。そんな些細で誰にも知られない変化に気付いては、少し嬉しくなる。

次回の更新は3月17日(水)です。お楽しみに!

プロフィール

稲葉友(いなばゆう)

1993年1月12日生まれ、神奈川県出身。
2010年、ドラマ『クローン ベイビー』(TBS)で俳優デビュー後、ドラマ、映画、舞台と幅広く活動。
主な出演作に、ドラマ『仮面ライダードライブ』(‘14~’15 EX)、『MARS~ただ、君を愛してる~』(’16 NTV)、『ひぐらしのなく頃に』(’16 BSスカパー!)、『レンタル救世主』(’16 NTV)、『将棋めし』(’17 CX)、映画『ワンダフルワールドエンド』(’15)、『HiGH&LOW』シリーズ、『N.Y.マックスマン』(’18)、『私の人生なのに』(’18)、舞台『すべての四月のために』(’17)、映画『春待つ僕ら』(’19)『この道』(’19)など。
J-WAVE『ALL GOOD FRIDAY』(毎週金曜11:30~16:00生放送)ではレギュラーパーソナリティ―を務める。

撮影/奥田耕平、取材/藤坂美樹、構成/中尾巴、ヘアメイク/速水昭仁、スタイリング/添田和宏
衣装協力/カーディガン各37,000、Tシャツ¥24,000、パンツ¥67,000、シューズ¥23,000/すべてアポクリファ(サカス PR TEL:03-6447-2762)
ネックレス¥27,000、リング¥22,000/ともにシンゴクズノ(シアン PR TEL:03-6662-5525)
その他スタイリスト私物
※すべて税抜き価格

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