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「リーグ・オブ・レジェンド」や「フォートナイト」にも アメリカにおけるK-POPの多角的展開

リアルサウンド

19/11/25(月) 7:00

 先日、フランス・パリでアメリカのRiot Games(中国・Tencentの子会社)が開発したオンラインゲーム「League of Legends」(通称:LoL)の2019年度国際選手権が行われ、大会に合わせたプロモーションの一環としてGIANTSというユニットによる楽曲「True Damage」がリリースされた。「LoL」は2009年にリリースされ、世界で最もユーザー数が多いオンラインゲームと言われている。

(関連:iKON、楽曲の良さを最大限に伝える巧みなライブパフォーマンス 幕張メッセ公演を振り返る

 GIANTSは「LoL」の人気キャラクターであるアカリが結成したヒップホップユニットで、『an XTRA UUGLY Mixtape』で注目を集めたDUCKWRTHや映画『スパイダーマン:スパイダーバース』に楽曲提供したタットモス、ジェニファー・ロペス、カーディ・B、Lizzoと共に映画『Hustlers』で共演したキキ・パーマー、そして最近BTSのJ-HOPEとコラボレーションして「Chicken Noodle Soup」のリミックスをリリースしたラテン系フィメールラッパーのBecky.Gといった今注目されている若手アーティストが参加している。これらのメンバーを束ねているアカリ役を担っているのは、CUBEエンターテインメント所属の女性K-POPグループ、(G)I−DLEのリーダー・ソヨンだ。2018年度の世界大会は韓国で行われ、その時のプロモーションでは(G)I-DLEのソヨンとミヨン、マディソン・ビアー、ジャイラ・バーンズが声を担当した「K/DA」という架空のK-POPグループを結成し、「POP/STAR」という楽曲をリリースした。元々「LoL」は特に韓国では専門のプロリーグも発足されているほど人気のコンテンツであり、2018年に中国チームが優勝するまでは韓国チームの独壇場だった。そこに「LoL」発祥の地・アメリカでBTSやBLACKPINKといったK-POPグループが注目を受けたタイミングが重なったことで生まれた企画とも言えるだろう。「POP/STAR」のMVが11月24日現在までに2億8千万回ビューを記録するほど注目を受けた結果も今回の企画に関係しているかもしれない。(参考:GIANTS & POP/STARS:サウンドデザインが生み出す音楽のかたち)

 2018年の「LoL」の国際選手権ではARを駆使したK/DAのライブの他に、「RISE (ft. The Glitch Mob, Mako, and The Word Alive)」のライブも披露されたが、この時フィーチャリングしたのがiKONのBOBBYだ。iKONもまた世界的オンラインゲームと深く関わったグループの一つ。2017年ローンチながらすでにユーザー数1億人を突破した、今最も世界でホットなゲームのひとつ「フォートナイト」内で、スペシャルスキンのひとつであるIKONIKスキンとして採用されたのだ。「フォートナイト」のスキンには、外見や衣装だけではなく特有の動きであるエモートというオプションがカスタムできる。スキンは末っ子のCHANがモデルになっており、スペシャルエモートとしてiKONの楽曲「LOVE SCENARIO」のワンフレーズとダンスコレオが組み込まれている。このスキンはSAMSUNGのスマートフォン・Galaxy S10+、S10、S10eのいずれかを購入したユーザーのみがもらえる特典という限定スキン。現在は配布終了しており、配布期間が短かったレア度とスキンのルックスやダンスエモートが10代の若いユーザーが多い「フォートナイト」の特性とマッチングしたせいか、「フォートナイト」の男性スキンのなかでは人気のスキンとなった。

 このキャンペーンの特徴としてはやはりエモートに楽曲が付属しているという点で、「フォートナイト」はチーム戦ではなくバトルロワイヤル形式のゲームのため、プレイ時にエモートを作動すればその場に参加しているユーザー全員が戦闘中に自動的に「LOVE SCENARIO」を聴くことになる。さらにエモートは、一回入手すれば他のスキンにも使用することができるため、「LOVE SCENARIO」の楽曲とダンスがK-POPリスナーではない人にも、世界中の「フォートナイト」ユーザーを介して広まっていく可能性があるという点だろう。実際、ユーザーが作成したIKONICスキンのエモートをひたすら10時間エンドレスリピートする動画が2000万回以上見られていたりする。「K-POPは知らなくても『LOVE SCENARIO』は知っている」という層がある程度形成されたことは確実なようだ。

 BTSのアメリカでのブレイクをきっかけとして、さまざまなK-POPアイドル達がアメリカ進出を試み始めているが、韓国とアメリカで共通している2次元的サブカルチャーであるオンラインゲームを媒介して広がりを見せていくスタイルは、また新たな動きと言えるのではないだろうか。(G)I-DLEは現在、Asian Agentと契約して本格的なアメリカ国内での活動に備えているようだ。一方、iKONは今年8月に開催された88risingの主催フェスである『Head In The Clouds Festival』に参加。クロージングのDJステージでは「LOVE SCENARIO」が流れ、観客が合唱する姿もあった。MONSTA Xがアメリカの人気カトゥーン『ぼくらベアベアーズ』に出演したり(同作は以前からK-POPのリファレンスが多い作品ではあるが、本人出演は初)、10月にデビューしたばかりのSuperMがデビューEPで米Billboard200の1位を取るなど、現在のアメリカへのK-POPの進出スタイルは以前より多様化してきている。アメリカでも日本同様、音楽ジャンルの一種としてサブカルチャー的な定着はしつつあるK-POPだが、今後はより多角的なカルチャーとの共演が見られるかもしれない。(DJ泡沫)

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