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向井太一の現在地を魅せつけた初の無観客配信ライブ【ライブレポート】

ぴあ

Photo:Yosuke Torii

向井太一が8月28日(金)生配信ライブ「Release Live -Supplement-」を開催した。

新作EP「Supplement」のリリースを記念して行われたこの公演は、PIA LIVE STREAM、uP!!!で配信。オープンしたばかりの東京・Zepp Hanedaで行われたライブで向井は、「Supplement」の収録曲、既存の人気曲・代表曲を交えながら、豊かなバイブスと真摯な思いが交差するようなステージを繰り広げた。

最初のシーンは、楽屋から。鏡の前に座っている向井太一(フレッドペリーの白いポロシャツが似合っている)はスマホをチェックしてから席を立ち、軽くストレッチしながらステージに向かう。そこには既に演奏を始めているバンドメンバーの姿が。クラシカルなストリングスと生々しいアンサンブルが響くなか、向井は<この瞳を逸らさないで/未来を描きたい>というフレーズを奏でる。オープニングを飾ったのは「僕のままで」。EP「Supplement」に収録されたナンバーだ。“僕は僕のままで、人生を進んでいきたい”という意思を込めたリリック、ネオソウルの潮流を感じさせるメロディが広がり、早くも大きな感動に包み込まれる。

ライブ前半は新作EP「Supplement」の楽曲が中心だった。「向井太一です。楽しんでいきましょう!」という挨拶から心地よいグルーヴを描き出すダンスチューン「Comin’ up」へ。さらにオルタナR&B直系のトラックと濃密なメロディとともに、恋人に対する甘美な感情を表現した「Ooh Baby」、ヒップホップのマナーを含んだアレンジと“友達のまま”という切ない関係を描いた歌詞が一つになった「Just Friends」も。現行のグローバルポップと同期したサウンドメイク、共感度の高い歌詞を結び付けた向井のスタイルは、EP「Supplement」によってさらに精度を増しているーーそのことが改めて伝わってくるパフォーマンスだった。手持ちのカメラによる映像も臨場感たっぷり。向井の表情をアップで捉えるシーンも多く、コメント欄には「かわいい!」「カッコイイ!」というメッセージが並んでいた。

バンドメンバーと積極的にコミュニケーションを取りながら、「YELLOW」「Great Yard」というダンスチューンで高揚感を生み出した後は、シンガーとしての向井の魅力を堪能できるセクションへ。ピアノと歌だけの削ぎ落されたアレンジで披露された「Blue」では、葛藤や悩みを抱えながらも、<取り戻す あの日の自分を>という切なる願いをエモーショナルに響かせる。続く「Gimme」ではオーガニックなバンドサウンドともに、“イヤな気持ちの連鎖を断ち切りたい”というメッセージを送り、真っ直ぐな愛を歌い上げる「Confession」へとつなげる。3曲を通し、向井のボーカリゼーションの素晴らしさをたっぷりと感じることができた。

「本当はイベントをやりたかったんだけど、オンラインでワンマンを行うということで。何か特別なことができないかなと思って、新曲を持ってきました。どうしようもなく、辛い、楽しい、恋心を歌った曲です」というMCに導かれたのは、新曲「Love Is Life」。ホーンを交えたソウルフルなサウンド、“何もかも投げ出す恋をしよう”というフレーズが溶け合うこの曲は、ファンにとって最高のプレゼントになったはずだ。

ここからライブは後半へ。爆発的なバンドグルーヴが炸裂、思わず身体を揺らしたくなった「FREER」、疾走感のあるビートに乗せ、好きな人との関係をつなげようとする気持ちを歌った「Break up」、ジャジーな雰囲気を漂わせながら、夜の街の光景を描き出す「眠らない街」といったライブアンセムを放ち、会場の熱気をしっかりと上げていく。ホーン・セクションが加わり、さらに厚みを増したサウンド、そして、曲を重ねるごとにエモーションの濃度を高めていくボーカルも最高。ステージの雰囲気をリアルに伝えるカメラワークと生々しい映像も素晴らしい。

コーラス隊のフィンガースナップ、祝祭的なムードをたたえた音像、“すべてはきっと上手くいく”という願いを込めた歌が大らかに響き渡った「空」を披露した後、向井は改めてオーディエンスに向かって話しかけた。

去年、音楽的に悩み、何を表現していいかわからず、それを吐き出したのが「SAVAGE」というアルバムだったこと。そんな作品を携えたツアーにたくさんの人が足を運んでくれたことで、改めて“人に支えられている”と実感したこと。そして、「今度は自分がみなさんを元気づけられる作品を作りたい」と思って制作したのがEP「Supplement」だったことーー。

真摯な言葉の余韻のなか、最後に演奏されたのは、「次、みなさんと直接会えるときまで、この曲を聴いてほしいという願いを込めて作りました」という新曲「We Are」。“涙、笑顔、そのすべて一つになれる”という祈りにも似たラインを持ったこの曲は、向井太一とオーディエンスをさらに強く結びつけることになるだろう。

最新曲から人気曲までを網羅した「Release Live -Supplement-」は2020年8月31日 (月)23:30まではアーカイブで視聴可能。向井太一の現在地をぜひ、多くの音楽ファンに追体験してほしいと思う。

セットリスト
・僕のままで
・Comin’up
・FLY
・Ooh Baby
・Just Friends
・YELLOW
・Great Yard
・Blue
・Gimme
・Confession
・Love Is Life(新曲)
・FREER
・Break up
・眠らない街
・I Like It
・リセット
・空
・We Are(新曲)

Text:森朋之 Photo:Yosuke Torii

※8月31日(月)23:30までアーカイブ配信中。お申し込みはこちら。
https://up.auone.jp/articles/id/80671 auスマートパスプレミアム会員会員限定でお得な割引も!

視聴チケット
■視聴チケット
<販売期間>8月31日(月)20:30まで
<料金>auスマートパスプレミアム会員 1,800円(税込)
一般 2,800円(税込)
※auスマートパスプレミアム会員はau以外をご利用の方でもご入会いただけます。
(月額499円(税抜)/初回30日間無料)
お申し込みはこちら
■uP!!!
https://up.auone.jp/articles/id/80671
■PIA LIVE STREAM
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2063421

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