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9番・ボージャン、10番・大迫、11番・武藤! 神戸が夏の大補強で明治安田J1後半戦の主役へ!!

ぴあ

(写真左より)ボージャン・クルキッチ、三木谷浩史会長、武藤嘉紀、大迫勇也  (C)VISSEL KOBE

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3人が並ぶと壮観である。9番・ボージャン・クルキッチ、10番・大迫勇也、11番・武藤嘉紀。8月22日、ヴィッセル神戸の新加入記者会見が行われた。大迫とボージャンは自主隔離期間中のためオンラインでの参加となり、一堂に会したわけではないが、高まる期待感は変わらない。3人のFWは次のように新天地での意気込みを語った。

武藤「6年間の海外生活を経て日本へ戻って来た。これはさらに成長するための第一歩だと思っている。神戸の力になれるよう精一杯がんばりたい」

大迫「僕はただ神戸でタイトルを取りたいという思いだけで移籍を決めた。本当に全力を尽くしたいし、何かを成し遂げたい」

ボージャン「日本に来てプレーする機会を与えてくれたヴィッセル神戸に感謝している。楽しみにしているし、すべての目標を達成できるよう100%のモチベーションでプレーしたい」

前夜、『明治安田生命J1リーグ』第25節・鹿島アントラーズ戦で後半から出場し決勝点をアシストした武藤は神戸デビューの感想を求められると、このように振り返った。
「昨日の試合については6年ぶりの日本のピッチ、ワクワクした気持ちで臨んだ。僕が帰って来た理由は神戸に勝利をもたらすこと、タイトルをもたらすこと、アジアナンバーワンクラブにするということ。僕の内容うんぬんよりも勝利という結果を残したこと、アシストという結果を残したことをうれしく思うが、コンディションをもっと上げて、勝利に貢献できるよう日々がんばっていきたい」

欧州でのプレーではなく、日本でのプレーを決断した理由を問われた大迫とボージャンは、こう答えた。
大迫「いろんな選択肢があった中、FWとして純粋にもう一回ゴールを取りたい、もう一回取り続けたいなと。チームを勝たせたいという思いが強い。それを続けることが、チームの助けになると思うので、そこを目指してやっていきたい」

ボージャン「日本でプレーするチャレンジにモチベーションを感じた。(アンドレス・)イニエスタや(セルジ・)サンペール、武藤という友人がいる環境も魅力的。このチームのために全力を尽くしたい」

3人は神戸の印象とともにサポーターへのメッセージを発した。
武藤「選手の環境に投資してくれる。選手としてこれ以上ない環境が整えてくれるので、選手としてこれほど幸せなことない。アジアナンバーワンクラブになるというヒジョンがある中、チームに対して恩返しではないが結果を残していきたい。
昨日は2年ぶりにサポーターがいる中でプレーしたが、サポーターの存在が大きい。サポの力が後押しになることが幸せだと改めて感じた。これからも支えてほしいし、僕らもサポーターを喜ばさないといけないと思うので、プレーと勝利で笑顔にさせられればと思う」

大迫「神戸は2年前に『天皇杯』で優勝し、これからのチームだと思う。これからどんどんタイトルを積み重ねていきたい。僕はやっぱりゴールを取ってチームが勝つ、それをひとつずつ積み上げていくことが大事。最後にサポーターとともに喜びたいので応援をお願いします」

ボージャン「クラブの印象はポジティブな話しか聞いていないので、それが要因になった。イニエスタとサンペールから神戸での生活を満喫していると聞いた。昨日の試合を見て本当にワクワクしている。100%出して早くクラブに貢献したい。早くサポーターに会いたい」

記者会見には三木谷浩史会長も同席。ドイツで7年半戦い日本代表のエースに君臨する大迫にブンデスリーガ(ドイツ)、プレミアリーグ(イングランド)、ラ・リーガ(スペイン)を渡り歩いた武藤、バルセロナで数々の最年少記録を塗り替えて、その後ローマやミラン、アヤックスなどでプレーしたボージャンという大型補強の意義を尋ねられると、このようにコメントした。

「ヴィッセル神戸は1995年の阪神・淡路大震災が起こった日が最初の練習日という神戸という町にとって重要なクラブ。日本のサッカーにおいて実力、戦力、ビジネス面でアジアのサッカーを切り開くという重要なプロジェクトを負うクラブ。その中、2017年にまず(ルーカス・)ポドルスキが加入し、イニエスタ、(ダビド・)ビジャ、トーマス・フェルマーレン、サンペールという世界的な選手の補強とともに内部の下部組織からの充実の両立。昨日も内部からたくさんの選手が出てきたが、そういう形でやっている。
ボージャン選手、大迫選手、武藤選手が神戸に参加してくれたのはヴィッセル神戸だけではなく、日本のサッカーにとっても大きなニュースであり大きな出来事。
将来的にJリーグがプレミアリーグ、ラ・リーガ、ブンデスリーガに並ぶ可能性がある私は強く信じている。やるからには非常に魅力なクラブ、魅力的なリーグを作っていきたい。イニエスタが来たのも将来的な日本のサッカー、将来的なアジアのサッカーに可能性を感じたからだと思う。Jリーグはなんかこじんまりまとまっているなんて言ったら怒られるかもしれないが、パリSGとは言わないまでも、積極的な投資とともに魅力的なコンテンツがあって、経済的にもサステナブルになっていくのが私たちの目標」

記者会見後、選手たちは質疑応答をした。まずは大迫が登場。
「まずFWとして出られることが一番。点を取りたいという思いが強かったし、神戸ならタイトルも取れるかなという思いもあったので、これからさらにチームも良くなっていくと思うし、より強化していくと思う。
(代表クラスのFW3選手の加入について)今までにないから面白いんじゃないですか。普通じゃ勝てないし、神戸が勝つためにという思いしかない。そのために僕も点を取り続けたい。
(背番号10について)10番だからと特別なことをするわけではない。ドイツや代表でやってきたプレーをするだけ、まず自分にしっかりフォーカスを当ててしっかりプレーしたい。
(どんなプレーを見せたいか)やってみないとわからないところもあるが、しっかり技術がある選手が揃っているので、僕も楽しみ。プラス相手にとって怖さを出せればと思っている。
(日本代表について)代表は結果を残さないといける場所ではないので、まずは神戸でしっかり結果を出して、しっかり勝ちに導けるプレーをすることだけしか考えていない」

続いてボージャンが現れた。
「いくつかオファーがある中、神戸がベストだと感じたことがすべて。プロとしてひとりの人間としてもここに来るのが正解だと感じた。神戸でも自分のプレーを出せると感じた、昨日の試合を見てもいい選手が揃っている。
(MLS・モントリオール退団後について)その期間はバルセロナで練習していた。いろんなオファーがある中、コロナ禍で状況を見ながら、自分にとってベストのオファーを待っていた。神戸には日本でプレーするチャンスをくれたこと、私が愛してやまないこのスポーツを再びさせてくれる機会をくれたことに感謝している。
(各国・各クラブを渡り歩いて)国やチームが変わればすべて変わってくる。いろんなチームを経験した、いい日もあれば悪い日もあった。デビューした時とは全く違う選手に成長したと思っている。
(イニエスタについて)彼は私にとって友人。バルセロナでのデビューから数年間ともにプレーし、一番の友人であり、身近に人間味を感じたひとり。出だしの頃からスター選手だったイニエスタにサポートしてもらい、気さくに声を掛けてもらったのは大切な思い出。そんな彼と再びプレーできることをうれしく思う」

最後に武藤が登壇した。
「欧州に残る選択肢もあったが、今一番自分が成長できるのはどこかを考えた時、それが神戸だと思い、この決断をした。コロナ禍で生活や食事に制限があり、オンラインでのトレーニングになってしまい、すべてをサッカーに捧げられていなかった。日本ならば素晴らしい準備ができると思い、Jリーグで毎試合出てゴール感覚を取り戻し、ゴールマシンになる目標を立て今回大きな決断をした。 (FC東京について)FC東京は僕を育ててくれた大事なクラブ、今回は神戸さんが熱くオファーしてくれて、かつ選手として必要としてくれた。武藤嘉紀という選手をより必要としてくれたので、決断した」
(代表クラスのFW3選手の加入について)ボージャン選手はFWというFWではないので、ポジションを争うという感覚ではない。大迫選手は日本を代表するストライカー。タイプは違うが、大迫選手の良さを身近で盗めるのはこれ以上ない環境、わくわくしている。日本代表を諦めていないし、ここで結果を出せばまた呼んでもらえると思うので、またトレーニングからコツコツとやっていきたい。
(海外での6年について)この6年間、海外のトップリーグでプレーして難しかったこと、つらかったことが多かった。ドイツでは大きなケガをしたし、プレミアでは出場機会が少なかった。スペインでは6年間で一番いいプレーができたが、結果を残せなかった。スポーツの世界にはたらればはないので、それが自分の実力だと思うので、海外で経験した良かったこと、悪かったことのすべてを力に変えて日本でさらに成長したいし、活躍してヴィッセル神戸というチームに還元していきたい。
(今季の目標について)タイトルを取るのは難しくなってきたので、『ACL』圏内に入ること。チームの目標でもあるので、まずそこを達成したい。そして自分としては数字という結果を残すこと。自分がゴール、アシストすることが何よりもチームの助けになると思うので、ゴールマシンにならないといけないという気持ちを持って臨みたい」

神戸はここまでリーグ戦で12勝8分4敗・勝点44の4位。3位・サガン鳥栖より1試合消化ゲームが少ないながらも同じ勝点をマークしている。次戦は8月25日(水)・昭和電工ドーム大分での『明治安田J1』第26節・大分トリニータ戦、中2日で28日(土)・ノエビアスタジアム神戸での第27節・FC東京戦を戦う。大分戦のチケットはJリーグチケットにて発売中。2試合ともDAZNにて生配信。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

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