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フォーリミのステージはなぜ“常に圧倒的”なのか ファンとライブの力を全面的に信頼した攻めの姿勢

リアルサウンド

19/1/29(火) 19:00

 約2年ぶりとなるフルアルバム『SOIL』のリリースに伴う全国ツアー『04 Limited Sazabys SOIL tour 2019』の中盤、ZeppTokyo公演。ハード&ポップなメロディックパンクを中心にしたアルバムと同様、この日も04 Limited Sazabysは攻めの姿勢が貫かれたステージを見せてくれた。

参考:フォーリミ、フレデリック、sumika、ユニゾン…バンドのアリーナワンマンに見る“チーム力の強さ”

 開演前のBGMはThe Get Up Kids、Fall Out Boy、Rancidなど。フォーリミのルーツであるバンドたちの楽曲が大音量で響き渡り、自ずとテンションが上がる。おなじみのSEとともにメンバーが登場した瞬間、オーディエンスは一斉に腕を上げ、歓声がこだまする。ライブが始まる前から“勝ち”みたいな雰囲気がすごい。とあるベテランバンドのフロントマンは“ステージに上がった瞬間に圧倒できなきゃダメ”と言っていたが、いまのフォーリミはまさにその状態にある。冒頭からアッパーなナンバーを続けざまに叩き込み、モッシュの嵐を巻き起こすステージングも圧巻のひと言だ。

 「若い人も俺らより先輩の人も、年齢もジャンルも関係なく、っていう共通項目でアガれるのがめちゃくちゃ嬉しいです。一緒にイイところに行きましょう!」というGENのMCの後は、新作『SOIL』の楽曲を次々と披露。攻撃的な2ビートと煌びやかなメロディ、“ヒーロー”をモチーフにした前向きな歌詞がぶつかり合う「My HERO」、超キャッチ―なギターリフ、清涼感のあるメロディと欲望を断ち切ることができない人間を描いた歌詞を組み合わせた「Brain sugar」、トリッキーかつファニーなギターフレーズと〈にゃんゴロ にゃんゴロ グータラ スーダラ〉というリリックが楽しい「Kitchen」。メロディックパンクを軸にしながら、幅広い音楽ジャンル、独創的なアイデアをぶち込み、唯一無二としか言いようがない楽曲に結びつけてきた彼ら。アルバム『SOIL』が(現時点における)その集大成であることを彼らは、ステージの上でダイレクトに示していた。

 ライブ中盤では、「days」「in out」などメジャーデビュー直後のちょっと懐かしい楽曲も披露された。当時と比べて演奏の質は明らかに向上。ツアーのたびにブラッシュアップされているというサウンド(特に低音)も迫力を増している。アレンジを大幅に変えているわけではないのだが、演奏、音質のクオリティが上がったことにより、楽曲本来のポテンシャルを上手く引き出しているのだと思う。この日はMCも絶好調。“君ら小学生か!”とツッコミたくなるような微笑ましい下ネタから、最近のアジア情勢に関することまで、様々なトピックをテンポよく繋ぎ、ライブ全体のテンションをしっかりとキープしていた。「普段着っていうか、サンダルで出て来たような感じ」(GEN)という飾らない姿も印象に残った。

 ライブ後半もエッジの効いた爆音メロコアチューンを連発し、フロア全体に熱狂を生み出したフォーリミ。ポップなキラメキをたっぷり含んだGENのボーカル、HIROKAZ、RYU-TAのギターフレーズと縦横無尽なパフォーマンス、そして、KOUHEIの爆発的にして正確無比なドラムによる4人のアンサンブルは、ツアーを重ねるごとに確実に精度を上げている。

 終盤でGENはこんなふうに語りかけた。「ワンマンに来てくれるのがいちばんうれしい。バンドをはじめて11年目、こうやって4人でステージに立って、好きな音を鳴らせるのは本当に幸せです。ふだん手紙をもらったり、Twitterなんかでいろんな意見をもらうけど、こうやって実際に目の前でみると、生のコミュニケ―ションだったり、いろんな感情があって。ここにいるときだけは“何かになろう”とか“何かしなくちゃ”という気持ちを捨てて、俺らの音楽をたっぷり浴びてほしい」

 ライブ会場に足を運んでくれるオーディエンスを全面的に信頼し、最新のフォーリミサウンドをぶつけることで、音楽を介した高純度のコミュニケーションを成立させる。ライブの本質とバンドの現在地を直接的に体感できるライブだったと思う。(森朋之)

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