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SUPER★DRAGON 和哉、壮吾、楽の個人MV分析 物語の完結とグループのアイデンティティ

リアルサウンド

19/8/13(火) 18:00

 8月14日に通算3枚目となる最新アルバム『3rd Identity』をリリースするSUPER★DRAGON。各メンバーがアイデアを出した個人プロデュース曲9曲と、全員リード曲「Don’t Let Me Down」が収録される今回のアルバムに際して順次公開されてきた、個人プロデュースMVのコラムもいよいよ最終回。今回は7~9曲目にあたる「La Vida Loca」「雨ノチ晴レ」「Remedy For Love」の3曲と、「Don’t Let Me Down」についてまとめたい。

 Blu-rayの収録順に観ることで徐々にストーリーが明かされるこの個人MVシリーズでは、これまでの1~6曲目を通して、メンバーごとの個性に加えて、それぞれの世界観が同じ時間軸を共有するパラレルワールドであることを解説してきたが、今回の3曲は、その謎がいよいよ「Don’t Let Me Down」に向けて明らかにされるような内容になっている。

第一回:SUPER★DRAGON 玲於、彪馬、洸希の個人MVが告げる『3rd Identity』の物語のはじまり
第二回:SUPER★DRAGON ジャン、颯、毅個人MV分析 繋がり合う世界が表す物語の行方

「La Vida Loca」松村和哉

[MV] SUPER★DRAGON / La Vida Loca(Promotion Edit)

 7曲目「La Vida Loca」は、和哉が楽曲のアイデア段階からかかわった楽曲。SUPER★DRAGONの楽曲には、海外の音楽シーン、特に欧米のトレンドを取り入れたものが多く存在するが、この楽曲は、2017年に何週にもわたって全米チャートのNo.1を獲得して大ヒットしたプエルトリコのルイス・フォンシ&ダディ・ヤンキーによる「Despacito」(とジャスティン・ビーバーが参加したセルフリミックス曲)以降再ブームが続き、昨年はフラメンコとモダンR&Bを融合させたスペインのロザリアの『El Mal Querer』も話題となったラテン音楽の要素や、最近のEDM曲でにわかに増えているインド~中近東風の要素を持った楽曲にアプローチ。そのうえで、MVでは、「自分との闘い」というテーマを、神に見立てたマネキンとの対面で表現している。ジャン、洸希とともにラップを担当することも多い彼らしく、メモとペンを持ってリリックを書き溜める様子も印象的だ。

「雨ノチ晴レ」伊藤壮吾

[MV] SUPER★DRAGON / 雨ノチ晴レ(Promotion Edit)

 8曲目「雨ノチ晴レ」は、壮吾による個人プロデュース曲。今回の『3rd Identity』には、ラテン音楽だけでなく、トラップやムーンバートン、ビッグルームハウス的なEDM、エレクトロポップ、フューチャーベースなど楽曲によって様々な音楽性が詰め込まれているが、この曲は彼らのもうひとつの顔でもある、ダンス&ボーカルグループとしての「アイドル性」を感じさせる爽やかなギターロックになっている。実験性を追求する攻めた楽曲だけでなく、王道のアイドル性の面でも高い魅力を感じさせる、このグループらしい幅の広さを感じさせてくれる楽曲だ。MVでは、大の電車好きとして知られる壮吾の個性を反映させて、電車に乗って向かう休日のひとり旅を表現。優しい日差しを受けながら街をぶらりと歩いたり、旅先でハンバーグをほおばったりと、リラックスした姿が伝わるものになっている。

「Remedy For Love」柴崎楽

[MV] SUPER★DRAGON / Remedy For Love(Promotion Edit)

 そして9曲目は、楽によるプロデュース曲「Remedy For Love」。この楽曲はEDM以降のクラブミュージックを思わせるドロップを中心とした構成のクラブチューンで、切ないメロディと、「データが不具合=バグ」をサウンドで表現するようなエディット音が印象的な楽曲。MVでは、お気に入りの映画をイラストで表現する連載を担当するなど、アートセンスを感じさせる彼の個性を伝えるかのように、どこかユニセックスなモード風の衣装に身を包み、廃墟で佇む楽の姿が収められている。また、MV中には、今年の『FUJI ROCK FESTIVAL ‘19』で2日目のヘッドライナーを務めていたことも記憶に新しいSiaの「Chandelier」のMVなどを連想させる、女性ダンサーによるコンテンポラリーダンスも登場。アート的でスタイリッシュな映像美を生んでいる。とはいえ、最も注目したいのは、MVの終盤に、これまで他のメンバーの個人MVに登場したキーアイテムの数々が登場すること。実際に観て体験してもらうことをお勧めしたいため、ここではあえて詳しくは書かないが、倒れる楽の横に他のメンバーを象徴する様々なアイテムが転がる映像で、すべてのメンバーが「実は存在しない」ということを伝える衝撃的なラストになっている。

[MV] SUPER★DRAGON / Don’t Let Me Down

 そして、1曲目~9曲目まですべての楽曲を観た後で、Blu-rayの収録順としては最終曲となる全員リード曲「Don’t Let Me Down」のMVを観ると、それぞれの個人MVに登場したアイテムが、真っ白な空間の中に白塗りで登場する。実はこの「Don’t Let Me Down」のMVには、「AIが生み出した新たな人類を描く」というテーマがあり、真っ白で無機質な空間は、その雰囲気が視覚的に表現されたもの。対して随所に挿入されるメンバーそれぞれの個人MVの映像はカラーで表現されていて、「人としての記憶」と「AIとしての現在」がコントラストを描いている。つまり、AIとして新しい生を受けた彼らの頭の中に、「かつて人間だった頃の記憶」が、次々にフラッシュバックしていくような構成のMVになっている。

 この「それぞれの記憶」とは、もちろん、アルバム『3rd Identity』のテーマでもある「ひとりひとりの個性」が、物語の断片として置き換えられたもの。それぞれの個性が集まって、ひとつの大きな魅力を生み出していくSUPER★DRAGONというグループのアイデンティティが、今回のMVシリーズ全体からも伝わるような構成になっている。また、楽曲だけでなく、映像においてもそれぞれの個性を表現していく個人MVシリーズ自体も、ダンス&ボーカルグループとして、楽曲/パフォーマンスだけにとどまらないビジュアル表現も追求してきた彼らだからこそ映えるものなのだろう。「音楽表現/映像表現といった表現手段の違い」や、「メンバーそれぞれの個性の違い」をすべて詰め込みながら、同時にグループとしての一体感を表現することで、一般的なダンス&ボーカルグループの枠をはみ出していくような、「この9人ならではのアイデンティティ」が感じられるものになっている。

■杉山 仁
乙女座B型。07年より音楽ライターとして活動を始め、『Hard To Explain』~『CROSSBEAT』編集部を経て、現在はフリーランスのライター/編集者として活動中。2015年より、音楽サイト『CARELESS CRITIC』もはじめました。こちらもチェックしてもらえると嬉しいです。

■リリース情報
『3rd Identity』
発売:2019年8月14日(水)
<Limited Box>
価格:¥5,500(税込)
仕様:CD&Blu-ray / デジパック / クリア三方背BOX / ブックレット(12P) ※Blu-rayのみプレイパス対応
[Limited Box 封入特典] 大判フォトカード(20枚入り) ※内1枚のみランダム(メンバーソロ全9種)
<通常盤>
価格:¥2,500(税込)
仕様:CD / ジュエルケース
封入:ブックレット(16P)

[CD] 三形態共通収録曲
01. PANDORA
02. Don’t Let Me Down
03. Jacket
04. La Vida Loca
05. My Playlist
06. Strike Up The Band
07. Dragonfly
08. New Game
09. 雨ノチ晴レ
10. Remedy For Love

[Blu-ray] Limited Box限定収録
Music Videoフルサイズ全10曲
全Music Video撮影メイキング映像
※スマホで視聴出来るプレイパスコード付き

オフィシャルサイト
『3rd Identity』特設サイト

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