LiLiCoのこの映画、埋もらせちゃダメ!
『天才作家の妻 40年目の真実』は終盤のふたり芝居に戦慄!
月2回連載
第14回
舞台劇のような芝居の応酬に引き込まれます!
さて最後は『天才作家の妻 -40年目の真実-』。先日発表されたゴールデングローブ賞でグレン・クローズがドラマ部門主演女優賞を獲得した話題作です。
現代文学の巨匠ジョゼフと、彼をかいがいしく支える妻のジョーンは、ジョゼフがノーベル文学賞を受賞したことで授賞式の行われるストックホルムへ。一見いい夫婦にしか見えないふたりですが、ストックホルムまで追いかけてきたジャーナリスト、ナサニエルの出現によって、そのふたりの関係に翳りがみえはじめ……。
才能と出世欲、そして女性の社会進出など、夫婦が抱える秘密は、現代でも社会問題になっているジェンダーのことを考えるきっかけになるでしょう。この作品、ネタバレになってしまうので詳しく言えないのですが、とにかくグレン・クローズとジョナサン・プライスのふたり芝居になる終盤は戦慄。ほぼ舞台劇のような芝居の濃密な応酬にはぐいぐい引き込まれます。さすが舞台を手がけているビョルン・ルンゲ監督ですね。