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Disney+、ついに日本上陸 充実のコンテンツとコスパの反面、“新規登録の壁”など課題も明らかに?

リアルサウンド

20/6/19(金) 8:00

 6月11日、遂に日本に上陸したDisney+(ディズニープラス)。その名の通り、ディズニーが運営する新しいストリーミングサービスだ。NetflixやAmazonプライム・ビデオ、Hulu、U-NEXTなど、日本国内でも次々とサービスが台頭しストリーミング戦国時代とも呼ばれる現在。アメリカでは昨年11月にローンチされ、今回満を持して登場と言えるDisney+の日本での今後の展望について注目をしていきたい。

参考:詳細はこちらから

・数々のメガコンテンツを武器に、ローンチ後半年でNetflix全ユーザーの3分の1に迫る
 Disney+はローンチ前から、それまでパイオニアとして、そしてストリーミングサービスの王者として勢い増すばかりのNetflixに対し、待ったをかけるのではと期待されていた。案の定、ローンチ後約半年でグローバルユーザー数5440万を獲得。Netflixが2007年から試行錯誤しながら業界を牽引し、13年かけてようやくグローバルユーザー数1億8400万なので、すでに半年でNetflixの3分の1に匹敵するユーザー数を獲得したことになる。驚異的だ。経済規模として37億ドルに等しい規模である。Forbesでは、冗談ではなくDisney+は300億ドル規模のサービスになるだろうと報じている(参考:Four Takeaways From Fed Chair Powell’s Testimony Investors Should Know – Forbes)。

 そこまでの規模になると予想される所以は、やはり天下のディズニーというコンテンツ力。いわゆるミッキーマウスなどのキャラクターのほかに、ディズニープリンセス映画、昨年世界歴代最高興行収入を上げた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に代表されるマーベル・シネマティック・ユニバース作品、そして『スター・ウォーズ』シリーズ、ピクサー作品など、一つ一つがメガコンテンツであることは言わずもがなである。加えて、20世紀FOX買収に伴い、シンプソンズなどのFOXが抱える作品、そのほかにもナショナル・ジオグラフィックも配信されており、典型的なディズニー作品以外もラインナップとして揃える充実ぶり。特にアメリカでは、Disney+のみの契約に加えて、HuluやESPN(スポーツ系のストリーミングサービス)を一緒に観ることができる契約プランも用意されており、Disney+ユーザーだけでなく、HuluおよびESPNのユーザー増加にも一役買っている。しかも、充実のコンテンツを月額6.99ドル~という安さで楽しめるコスパの良さも魅力的だ。

・新規ユーザーにとっては不便さも?
 日本版Disney+については、まだローンチされたばかりということもあり、ユーザー数などはわからないが、すでに日本にはDisney DELUXE(ディズニーデラックス)という前身のサービスがあり、Disney DELUXE既存ユーザーは今回移行手続きや契約変更なしで、Disney+へとアップデートされるため、ユーザーは一定数いる見込みだ。Disney+にアップデートされることで、これまでディズニーやマーベル、ピクサー作品の視聴が可能だった点に加え、ナショナル・ジオグラフィックやFOX作品の視聴が可能になる。既存のユーザーにとっては、月額料金に変更はなく視聴可能なラインナップが増えるのでお得である。しかもほかのストリーミングサービス同様、対象作品については端末へのダウンロードも可能でいつでもどこでも作品を楽しむこともできるし、最大5台までデバイス使用可能なのも嬉しい。

 ただし、これから新規でDisney+を始める場合、やや課題を感じる。Disney+はNTTドコモと提携しているため、登録にはdアカウントが必要だ。ドコモと契約していなくてもdアカウントは作れるし、登録も通常のアカウント作成と思えばそんなに難しくはない。ではどこに課題を感じるかと言えば、支払いサイクルと支払方法だ。NetflixやHuluなどは、契約開始したその日から1か月ごとの更新になるが、日本版Disney+は毎月1日~月末までの期間で更新をしていく。そのためどうせ契約するなら月初の方がお得だが、ほかのストリーミングサービスに慣れていると、わざわざ月初を狙って契約すること自体億劫に感じる。

 そして、支払方法。アメリカではクレジットカードだけでなく、デビットカード、PayPal、ギフトカードにも対応しており、これはNetflixやHulu、Amazonプライム・ビデオ、U-NEXTなども日本では似たような対応をしているが、日本版Disney+はクレジットカードのみ。クレジットカードを持っていなければ契約できない。ディズニーが保有するコンテンツはファンの裾野が広いことも強みの一つだが、支払いの多様性がないことで一部ファンは契約できない状態だ。

・いかにアメリカ版Disney+に近づけるかが今後の鍵
 支払い以外にも、アメリカではすでに配信されているDisney+オリジナル作品が、日本版ではまだ配信されていないし、4K高画質配信も非対応。また、PlayStation4やXbox Oneなどのゲーム機では視聴できないなど本家アメリカ版との差がある。今やNetflixの日本国内ユーザーは300万を超えると言われており、オリジナルコンテンツの世界同時配信、4K高画質の視聴プランも選択可能など、やはりサービスとしての利便性と幅広いユーザーへの対応力ではNetflixに軍配が上がるとも言える。

 ただ、それでもコンテンツ力は群を抜いているDisney+。今後もアメリカ版では初年度で7,500話分のTVシリーズと、500本の映画を配信する予定だ。コロナ禍で撮影が遅れているが、マーベル・シネマティック・ユニバースではTVシリーズも製作され、一部は劇場公開作品ともリンクするフェーズ4へと突入する。『スターウォーズ』関連も、すでに好評を得ているTVシリーズ『マンダロリアン』に加え、『ローグ・ワン』の前日譚を描くTVシリーズや、オビ=ワン・ケノービのスピンオフなども予定されている。現時点では単なるDisney DELUXEのアップデート版のような印象を持つ日本版Disney+だが、すでにNetflixが土壌を作っているストリーミングサービスの当たり前に適応するなら、世界同時配信、4K高画質、ゲーム機での視聴、多様な支払い方法などは最低限対応してほしいところ。むしろコンテンツ力があり、資本もありながら日本国内では対応していないことがもったいない。ほかのストリーミングサービスでもありがちだが、日本に上陸すると、本国とのサービス差が出てしまうことは毎回悩ましい。せっかく、まだストリーミングサービスに加入していない人も含め、多くのファンが待ち望んでいる作品をディズニーは抱えており、ポテンシャルがあるからこそ、今後ぜひ日本版もアメリカ版と同程度のサービスクオリティになることを期待したい。 (文=キャサリン)

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