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PFF入選作『アボカドの固さ』4月公開、音楽はD.A.N.櫻木 俵万智もコメント

CINRA.NET

20/2/26(水) 21:00

映画『アボカドの固さ』が4月11日から東京・渋谷のユーロスペースで公開される。

『第41回ぴあフィルムフェスティバル』ひかりTV賞を受賞し、『第20回TAMA NEW WAVE』ある視点部門に入選した同作は、俵万智の短歌「アボカドの固さをそっと確かめるように抱きしめられるキッチン」から着想を得た作品。交際相手の清水緑から別れを告げられるも、約1か月後に迎える自身の25歳の誕生日まで緑からの連絡を待つと決めた俳優・前原瑞樹の「愛と執着の30日間」を描く。

主人公の前原瑞樹役を演じるのは、ドラマ『伝説のお母さん』『湘南純愛組!』の前原瑞樹(青年団)本人。「しみちゃん」こと清水緑役を多賀麻美が演じる。主題歌はTaiko Super Kicksが書き下ろした“感性の網目”で、音楽を櫻木大悟(D.A.N.)が担当。是枝裕和や三宅唱から映画を学んだ城真也がメガホンを取った。『アボカドの固さ』は城真也監督にとって初の長編映画作品。

城真也監督の才能に惚れ込んでラブコールを送った前原は脚本にも参加。実際に経験した失恋を下敷きにフィクションを織り交ぜて構想を練り上げ、前原自身の記憶が残る東京・明大前、下高井戸で「かつての自分」を演じ直したという。

発表とあわせてTaiko Super Kicks“感性の網目”を使用した予告編が公開。前原が「しみちゃんがやりたいことやろうよ、今一番したいこと」と笑みを浮かべる姿や、緑が「じゃあ別れたい」と呟く様、「これは、全男子に捧げる失恋賛歌」というナレーション、前原が裸で女性とベッドに横たわるシーンや男たち「殺すぞ!」と怒声を浴びせられる様子、アボカドが転がっていく場面などが確認できる。

俵万智のコメント

大のアボカド好きから言わせてもらうと、アボカドの食べごろを見極めるのは、とても難しい。熟れぐあいは、そっと触れて想像するしかない。人と人との関係も、またそうだ。
前原君は、まだ固い実を前のめりに味わおうとしたり、せっかくのタイミングを逃したり、熟れすぎの危うさに無頓着だったりする。イタくて愛おしい数々のエピソード。でも、はじめからの達人なんて、いないのだ。人類がどんなに進化しても、アボカドは(つまり恋愛は)、食べて失敗してみないとわからない。
もどかしさや切なさを感じながらも、ラストの超ささやかな笑顔から、私は温かなものを受け取った。

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