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ピーター・ドイグ展

20/7/3(金)

90年代、ロンドン。ダミアン・ハーストら「YBAs(Young British Artists )」と呼ばれた若手アーティストたちが、都市の問題をコンセプトとした映像やインスタレーションなどで旋風を巻き起こし、「絵画に新しい可能性はない」とまで言われた時代に我が道を進んだピーター・ドイグ。ローカルや自然からインスピレーションを得て絵画を追求し続けた彼も、今や国際的スターである。モネやムンクなどの近代絵画も、映画などの異ジャンルも血肉とする1959年生まれ。ついに実現した日本初個展がコロナ禍で一時休館、再開して10月まで延長となった。不幸中の幸いだ。 展覧会は主に、スコットランド・エジンバラ生まれのドイグが影響を受けた二つの土地——カナダの森と湖、トリニダード・トバゴの海辺や町に分け、現実と想像が交錯する絵画群を展示。そのほとんどが2、3メートル級で、身体より大きい。さらに最後には、トリニダード・トバゴにあるスタジオで友人作家と行っている映画上映会「スタジオフィルムクラブ」のための油彩ドローイングがズラリ。「ブルーベルベット」「ピンポン」「ストレンジャー・ザン・パラダイス」など胸踊る回廊だ。 三分割の構図、水面への映り込み、色彩など、絵画だからこその魅力にあふれる。絵具の染みがイメージを生み出すように、時々現れる影。具象的でいて抽象的だ。展覧会を見た日の夜、トリニダード・トバゴの一枚がありありと思い出されて、のけぞった。

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