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GENERATIONS 数原龍友、「タイムカプセル」で歌う“大切な思い出” 『6 from HiGH&LOW THE WORST』を美しく彩る

リアルサウンド

20/12/11(金) 6:00

 GENERATIONS from EXILE TRIBEのボーカル・数原龍友のソロ名義による新曲「タイムカプセル」が12月4日、配信リリースされた。

 同曲は映画『HiGH&LOW THE WORST』のスピンオフドラマ『6 from HiGH&LOW THE WORST』(日本テレビ系)の挿入歌。先の映画の劇中歌としてリリースされた「Nostalgie」に続いての書き下ろし作品であり、今回はドラマの内容を踏まえた作詞を数原本人が手掛けている。

 前作「Nostalgie」は、文字通り懐かしさを感じさせるフォークテイストの穏やかなバラードで、映画の幼馴染6人が絆を取り戻すという終盤の大団円を印象深く色づけていた。そして今作「タイムカプセル」は、シンセ音が随所で光彩を放つポップサウンドにより、新たなスタートを切った幼馴染6人のさらなる“成長”を感じさせるような楽曲となっている。ピアノの叙情的なリフレインと、それに呼応するようにフレーズをなぞるボーカルライン、そして数原のハイトーンボイスの透明感を美麗に引き立たせるトラックメイク。聴き心地はどこまでも瑞々しく爽やかで、人を選ばない普遍的なポップバラードだ。

 楽曲のタイトルである「タイムカプセル」は、ドラマ内では物語のきっかけとなるキーアイテムでもあるが、それと同時に楽曲内では“記憶”や“思い出”のモチーフとして描かれている。そこで特徴的なのは、タイムカプセルとは必ずしも自発的に紐解かれるもの(=Nostalgie)ではないという点だ。実際にドラマ内でも、6人の10年越しの約束により時限的に開かれたタイムカプセルの中身を見て、忘れていた当時の夢を思い出し、新たな道へ進む伏線が生まれるという展開がある。つまり、この楽曲「タイムカプセル」は「今、ここ」の自分の意志や感情よりもさらに深いところで積み重ねられたものーー歌詞における〈懐かしい音色と景色〉が、知らず知らずのうちに自分自身に与えているものの大きさ、尊さについて歌っているのだ(これは同作品の挿入歌として先週取り上げたDOBERMAN INFINITY「6 -Six-」にも通ずる点でもある)。

 続いて詞を掘り下げると〈意味のない戯れだと/わかっていたはずなのに/意地を張るばかり〉という箇所は、たった一人で苦難に立ち向かうために誤った道を選んでしまった、映画『HiGH&LOW THE WORST』での新太を連想させる。そしてその新太が幼馴染たちの絆の記憶によって救われたように、そこから抜け出すきっかけもまた〈忘れてた あの日の記憶〉と歌われている(これに続く〈フラッシュバック〉もまた、あくまで無意識に呼び起こされるものという点ではタイムカプセルと共通している。)。

 なお、ドラマ『6 from HiGH&LOW THE WORST』では、幼馴染たちがそれぞれの道へ進む中で様々な事件が起き、日常が少しずつ変容していく様子が描かれてきた。おそらくこのドラマは、「タイムカプセル」における〈夢の続き〉へと繋がっていく物語だ。今後の展開は現時点ではわからないが、〈馬鹿みたいに笑い合った/今日までの日々が そう/未来(あす)を紡ぐストーリー〉と繰り返し歌われるこの曲が物語を支えているという事実が、すでに彼らの行く先にある希望を指し示しているようにも思えた。

 また、ドラマの中の幼馴染たちのような“人と人”の記憶でなくとも、長く大切にしてきたものがそのまま「タイムカプセル」のように、思い出や感情を閉じ込められた大きな財産となることもある。この曲もまた、未来の誰かにとっての〈懐かしい音色〉となるのだろう。誰しもが変化を余儀なくされた2020年における、大切な思い出の一つとして。

■日高 愛
1989年生まれの会社員。

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