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SANABAGUN.は今が一番底知れない マンスリーライブシリーズ完結“Eight Seven”レポ

リアルサウンド

19/9/24(火) 19:00

 これまでリリースしてきた路上盤を含むアルバムを2枚ごとに体現するSANABAGUN.初のマンスリーライブシリーズ『2013-2018』もついにこれにてファイナル。8月27日に渋谷CLUB QUATTROにて“Eight Seven”が開催された。今夏のサナバはとにかく外に向けて動きまくった。その中でも特筆すべきなのはやはり7月28日、初出演にして2番目に大きなホワイトステージに立ったフジロックのアクトだろう。YouTube配信もされたので現地組のみならず多くのファンが8人の勇姿を見届けたと思う。最後に高岩遼がステージ下にマイクを落とすというハプニングも含めて予定調和では終わらないサナバのライブの魅力を十二分にアピールしたパフォーマンスだった。フジロックの2日後にはやはり渋谷CLUB QUATTROでマンスリーライブ“Green Red”を、8月4日には大阪BANANA HALLにて“Danger Blue”を開催。セットリストがガラリと変わるこのマンスリーライブとフェス(と、そのリハ)、そして10月23日にリリースされるニューアルバム『BALLADS』の制作を同時進行で行っていたのだから、メンバーにとってかなりの集中力を要された夏であったことは想像に難くない。しかし、今のサナバは精神的にも肉体的にも過去最高のタフネスを湛えながら音楽と向き合っている。そのことをフルボリュームのセットリストでキッチリ示してくれたのが、この日の“Eight Seven”だった。

 大樋祐大(Key)の弾く鍵盤が先導する格好で隅垣元佐(Gt.)、澤村一平(Dr)、谷本大河(Sax)、髙橋紘一(Tp)、大林亮三(Ba)、岩間俊樹(MC)、高岩遼(Vo)がステージに現れ、色っぽいダンディズムを漂わせるようにしてムーディーに始まった1曲目「As time goes by」から、メンバーの演奏には“気高い矜持”のようなものが感じられた。続く「ing」と「Yukichi Fukuzawa」では貫禄と余裕、威厳と享楽性が両立したパフォーマンスでオーディエンスを踊らせながら惹きつける。大林のベースが牽引する濃度と粘度の高いファンクネスがうねる「8 manz」も実にグルーヴィーだった。

 高岩曰く「大人になったSANABAGUN.」を見せた「車窓」から「Speak of Love」までの流れ、そこからディスコティックなダンスサウンドを解放した「7shot」への移行もまるでDJミックスのようにシームレスにつなげてみせた。このあたりの細やかな意匠も心憎い。

 一転して、「SEXY ROBOT skit」からは一気にオーディエンスを弛緩させるコミカルなセクションへ突入。誰がボケ役で誰がツッコミ役なのか判別がつかないカオティックなメンバーのやり取りが繰り広げられていった。ステージでマクドナルドのバーガーやナゲットを食す演出もあり、さらにはメンバーにはサプライズでドラムの一平の実母がカレーを持って登場するというなんでもありの様相に。しかし、演奏に入るとキッチリ見せてくれるのがサナバである(あたりまえだけど)。

 ニューアルバムに収録される「ス・パ・パ・パ・イ・ス〜想い出のお母さんカレー編〜」のサウンドプロダクションがまさかのダンスホールレゲエ調だったり、「三種の神器」と「Black Diamond」をスムースかつダイナミックにマッシュアップした「三種のBlack Diamond神器」を披露するなどステージにフレッシュな風を存分に吹かせ、本編ラストは「We in the Street」でクールに締めた。

 アンコールは音楽とオーディエンスに対する真摯なメッセージ性が込められた「SFT」から始まり、感動的なムードを推し進めるかと思わせておいて、次に鳴らしたのがフロアからステージに投げ込まれたパンティを岩間が顔に、高岩が股に装着しながらの「P・A・N・T・I・E」なのだから油断も隙もあったものじゃない。

 2回目のアンコールはイントロが鳴った時点でオーディエンスから歓喜の声が上がった、8MCのマイクリレーが炸裂する「平成」からスタート。その後の岩間のMCではニューアルバム『BALLADS』に藤原さくらが客演で参加した楽曲(「Sweet Dreams feat.藤原さくら」)が収録されること、その曲を9月4日に先行配信することが発表された。『BALLADS』にはその他に西寺郷太(NONA REEVES)、DJ UPPERCUT,Yusuke Nakamura(Blu-Swing、LastElectro)、Creepy Nutsが参加した楽曲も収録されるという。

 そして、この日のライブのオーラスを飾ったのは『BALLADS』の1曲目に位置づけられている「Somebody」だった。これはそう、マンスリーライブの初回“White Black”のアンコールでも“タイトル未定の新曲”として披露されたあの曲だ。その公演のレポートで、筆者は“タイトル未定の新曲”=「Somebody」についてこのように書いた。

 〈それは、オーセンティックなジャズマナーと洗練されたリズム&ブルースの要素とさらに一段上がった歌とラップの求心力が一体となった、大きなフィールドを見据えるような1曲だった〉

 間違いなく今後のサナバの新たな顔になるに違いないこの曲を反芻しながら断言しよう。

 今のサナバが、一番底知れない。

(文=三宅正一)

■リリース情報
『BALLADS』
発売:10月23日(水)
価格:¥3,300(税込)
収録予定曲:
01. Somebody
02. Sweet Dreams feat. 藤原さくら
03. 45
04. Taco
05. Fever 
06. Punch Me Panda
07. C.$.C
08. Mystery 
09. ス・パ・パ・パ・イ・ス  ~想い出のお母さんカレー編~
10. move on
11. Stay Strong 
12. 浪漫飛行 feat. Creepy Nuts

参加プロデューサー:
西寺郷太 (Track 08)
DJ UPPERCUT(Track 11)
Yusuke Nakamura (Blu-Swing,LastElectro) (Track 01&06)

■ツアー情報
『ALBUM RELEASE TOUR 「TOUR BALLADS」』
11月1日(金)神戸 VARIT.
11月4日(月・祝)札幌 Sound Lab mole
11月15日(金)大阪 CLUB QUATTRO
11月16日(土)名古屋 CLUB QUATTRO
11月24日(日)仙台 MACANA
11月29日(金)広島 CLUB QUATTRO
12月1日 (日)福岡 BEAT STATION
12月13日(金)赤坂 マイナビBLITZ赤坂

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