Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

左から大高洋夫、小宮孝泰、茂山千之丞、渡部豪太。

多田淳之介「ゴドーを待ちながら」、キャストが“四者四様”の意気込み

ナタリー

19/6/2(日) 10:32

6月12日に開幕するKAAT神奈川芸術劇場プロデュース「ゴドーを待ちながら」の出演者より、コメントが届いた。

今回の多田淳之介演出版では、主人公のウラジミールとエストラゴンを、60歳前後の俳優が務める「昭和・平成ver.」と、三十代の俳優が務める「令和ver.」の2バージョンが上演される。「昭和・平成ver.」のウラジミール役を大高洋夫、エストラゴン役を小宮孝泰が、「令和ver.」のウラジミール役を茂山千之丞、エストラゴン役を渡部豪太が演じるほか、ラッキー役とポゾー役を永井秀樹と猪股俊明、少年役を木村風太が担当する。

大高は、第三舞台旗揚げ時のエピソードに、KAAT神奈川芸術劇場芸術監督・白井晃が絡んでいることを語り、「第三舞台旗揚げ公演『朝日のような夕日をつれて』は『ゴドーを待ちながら』をベースにした作品。あれから38年、念願本丸ウラジミール。もしあの時白井さんと楽しく麻雀していたら第三舞台も『朝日~』もそしてこの舞台もなかったかと思うとゾッとする。白井さんのあの日の不在に心から感謝している」と感慨を述べる。

対する小宮は今回の新訳が「意外ととっつきやすい」と言い、「僕としては、何かをわかろうとしたり、役を作り込むよりは、もっと等身大に近いカタチで 臨みたいところ。さすがに60歳過ぎてますから、キャリアの中からあの手この手と使える手も自然と出てくるでしょうし。親しみやすいゴドーになる……のかな? そこは本番あけてのお楽しみで」と語る。

千之丞は作品への縁を語りながら「ことさらに狂言を出すつもりはないですが、どうしても透けてくるものはあるでしょうね。そういう、役者自身が透けてくる部分もまた、この作品の魅力じゃないでしょうか。メタ的なセリフもあるし、舞台装置もそう。僕自身が楽しみなように、お客さまにも楽しんでもらえたらいいですね」と期待を込め、渡部は「エストラゴンとウラジミールという、ある意味、陰と陽のような一心同体の登場人物。別バージョンの大高さんと小宮さんが最初の本読みから凄くて、ファンになってしまったんですけど、今は負けてられない気持ちがあります。千之丞さんも強力ですから。ぜひ令和元年に、現代の最先端の演劇作品として、観にきていただければと」と意気込みを述べた。

公演は6月12日から23日まで、神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて。

大高洋夫 コメント

鴻上尚史と僕は麻雀がしたかった。1人は確保、もう1人……満場一致で早稲田大学演劇研究会の一期先輩で、現・KAAT神奈川芸術劇場・芸術監督の白井晃さんに狙いを定め即電話。不在だった。失意のどん底、鴻上と2人で喫茶店。しゃべることもなくなり沈黙に耐えきれず、ついと出た僕の言葉「そろそろ俺たち劇団作んない?」鴻上の糸のような目が三倍くらいに開いた。第三舞台旗揚げ公演『朝日のような夕日をつれて』は『ゴドーを待ちながら』をベースにした作品。あれから38年、念願本丸ウラジミール。もしあの時白井さんと楽しく麻雀していたら第三舞台も「朝日~」もそしてこの舞台もなかったかと思うとゾッとする。白井さんのあの日の不在に心から感謝している。

小宮孝泰 コメント

最初に今回の戯曲を読んだとき、これは訳が新しいんだろうなと感じたんです。そのとおりでした。難解なものを想像していたら、意外ととっつきやすいんですよ。掛け合いのテンポもいまっぽい。あと、あきらかにコミカルだったり、ふざけてたり。そこを難しく解釈することも可能なんでしょうけど、でももっと真に受けてふざけていいんだろうなと思いました。それでいて、詩的に響くところはちゃんとグッとくる。だから僕としては、何かをわかろうとしたり、役を作り込むよりは、もっと等身大に近いカタチで 臨みたいところ。さすがに60歳過ぎてますから、キャリアの中からあの手この手と使える手も自然と出てくるでしょうし。親しみやすいゴドーになる……のかな? そこは本番あけてのお楽しみで。

茂山千之丞 コメント

昨年オファーをもらった時点で、千之丞襲名が決まっていたので、「おおっ」となったんです。というのも、ウチは祖父(二世千之丞)も親父(茂山あきら)もベケット作品の演出をやっているし、僕自身もゴドーのパロディのような芝居を作ったこともある。襲名のタイミングでこういうお話がくるのも、不思議な縁だなと。今回はあくまで多田さんの演出ですので、僕としては一パーツとして自由に使ってもらえたらと思っています。ことさらに狂言を出すつもりはないですが、どうしても透けてくるものはあるでしょうね。そういう、役者自身が透けてくる部分もまた、この作品の魅力じゃないでしょうか。メタ的なセリフもあるし、舞台装置もそう。僕自身が楽しみなように、お客さまにも楽しんでもらえたらいいですね。

渡部豪太コメント

「ゴドーを待ちながら」の存在は知っていましたけど、オシャレな作品なんだろうなぐらいに思っていたんです。でも実際に触れてみたら、そんな生易しいものではないですね。懐が深いし、いろんな解釈もできる世界が広がっていました。誰がいつの時代にこの作品に関わったとしても、当たる光の角度によって違った輝きを見せる宝石のよう。だから古い作品という意識はほとんどないですね。エストラゴンとウラジミールという、ある意味、陰と陽のような一心同体の登場人物。別バージョンの大高さんと小宮さんが最初の本読みから凄くて、ファンになってしまったんですけど、今は負けてられない気持ちがあります。千之丞さんも強力ですから。ぜひ令和元年に、現代の最先端の演劇作品として、観にきていただければと。

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース「ゴドーを待ちながら」

2019年6月12日(水)~23日(日)
神奈川県 KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ

作:サミュエル・ベケット
翻訳:岡室美奈子(白水社「新訳ベケット戯曲全集1」)
演出:多田淳之介

キャスト(昭和・平成ver. / 令和ver.)

ウラジミール:大高洋夫 / 茂山千之丞
エストラゴン:小宮孝泰 / 渡部豪太
ラッキー:永井秀樹 / 猪股俊明
ポゾー:猪股俊明 / 永井秀樹
少年:木村風太

アプリで読む