19世紀末に活躍した、平坦で装飾的な画面構成で知られる芸術家集団「ナビ派」。リーダー格のセリュジエを筆頭にボナールやドニなど若き芸術家たちが好んで描いていたのが子どもたち。この展覧会は、そんな自由闊達な子どもたちの絵を、南仏のボナール美術館の全面協力のもと、たっぷり見られる展覧会。ドニの描く天使のように愛らしい子どもたちだけでなく、ヴァロットンの描く小憎らしい子どもたちや、ゴッホの描くおじさん度の高い子どもなど、かわいくない子どもたちもある一定数きちんと描かれているのがたまらない。ナビ派の子どもを通して、当時の都市観や家族観、さらに社会状況なども感じ取ることもできるのも楽しい。