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心理テストで今のあなたがまる分かり! 映画パーソナリティ伊藤さとり

洞窟に居座っていたのは…?

毎月連載

第39回

【問題】
アナタは大切なものを洞窟に落としてしまって、ロック様(ドウェイン・ジョンソン)のような怪力で怖いもの知らずの友達と連れ立って洞窟に入ることにしました。

すると大切な物の前には“死”を感じさせる最も苦手な動物が居座っていたのです。

果たしてそれはこの中のどの動物ですか?



心理学では、“洞窟”とは自分の心の奥底、無意識の象徴を意味します。そして“死”とは再生を意味します。

そんな状況下で大切な物を手に入れるために対峙する動物こそが、これからのアナタの世界を変える友達なのです。

まさにアナタを一皮剥いてくれる相手とはどんなタイプの人なのか? 結果は下をご覧ください。

Aを選んだアナタは
“規律や法律を学んでいる人”

“大蛇”は、体を締め付け、大きな口で獲物を飲み込んでしまう生き物。今のアナタ自身が一皮剥けるためには、ある程度の規律や法律を学んでいる職種や思想の人と出会い、話を聞くこと。そうすれば今までとは違う考えが生まれます。

政治について詳しい人もアナタに良い刺激を与えてくれますが、大切なのは自分自身で調べること。相手に飲み込まれずに自分で考えることがポイントです。

そんなアナタにオススメしたい映画は、男の子の体で生まれた少女と家族が、生きやすい生活を求め奮闘するドキュメンタリー『リトル・ガール』。本当の意味での平和とは何かを考えてみては?

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Bを選んだアナタは
“趣味の合わない人”

“人喰いワニ”は、水陸両用であり、大きな口で噛みつき、水へ引き込んでしまう生き物。今のアナタ自身が一皮剥けるためには、自分と趣味の合わない相手と交流し、自分では行かないところへ連れて行ってもらうことです。

今まではスポーツをしなかったのに行ってみるとか、好きじゃないジャンルに飛び込むことで、新しい知識を学び、聞くことで会話上手へと発展するでしょう。

そんなアナタにオススメしたい映画は、人気ドラマの映画化となるゲイカップルの愛と、美味しい料理が愛おしい劇場版『きのう何食べた?』。人と本音で向き合っているか再確認してみては?

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Cを選んだアナタは
“アナタのことを苦手そうな人”

“巨大タランチュラ”は、猛毒を吐き、ジワジワと苦しめながら獲物を食べる生き物。今のアナタ自身が一皮剥けるためには、アナタのことを苦手そうな相手との交流です。

自分を苦手とする相手の懐に入ってみることで、相手がどうして自分を苦手と思っていたのかを知り、自分のウィークポイントにも気づくことに。さらに交流することで、相手の感情が自分に好意的に変化することもあります。

そんなアナタにおすすめの映画は、林遣都、小松菜奈共演の、潔癖症と視線恐怖症の恋を描いた『恋する寄生虫』。苦手そうな人と交流することで化学反応が起こるミラクルを体験してみては?

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Dを選んだアナタは
“憧れる生き方をしている人”

“ティラノサウルス”は、誰も見たことがない憧れを抱かれた絶対的パワーを持つ肉食動物。今のアナタ自身が一皮剥けるためには、アナタが憧れている生き方をしている人にコンタクトを取ることです。

その人と交流できればアナタも自信がつき、この先、自分がどうなりたいか、具体的なビジョンが見えてくるでしょう。アドバイスではなく、その人の考えや経験を聞くことが大事です。

そんなアナタにオススメの映画は、世界の歌姫アレサ・フランクリンの半生を描いた『リスペクト』で、彼女のカリスマ性が苦悩の中で生まれたことや人間力の素晴らしさに心震わせて。

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伊藤さとりの今月のオススメ心理映画

『ロン 僕のポンコツ・ボット』~SNSの「イイね」が変えてしまう感情~

(C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

人は“多数派”に同調する

スマートフォンが一つあるだけで世界は大きく広がった気になる。

確かに会わずして共通の趣味を持つ友達が出来るし、SNSに投稿するだけで突然、人気者にまでなれてしまう便利なツール。

そんなデジタル機能がさらに充実し、自分と気が合う友達を見つけ出してくれるロボットが発売されたら購入するでしょうか。いや、きっと皆が持ち始めたら“取り残されてしまう”気になってきっと購入しちゃうのが人間の心理でしょ?

これを「集団心理」と言うんですが、人は多数派に同調する傾向が強く、その方が合理的だし仲間外れにならないとまで考える生き物なのです。

これは子どもの世界では更に色濃くなり、会話のきっかけとして『鬼滅の刃』などを知らなければ皆と仲良くなれない気にまでなっていくのですよ。

不良品のポンコツボット・ロン

(C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

そんな子どもはもちろん、ネットの世界の危うさを描きながら、子育てについてまで考えるなど、幅広い世代にアプローチする映画が現在公開中のアニメーション『ロン 僕のポンコツ・ボット』です。

映画の主人公は、友達が居ないバーニー。彼が通う学校では彼以外の生徒全員がBボット(自分にピッタリな友達も見つけてくれる便利なロボット型デバイス)を持っていて、休み時間はバーニーだけがいつも一人ぼっち。

そんなある日、お父さんからBボットのプレゼントが届くのですが、それは不良品のポンコツボット・ロンだったのです。

友達も作れずにオンライン接続も出来ないロンに、バーニーは「友達」に必要なことを一から教えるのですが……。

もしかするとこのロンというポンコツボットは、協調性に欠け、自由で感情に正直過ぎる発想を持つ、忘れんぼうの発達障がい傾向がある子どもなのかも?という見方も出来ます。

(C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

まさに指図されることが好きではなく刺激の強いことが好きで、一緒に笑って一緒に怒って、いつまでも一緒に遊んでいたい好奇心旺盛なロン。けれど人からは「故障している」と言われ、「普通じゃない」と気付いていくのですが、バーニーは、破天荒なロンのことが大好きになっていくのです。

その理由は、ロンは学校の生徒たちのようにBボットでゲームの一位になろうとしたり、Bボットでネット上の「イイね」の評価ばかりを気にする仲間を作る繋がりではない、生身の自分を見てくれて一緒に笑ったり怒ったりしてくれ、更には固定概念に囚われない友達だったからです。

普通って何? “自分と違う”を締め出さないこと

(C)2021 20th Century Studios. All Rights Reserved.

この映画は、SNSが生み出す世界で自分がどうすれば人気者になれるかという「承認欲求」に囚われると、自分のことばかりに夢中になって他者への思いやりを忘れてしまうよ、と忠告しているようにも感じます。

そして“イイね”の数が多いだけでその人は、魅力的だと思い込んでしまう集団心理も描いているようでした。けれど実際はどうなんでしょう? もしかしたらパフォーマンスが上手いだけかもしれない。実際に会って話して見ないと内面は分からないのが事実です。

そしてもう一つは、自分と考えの違う人や自分と違う行動をする人を締め出さないことが「思いやり」を生むということでした。「集団心理」を外すだけで、「普通じゃない」からの囚われが外れるはず。

だって“普通”こそが、多くの人がしている統計であり、ただの“思い込み”なだけなのだから。そう考えると、実は自分にとっての最高の友達はすぐそこに居るかも知れませんね?

プロフィール

伊藤さとり(いとう・さとり)

邦画&洋画の記者会見や舞台挨拶を週5回は担当する映画MCであり、年間500本以上は映画を見る映画コメンテーター。TSUTAYA店内放送「WAVE-C3」で新作DVD紹介のDJ、ケーブルテレビ無料放送チャンネル×ぴあ映画生活×Youtube:動画番組(俳優と対談)「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、雑誌「シネマスクエア」コラムや、デイリースポーツでスターの魅力コラム連載、スターチャンネルで映画紹介他、TV、ラジオ、雑誌、WEBなどで映画紹介のレギュラーを持つ。心理カウンセリングも学んだことから映画で恋愛心理分析や心理テストも作成。

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