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井上ひさしが描いた戦後日本が現代を照らす、こまつ座『私はだれでしょう』開幕

ぴあ

こまつ座第134回公演『私はだれでしょう』

井上ひさしが、戦後日本のラジオ番組を題材に紡いだ『私はだれでしょう』が、本日10月9日(金)から上演される。2017年の上演時に好評を博した、キャストとスタッフが集結しての公演だ。

2010年4月に井上ひさしが逝ってから、ちょうど10年。コロナ禍においても、彼の作品を丁寧に観客に届け続けるこまつ座が、次回公演に選んだ作品は『私はだれでしょう』だ。舞台は敗戦直後の昭和21年7月、日本放送協会の一室。15分間のラジオ番組「尋ね人」を制作する人々の物語だ。番組制作にひたむきに取り組むのは、脚本班分室長である元アナウンサー川北京子をはじめとする3人の女性分室員。事前検閲を執り行うCIE(民間情報教育局)からは、ラジオ担当官としてフランク馬場が着任した。そんなある日、「山田太郎」を名乗る男が「ラジオで私を探してほしい」との要望を持って現れる——。

川北京子を演じるのは、前回公演で、向かい来る現実に敢然と立ち向かう姿が好評を得た朝海ひかる。フランク馬場役には、二兎社やミュージカル『ローマの休日』(初演~2017年公演まで出演)など、舞台でも活躍の幅を広げる吉田栄作があたる。他にも、好評を博した2017年上演版のスタッフ・キャストが集結。次々と襲いくる騒動に翻弄されるラジオ局の一室を、きめ細やかに描き出す。

演出にあたるのは、栗山民也。こまつ座作品に多く登板するほか、地に足のついた活躍ぶりを見せる百戦錬磨の演出家だ。栗山は「今のこの自粛生活の、のっぺりとした時間のなかで、再びこの熱く必死な力を持つ台本を前に、パンデミックとやらの後にやって来るものとは何かを考えます。そして、空気のように当たり前に素通りしていた“普通の生活”が、どんなに大事であったかを強く噛み締めています」とコメント。「世界の新しい価値観と出会うため、“必死だった人間たちの声”を何度も聴くことから、始めていこうと思います」との言葉に、この作品に対峙する者の決意が浮かび上がる。「真実」にひたむきに向き合い、向き合うことから逃げなかった、誇り高き人々の物語だ。

公演は10月22日(木)まで、紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて。

こまつ座第134回公演
『私はだれでしょう』
作:井上ひさし
演出:栗山民也
会場:東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA

【スペシャルトークショー開催】
・10月11日(日)13:00公演終了後
登壇:朝海ひかる、枝元萌、大鷹明良、吉田栄作
・10月20日(火)13:00公演終了後
登壇:朝海ひかる、尾上寛之、平埜生成、八幡みゆき、吉田栄作
※登壇者は都合により変更の可能性あり

文:小川志津子

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