根矢涼香が主演、川崎僚が監督を務める「SEASONS OF WOMAN」が、12月19日より東京の池袋シネマ・ロサで公開される。

本作は、川崎が「女性として生きること」をテーマに6年を掛けて制作したオムニバス作品。「笑女クラブ」「彼女のひまわり」「AUTUMN OF WOMAN」「雪の女」といった4編で構成され、女子高生、大学生、社会人と年齢を追うごとに変化していく女性の悩みを、春夏秋冬それぞれの季節を舞台に描いている。根矢のほか、「ピンカートンに会いにいく」の内田慈、「ソワレ」の芋生悠、斉藤結女、瀧本七菜恵、金野美穂、見里瑞穂、宍泥美もキャストに名を連ねた。

このたび到着したポスターデザインは、根矢自身が手がけたもの。またYouTubeでは予告編も公開された。根矢は「社会の群れと泳ぐために纏ってきた鎧の重さに耐えかねて、沈んでゆく友をもう見たくなかった。彼女たちのたくさんの、たくさんの涙を、川崎監督の手が大事に掬って、広く温かい海にして、私たちを包んでくれるのです」と本作を紹介。川崎は「この映画たちには、ずっと悩み続けた『女性であること』への答え、そして、六年間撮り続けてきた自主映画への思いが詰まっています。苦しい冬を乗り越え、私たちはきっと春を迎えることができる。今、部屋の片隅でめそめそと泣いている、そんな頑張っている女性にこの想いが届きますように……」とメッセージを送っている。内田と芋生のコメントも以下に掲載した。

なお、「ndjc：若手映画作家育成プロジェクト2019」で製作された川崎の監督作「あなたみたいに、なりたくない。」や、根矢の出演作「あの海が泣いている」、川崎の初監督作品「夏目の女」も日替わりで同時上映される。

根矢涼香 コメント

日々の中で、押し付けられた「役」に苦しんでそれでも作り笑いをしていた自分を見つけた時、私が女じゃなかったら違っていたのかなと思う瞬間が幾度かあった。けれど繰り返し訪れては二度と帰らない景色の真ん中で、憧れ、嫉妬し、抱き合って眠りにつく時、私は自分の性を、もとい私の生を、確かに謳歌した。
たかだか生まれ持った身体の差だった。脆くて優しい中身には、等しく名前はついていない。社会の群れと泳ぐために纏ってきた鎧の重さに耐えかねて、沈んでゆく友をもう見たくなかった。彼女たちのたくさんの、たくさんの涙を、川崎監督の手が大事に掬って、広く温かい海にして、私たちを包んでくれるのです。

内田慈 コメント

川崎僚監督は、とても純度の高い方。自分に、相手に、そして作品に対して、真っ直ぐです。だからこそ、川崎監督の書かれた台詞を発するのにはとても覚悟と勇気と準備が必要でした。役・台詞を落とし込んで改めて感じたのは、すべてが必然であること。そんな監督の描いた様々な女たちは皆切実で、試写、自分が出ているのも忘れて泣きました。

芋生悠 コメント

四季が好きです。どの季節にもそれぞれの美しさがあります。女性もまた、めぐる季節のように多様で美しい生き物だと思います。川崎監督はそれを深い慈しみのような眼差しで捉え映画にしているような気がします。そして今年の雪はきっと綺麗なんだろうなと、心が弾みます。

川崎僚 コメント

女性として生きていくのが、こんなにも苦しいこととは思いませんでした。歳を重ねれば重ねるほど変わっていく友情のかたち、社会からの圧力。でも、どんなに嫌でも、自分が女性であることから逃れることができません。だからこそ、『女性と女性』についての映画を、逃げずに撮り続けようと決めました。
私が映画を撮り始めたのは、2013年。あれから早くも六年の月日が経ち、四本の短編映画は完成しました。
この映画たちには、ずっと悩み続けた「女性であること」への答え、そして、六年間撮り続けてきた自主映画への思いが詰まっています。
苦しい冬を乗り越え、私たちはきっと春を迎えることができる。今、部屋の片隅でめそめそと泣いている、そんな頑張っている女性にこの想いが届きますように……。