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映画『レ・ミゼラブル』に細田守、森達也、石川直樹、スプ子らがコメント

CINRA.NET

20/2/6(木) 13:25

©SRAB FILMS LYLY FILMS RECTANGLE PRODUCTIONS

フランス映画『レ・ミゼラブル』に寄せた著名人のコメントが到着した。

『第72回カンヌ国際映画祭』審査員賞を受賞し、『第92回アカデミー賞』国際長編映画賞にノミネートされている同作。ヴィクトル・ユゴーの小説『レ・ミゼラブル』で知られ、現在は移民や低所得者が多く住む犯罪地域となっているフランス・パリ郊外のモンフェルメイユを舞台に、犯罪防止班に加わった警官のステファンが複数のグループ同士の緊張関係を察知するが、イッサという少年が引き起こした些細な事件をきっかけにやがて取り返しのつかない事態へと陥っていくというあらすじだ。監督と脚本を務めたのはモンフェルメイユ出身、在住のラジ・リ。出演者にはダミアン・ボナール、アレクシス・マネンティ、ジェブリル・ゾンガ、ジャンヌ・バリバールらが名を連ねる。2月28日公開。

今回コメントを寄せたのは、雨宮処凛、雨宮塔子、石川直樹、市毛良枝、内田樹、宇都宮健児、荻上チキ、小熊英二、空族、スプツニ子!、ブレイディみかこ、細田守、望月優大、森達也、安田菜津紀。

雨宮処凛のコメント

ただただ圧倒された。
凶器のような、宝石のような映画だ。

雨宮塔子のコメント

パリ郊外に暮らしてみて5ヶ月。人々のこの心の闇は他人事ではない。
少年の親だったら、警官の妻や恋人だったら…。
個々の登場人物に次第に感情移入していける監督の手腕に、今も悲しみが抜けない。

石川直樹のコメント

善悪の対立に収斂させず、複雑なものは複雑なまま提示する。その中から生まれる抜き差しならない“抵抗”は、観る者に刺さる。こういう作品を待ち望んでいた。

市毛良枝のコメント

ずっと親しんできたユゴーの「レ・ミゼラブル」。あの悲しくも感動の物語は、歴史ではなく、いま起こる現実だった。
尊厳とはなにかと、するどく突きつけられる。

内田樹のコメント

パリのバンリュー(郊外)はフランスで最も危険であると同時に最も“先端的”な場所である。
フランス社会の抱える本質的な弱さと希望がともにそこに可視化されているからである。

宇都宮健児のコメント

衝撃的なラストシーンだ。
『友よよく覚えておけ、悪い草も悪い人間もない、育てる者が悪いだけだ』というヴィクトル・ユゴーの言葉が胸に突きささってくる。

荻上チキのコメント

小さな侮辱が、大きな暴力につながっていく。バリケードを作っても、民衆の歌はかき消される。
ラストシーンであなたは、何を願うだろうか。

小熊英二のコメント

「移民」「差別」「イスラム原理主義」。そんなニュースの見出しを、観る以前の感触では読めなくなる。
世界の断面を鮮烈にデフォルメした、まさに映画にしかできない荒業。

空族のコメント

子どもたちは悪を働かない。いつだって腐ったおとなたちへの怒りだけがある。
ラジ・リ監督の生まれ育った無情の街と人への愛情が、混迷を極めるこれからの時代への希望となる。

スプツニ子!のコメント

移民や貧困状況にある声が届きにくい人々に、社会や政治が無関心でいる事で起こる悲劇を少しでも減らす為に、私たちは他人に共感する事を忘れてはならない。
この映画は私にそれを思い出させてくれる。

ブレイディみかこのコメント

冒頭の歓喜とタイトルのアイロニーに震えた。
本作は答えなど与えてくれない。
ただ問いだけが火炎瓶のように投げられる。

細田守のコメント

パリはおしゃれなんかじゃない。この映画が描く危険なパリに、ぞくぞくするような真実がある。

望月優大のコメント

ラジ・リが描く人々は、互いにどれだけ違ったとしても、同じ一つのものを求めているように思えた。
それは、複雑に折り重なる秩序維持と相互監視の装置、その片隅に生まれては消えていく自由だ。

森達也のコメント

映画の時制と自分の時制がシンクロする。こんな映画体験はちょっと記憶がない。
根っからの悪人など一人もいない。でも組織や集団に埋没することで人は変わる。そしてこれ以上ないほどにミゼラブルな事態が起きる。
ラストに僕は希望を持ちたい。無理にでも持ちたい。

安田菜津紀のコメント

この映画に、どんな言葉を添えても安易なものに思えてしまう。それほどまでに、圧倒される。
多様とは、権力とは、憎しみとは、居場所とは…あらゆる問いがここに凝縮されている。

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