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平辻哲也 発信する!映画館 ~シネコン・SNSの時代に~

復活・渋谷PARCOに誕生したミニシアター WHITE CINE QUINTOは何色に染まるのか?

隔週連載

第25回

19/12/1(日)

渋谷に新たな映画館が誕生した。11月22日にグランドオープンした「渋谷 PARCO」の8階にあるミニシアター「WHITE CINE QUINTO(ホワイトシネクイント)」だ。「WHITE」に込めた思いは新しい発見、可能性、才能、楽しみ方、そして、無限に広がる無垢な場所。ジャンルにこだわらず、さまざまな映画を発信していくという。

渋谷カルチャーをリードするパルコが新たな映画館を送り出した。渋谷PARCOの建て替えのため2016年から一時休館後、渋谷ロフト隣の映画館・渋谷シネパレス跡地に復活した2代目「シネクイント」に続くミニシアターは、“来場すること自体がイベントとなる”ことを売りにする。

映画館のある8階は、パルコ文化発信の核となる「PARCO劇場」(636席)、コピーライター、エッセイスト、タレント、作詞家として活躍する糸井重里氏によるギャラリー「ほぼ日曜日」も入居しているカルチャー・スペース。映画館の座席数は108席(+車椅子スペース1席)。株式会社パルコ エンタテインメント事業部コンテンツ事業担当 映画チームの岩垂史兼課長は「椅子は、左右に肘掛けを作り、隣の人同士が取り合うことがないように広めに取っています。お客様が大切な人をちゃんと呼びやすい映画館にしたいと思っています」。チケットは一般1900円だが、パルコカード割引(1500円)、水曜日のサービスデイ(1200円)といった割引や、スタンプカード(無料配布)で4スタンプ集めると次回1回鑑賞無料というお得なサービスもある。

スクリーンは1つ
館内は白のイメージで統一

旧「渋谷PARCO part3」 8階にあった初代「シネクイント」(1999年7月〜2016年8月)は、7か月に及ぶロングランヒットとなったヴィンセント・ギャロ監督・主演の『バッファロー'66』(1999年)を始め、『スター・トレック』にオマージュを捧げたSFパロディー『ギャラクシー・クエスト』(2000年)、ロリータ文化を広めた『下妻物語』(2004年)、SFコメディー『宇宙人ポール』(2011年)、アイルランドの音楽映画『シング・ストリート 未来へのうた』(2016年)などエッジの効いた作品を公開してきた。

「渋谷の映画館を遡ると、ユーロスペース(1982年〜)、シネマライズ(1986〜2016年)、Bunkamuraル・シネマ(1989年〜)という老舗があって、うちは最後に出た映画館だったので、目線を下げていこうということがありました。そのDNAも大切にしたいです」と同社チーフプロデューサーの堤静夫氏。WHITEは従来の路線を継承しつつ、映画、映画館の概念にこだわらず、様々なカルチャーや実験的な企画を提供し、共感を生み出せる場所を目指す。

確かにラインナップは特徴的だ。オープニング作品は、70 年以上にわたり独自の芸術を表現し続け、2016 年に TIMES 誌の「世界で最も影響力のある 100 人」に選出された草間彌生氏の半生を追うドキュメンタリー『草間彌生∞INFINITY』(監督ヘザー・レンズ)と三宅一生氏による男性ブランドの仏パリのショーを記録した『PLAYGROUNDS Stories behind HOMME PLISSE ISSEY MIYAKE』だ。2020年1月31日からは、再開発めまぐるしい渋谷を舞台にしたガールズムービー『転がるビー玉』を先行公開する。

今後も、音楽、アート、ファッション、渋谷カルチャーをメインにジャンルを問わない個性的で良質な作品のほか、ファッションブランドのコレクションなど“映画以外”のコンテンツも上映予定。「客層はノンエイジ、ジェンダーレス。渋谷PARCOに足を運ぶカルチャー好きの方が満足できるような企画をやりたいです。店内にはギャラリーはたくさんありますし、いろんな店舗も入っています。映画自体がコラボし、立体的に楽しめる空間をお客様と作っていきたいと思っています」と岩垂さん。PARCOがSNS時代に映画で新たなムーブメントを生み出すことができるか。

映画館データ

WHITE CINE QUINTO

住所:東京都渋谷区宇田川町 15-1 渋谷 PARCO 8階
電話:03-6712-7225
公式サイト: WHITE CINE QUINTO

プロフィール

平辻哲也(ひらつじ・てつや)

1968年、東京生まれ、千葉育ち。映画ジャーナリスト。法政大学卒業後、報知新聞社に入社。映画記者として活躍、10年以上芸能デスクをつとめ、2015年に退社。以降はフリーで活動。趣味はサッカー観戦と自転車。

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