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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

左:鈴木芳雄 右:遠山正道

遠山正道×鈴木芳雄「今日もアートの話をしよう」

リニューアル・オープンした東京都現代美術館

月2回連載

第17回

19/5/3(金)

リニューアルを記念し
2本の展覧会が開催中

鈴木 およそ3年間の休館を経てリニューアル・オープンした東京都現代美術館。現在は、リニューアル・オープン記念展の企画展「百年の編み手たち-流動する日本の近現代美術-」と、コレクション展「MOTコレクション ただいま / はじめまして」が開催中ですが、遠山さん、何か気になる作品あった?

リニューアルした東京都現代美術館

遠山 朝倉摂さんがまず気になったな。彼女の作品は、あまりいままでコンテンポラリーアートの文脈では語られてこなかったイメージがあったから、今回たくさん並んでいて面白かった。

「百年の編み手たち-流動する日本の近現代美術-」第4章、朝倉摂作品展示風景

鈴木 朝倉摂さんって、日本画家の伊東深水に師事して、最初は日本画を学んでたんだよね。そう考えたら、彼女は、歌川国芳の流れを汲んでる。

遠山 どういうこと?

鈴木 まさかの浮世絵の流れから! 画家がどういう人に師事して、どういう流れを汲んでるかを調べてみるのも面白いね。

遠山 まさかの流れを汲んでたりするからね。しかも朝倉さん自身が、「東洋のロダン」と言われた彫刻家の朝倉文夫の娘さんだから、出自からしてすごい人。

秋山祐徳太子《[東京都知事選立候補ポスター]》1975

遠山 あと、秋山祐徳太子さんの《[東京都知事選立候補ポスター]》(1975年)を見そびれたのが悔やまれる。

鈴木 「保革の谷間に咲く白百合」のキャッチコピーの(笑)。
祐徳さんは1935年生まれで、これは40歳で出馬した時のポスターだけど、44歳の時にも出馬してる。遠山さん、この時のこと覚えてる?

遠山 さすがに当時は全然知らない。私、13才とか17才ですから。芳雄さん覚えてる?

鈴木 覚えてる。しかも79年の時は選挙権持ってたし(笑)。

遠山 そうだ、持ってる(笑)。投票した?

鈴木 ごめんなさい、投票してない(笑)。麻生良方とかに入れた気がする。

遠山 (笑)。でも祐徳さん、本気で都知事選に出てたわけではないよね? 一種のパフォーマンスアートとしてだよね?

鈴木 うん、都知事選に立候補すること自体が、政治のポップアート化というアートだって本人も言ってたよ。もともと「泡沫候補」と呼ばれる候補が好きだったんだって。

遠山 「泡沫候補」?

鈴木 うん、選挙法によく通ったなっていうような候補者っているじゃない? 彼らのことを世の中は「泡沫候補」って呼ぶ。祐徳さんはそういう人たちが好き放題言いたいことを言うのを面白く見ていたんだって。それで「俺も!」って思って、立候補したそうです。
そして落選後も自ら「泡沫ソムリエ」と称して、2002年には『泡沫桀人列伝―知られざる超前衛』(二玄社)を出版。迷著、いや名著です(笑)。

遠山 なるほど(笑)。しかもそのポスターがいまではパブリックコレクションとして、いろんな美術館に収蔵されているんだから、面白いよね。  芳雄さんが気になった作品はある?

コレクション展「MOTコレクション ただいま / はじめまして」中園孔二《無題》2012 展示風景

鈴木 僕はコレクション展に出ていた中園孔二さんだな。横須賀美術館での個展以来1年ぶりぐらいに見たけど、やっぱり迫力がある。

遠山 その人はどんな人なの?

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