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FANTASTICS 世界の圧倒的なダンススキルとリーダーシップ サブカルチャーを愛し、エンタメ発信を惜しまない一面も

リアルサウンド

20/8/25(火) 6:00

 EXILEのパフォーマーである世界と佐藤大樹、EXPGから選出された澤本夏輝、瀬口黎弥、中尾翔太、堀夏喜、木村慧人。『EXILE presents VOCAL BATTLE AUDITION 5』の合格者である八木勇征と中島颯太をボーカルに加えたダンス&ボーカルグループ、FANTASTICS from EXILE TRIBE(以下、FANTASTICS)。爽やかなビジュアルや楽曲、スタイリッシュなダンス、演劇パートを取り入れた独創的なライブスタイルなどが魅力の彼らが、9月23日に6thシングル『Winding Road ~未来へ~』をリリースする。そこで本連載では、FANTASTICSのメンバーに1人ずつフィーチャー。第2回となる今回は、最年長リーダーの世界について紹介していく。

 世界は、1991年2月21日生まれで神奈川県出身。本名は山本世界。“ダンスの申し子”と呼ばれる彼は、元タカラジェンヌでダンス講師をしている母親(元宝塚歌劇団60期生の青樹りょう氏)の影響で、2歳から自然とダンスを始めた。当時は今のようにキッズダンサーが多くなかったため、どこに行っても最年少だったそうで、舞台のセンターでパフォーマンスしているうちに「人から見られる楽しさを知ってしまい、自然と舞台にハマっていきました」(参照:okepi)とのこと。その流れで自らオーディションを受け、2001年~2003年には劇団四季『ライオンキング』にヤングシンバ役として出演。それと同時に、小学生の頃にはO.G.SのTATSUからヒップホップを習ったり、PYROのTooRuからハウスを習ったり、第一線で活躍するダンサー達からさまざまなジャンルのダンスを学んでいたそうだ。そして、高校を卒業すると18歳の時にニューヨークに渡り、ヒップホップダンスの礎を築いた伝説のダンスチーム、ELITE FORCEのオリジナルメンバーLOOSE JOINTに師事。2011年からは三浦大知などのバックダンサーを務め、2012年にはELITE FORCEのSTRETCHがやっているインターナショナルなバトルイベント『STEP YA GAME UP』で優勝した。EXPG東京校のインストラクターとして、現メンバーである佐藤、澤本、木村にダンスを教えていたこともあるという。

 そんなインプット期間を経て、2014年、23歳の時に『EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION』に挑戦。後に「オーディションに受かりたいというよりは単純に、自分のダンスをメンバーの皆さんへ見せたいと思いました」(引用:Dews)と語っている通り、圧倒的なダンススキルを見せつけ、FANTASTICSメンバーの佐藤と共に、一般応募からEXILEメンバーの座を掴んだ。現在は、EXILE、FANTASTICS、ダンスチームFTHEBの一員として活動している。

 ちなみに、オーディションを受けるにあたって大きく影響を受けた存在として、世界はEXILE TETSUYAの名前を挙げている。というのも、2人は20年来の付き合いで、世界が小学2年生の時、当時19歳のEXILE TETSUYAもO.G.SのTATSUからダンスを習っていたという先輩後輩の間柄。もともとは「アンダーグラウンドと呼ばれるダンスの大会に出るとか、ダンスの先生になって世界を回る」(参照:モデルプレス)といった夢も持っていた世界だが、身近な存在であるTETSUYAが2009年にEXILEに加入したことで、子どもの頃に“いつか一緒に踊ってみたい”と思っていたEXILEの存在がリアルな目標となったようだ。当時を振り返り、「『EXILEはダンス&ボーカルグループというだけじゃなく、一人ひとりの夢をかなえる場所』というテツヤさんのリアルな話が頭に残っていました」(引用:スポーツ報知)と語っている。

 主なダンスジャンルは、ヒップホップ。とはいえ、前述したように子どもの頃にはハウスを習っていたり、母親の影響で10年以上バレエやジャズダンスを習っていた過去もあり、オールジャンル得意。そのため、FANTASTICSでは振付や構成を担当することも多く、ダンスリーダー的な役割を担っている。たとえば、デビューシングルのタイトル曲「OVER DRIVE」(中尾との共作)や『夢者修行 FANTASTIC 9』のリハーサル時に9人で初めて合わせた楽曲「WHAT A WONDER」(堀との共作)の振付を担当。「OVER DRIVE」では、高身長揃いというグループの強みを活かし、パワフルながらも長い手足が映えるスタイリッシュなパフォーマンスを披露。現在は他のメンバーも積極的に振付をしているが、デビュー時のインタビューによると「(振付に関して)水が流れるように、無茶な流れを入れないことを心がけてます。あとは抽象的ですけど煌めきというか……モノでいうと真珠とかダイヤとか宝石っぽい美しさをイメージしてます」(参照:FANTASTICSが語る、“Jr.EXILE”としての決意「EXILE魂をより注入できる存在に」)。自分のダンスについても「今も踊るときにはバレエの意識が染み付いていて、指先や姿勢が気になります」(参照:okepi)と語っており、ヒップホップダンスが持つ荒々しいイメージとは一線を画している。

 世界のキャラクターについて、Wリーダーを務める佐藤は「世界さんは見た目でちょっと怖いのかな? と思われがちですけど、まったくそんなことはなくて、いつも明るくてふざけるのが好きな人ですね」、世界曰く「堀夏(堀夏喜)はパフォーマンス面でも結構引っ張ってくれていて、右腕みたいな立ち位置」(参照:FANTASTICSが語る、“Jr.EXILE”としての決意「EXILE魂をより注入できる存在に」)という堀は「幅広い分野において知識とクリエイティビティを持っているので、FANTASTICSが何をするにしても、的確にディレクションしてくれます」と紹介。どれほど陽気でオタクか?というのは、Instagramで公開している、スパイダーマン姿で踊っている動画を観ていただければ伝わるだろう。近年は各メディアで漫画、アニメ、ゲームに対する熱い想いを語ったり(参照:ナタリー)、日本のポップカルチャーを世界に発信するプロジェクト「OTAQUEST」に参加したりと、“Japanese OTAQU的Dancer”の肩書きにふさわしい活動が増えている。

 また、表立った場面ではおもしろトークで笑いを誘いつつも、リーダーとしてはみんなが言いにくいことを率先して伝えていく立ち位置で、責任感の強い努力家。そこには「EXILEでオリジナルメンバーとステージをともにさせていただいた経験とかを後輩に伝えなきゃいけない」(参照:スポーツ報知)という強い信念があり、一見対称的に見える佐藤とは根っこの部分で通じているようだ。

 実家の近くに米軍基地(横須賀海軍施設)があったことで、幼少期から本場のヒップホップやアメコミをはじめとするエンターテインメントに囲まれて育ったという、世界。昨年行った初の単独ホールツアー『FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE』でも、トークに振付に構成に……と大活躍だった彼は、今年8月にはゲーム実況などを配信する公式チャンネル『世界チャンネル』を開設し、ますますエンタメ愛を燃やしている。そんな世界の今の夢は「個人としてはYouTubeチャンネルを開設し、僕が好きなダンスとアニメを紹介していきたい」(参照:ananweb)と「FANTASTICSでもっとアニソンをやりたい」(参照:ナタリー)。ワイルドでアウトドアなEXILEの王道イメージを覆したEXILE TRIBEきっての“サブカルエンターテイナー”が、FANTASTICSのストーリーをドラマティックに描いていく。

■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter:@stmdr38

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