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戸田恵梨香、陶芸と演技は「自分との見つめ合い」 『スカーレット』は泥臭く愛おしい“朝ドラ”

リアルサウンド

19/9/30(月) 6:10

 戸田恵梨香がヒロインを務める、NHKで101作目となる連続テレビ小説『スカーレット』の放送が本日スタートする。昨年12月の制作発表会見にて戸田は、若手女優の多くが目指す“朝ドラヒロイン”に「自分が“朝ドラ”のヒロインを引き受けるなんて夢にも思っていなかった。若い頃は自分という存在に対しても自信がなかったので、逃げ腰だった」と話していた。そんな彼女が『スカーレット』の現場で、一人の女性の半生と向き合い、15歳から50歳頃までを演じきる挑戦が幕を開ける。

【写真】インタビューアザーカット

 撮影現場での手応えと、半年にわたる放送スタートに向けての意気込みを語ってもらった。

■「いつも皆さんから元気をもらっている」

ーークランクインから5カ月が経過して、体力やモチベーション維持のために心がけていることはありますか。

戸田恵梨香(以下、戸田):日々の食事だけは気をつけて、しっかり食べるようにしているのですが、体力的には今のところ風邪を引くこともなく、元気にやれています。共演者の人たちとのコミュニケーションがすごく楽しくて、いつも皆さんから元気をもらっているんです。物語の中で、喜美子に出会いと別れがあるように、撮影の中でも出会いと別れがあって、嬉しくなったり寂しい気持ちになったり、まだこの人がいてくれたらいいのにって願わずにはいられない瞬間も多くて。台詞の量が膨大で追い詰められる時もあるんですけど、共演者の皆さんとスタッフさんの顔を思い出すとそれだけで頑張れる自分がいて、人の力ってすごいなと日々感じています。

ーー役作りとして、陶芸を特訓されているそうですね。

戸田:女性陶芸家は少ないと聞いていて疑問に思っていたんですが、実際に稽古を始めると本当に体力仕事なんだなと感じました。先生が練る土の硬さだと、私の力が足りなくて練りきれないんです。その時に、男の仕事の世界なんだなと実感して甘くないと思いましたし、喜美子が陶芸家としてやっていこうと決めた勇気に改めて驚きました。

ーー実際に体感して、陶芸の面白さはどこにあると感じましたか。

戸田:手の指の力の入れ方一つで、土の表情が変わるんです。色んな陶芸家の方のSNSを見ていて、それぞれ味わいも魅力も違って、同じ陶芸でもこんなに色んな顔を持ってるんだなと感じます。陶芸をする上で一番重要な土を練る作業が、同じ練る技法でも先生によってやり方が違うらしくて。それを習得することにも時間がかかりますし、自分のその時の体調や感情でも変わってきます。滋賀で教えてくださっている先生も、思ったような色がなかなか出なくて壁にぶつかっていると聞いて、どんなにプロでも自分の思い描いている色を出すには、たくさんの土と火を使って挑戦していくことの繰り返しで、簡単なものではないということがよく分かります。陶芸って奥が深すぎて、本当に趣味で始めたら止められないだろうなと思いました。

ーー陶芸シーンには一切吹き替えなしで挑戦されているそうですね。

戸田:女性陶芸家が少なく私の手に似た方が見つからないので『ご自身で作陶していただけますか』と言われた時には度肝を抜かれました(笑)。もちろん、吹き替えになるとは思ってなくて、稽古をして自分でやるとは決めていたので、やるんだろうなと思ってたんですけど、なにかフォローはあるかもしれないという淡い期待はあったのですが、そういうのも全然なくて(笑)、本当に全部自分でやってるんです。約3カ月くらい陶芸に関しては稽古をしてきたので、視聴者の皆さんに見ていただけるくらいにはできたかなと思います。

■「深い愛情を与えられるような人間になりたい」

ーー喜美子は笑いと愛に溢れてる人だなと感じました。

戸田:私も喜美子の愛情深さは、周りに幸せを与えられるような力があるんだなと感じていて、自分も周りにそうやって深い愛情を与えられるような人間になりたいなと思いました。元気でニコニコと笑顔でいる一方で、仕事でも対人でも何か疑問を感じた時に自分の答えが出るまで徹底的に答えを見つけ出す、絶対に妥協しない姿も魅力的で。その懸命なところが喜美子の素敵なところだなと感じています。

ーー今の所、約5カ月間、同じ人物をずっと演じることをやってきてみてどうですか。

戸田:今回、『スカーレット』のヒロインは、私の女優としてのキャリアがどうなるのか知りたくてやろうとを決めたことでした。11カ月間、同じ女性を演じた時に自分がどう変化しているのか、進化しているのかが知りたいと思って。撮影が始まって今、約5カ月間を経て感じているのは、“全く飽きない”ということです。クランクイン前は自分がどこまで解放されて、どこまで固くなるんだろうか、どこまで自分の視野、世界観が広がるんだろう、という期待を持っていたのですが、最終的には、私の中で色んな踏ん切りがつくんじゃないかなと、今は予想しています。

ーー喜美子の10代から20代を演じてみての感想とこれから歳を重ねる喜美子を演じる上で意識していることはありますか。

戸田:15歳の喜美子を演じる時は、本当に体力を使いました。10代の持っている無敵さ、エネルギッシュな部分を、全身を使って表現していたので、終わった後は息切れしていましたし、たくさん汗をかきました。まだ撮影では15歳から20代しか演じていないので、30代から40代に入っていくにあたって、脚本家の水橋(文美江)さんがどのように喜美子を描くのか、私もまだわかっていません。ですが、喜美子の意志の強さ、芯の通った姿、みんなに力と愛情と笑顔を送り続けるところはきっと変わらないと思うので、そこはブレないように大切に演じていこうと思っています。

ーー陶芸と演技において気づいた共通点はありますか。

戸田:自分との見つめ合いだなと思います。自分を俯瞰で見て、心が統一していなければ、やっぱりどちらもできないんだなと実感しました。

ーー陶芸家になっていくこともそうですが、喜美子には子どもの頃から女性の強さを感じました。

戸田:子どもの頃の喜美子が「女にも、意地と誇りはあるんじゃあ!」と言うセリフが本当に大好きなんです。今でもすごく大事にしていますし、20代になってもその言葉を言うことがあって。当時まだ女性がものを言いにくかった時代にその言葉を屈託なく9歳の喜美子が出せる、その強さ、無敵さに魅力を感じます。喜美子が20、30、40、50歳になってもその心は忘れずにずっと持っていたいです。

ーー最後に、放送スタートに向けての意気込みをお願いします。

戸田:制作統括の内田(ゆき)さんが「『スカーレット』は1人の女性が元気と愛を送る朝ドラの原点を大切にしたい」とおっしゃっていたので、多くの人が抱いている“朝ドラ”のイメージがこの作品にはあると思います。近年の朝ドラは爽やかなイメージですが、『スカーレット』に関しては泥臭いです。その泥臭さが愛おしさに変わっていきます。お芝居していて、共演者の皆さんはじめスタッフの皆さんもやっている中で、笑顔になる瞬間というのがたくさんあって。喜美子はきっと本当に周りの人たちを明るく照らすような存在になっていくんだろうな、なれるんじゃないかなと感じています。全国の皆さんにとって、喜美子に会いたいと思ってもらえるような存在になれるように、これからも約半年、力強く元気に頑張っていきたいと思います。

(大和田茉椰)

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