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北原雅彦60歳を“還暦の赤スーツ”で祝福!スカパラツアー「Treasure Hunt」にぎにぎしく幕開け

ナタリー

赤スーツと赤頭巾姿の北原雅彦(Tb)。(写真提供:Sony Music Artists)

東京スカパラダイスオーケストラの全国ツアー「TOKYO SKA Treasure Hunt」が9月7日に広島・広島CLUB QUATTROでスタートした。

全国の10会場で2DAYS公演が行われる今回のツアー。各会場では、スカパラのワンマン公演とゲストを招いたジャムセッション形式の公演が展開される。ツアー初日となったこの日は、スカパラの最年長メンバーである北原雅彦(Tb)の60歳の誕生日とあり、セッション相手の“ゲストアーティスト”として北原の名前がアナウンスされていた。

開演時刻を迎えると、茂木欣一(Dr)が「世界地図」を歌いながら1人でステージに登場。彼に続いて大森はじめ(Per)、NARGO(Tp)、GAMO(Tenor Sax)、谷中敦(Baritone Sax)、加藤隆志(G)、川上つよし(Ba)、沖祐市(Key)と、北原以外の全員が姿を見せた。8人は北原の顔と「LEGEND」という文字がプリントされたTシャツ姿。準備が整ったところで、茂木は「今日の主役、対バン相手、本日誕生日のトロンボーン北原雅彦!」と、この日の主役・北原をステージに迎え入れる。「どーもー、ありがとうございますー、皆さん、お元気ですかあー?」といつもの“北原節”で登場した北原に、メンバーは口々に「北原さん元気ですね!」「おいくつになられたんですか?」と尋ねる。すると北原は「60歳ー。皆さんももうすぐですよ!」とうれしそうに答えた。

“対バン相手”の北原は、スカパラのツアーの合間などに全国各地でジャズライブも繰り広げており、この日は広島のジャズミュージシャン仲間を従えた北原バンドとしてパフォーマンスを披露することに。「ひとときのジャズタイムを楽しんでね」と観客に呼びかけた北原はバンドのメンバーを迎え入れ、トロンボーン、ピアノ、ベース、ドラムという編成で自身が作曲した「Walk This Way」「Memories of You & Me」といったナンバーを演奏した。

「恋してcha cha cha」ではGAMOが演奏に参加し、北原は「ブイシー(シブい)だね! アタクシよりもジャズな感じですね」と言って会場の笑いを誘う。GAMOに続くゲストとして谷中が登場すると、北原は「カッコイイな、オイ! 誰よりもゲストのほうがジャズだな」と口にしながら、ピンストライプのスーツ姿の谷中とオリジナル曲「夜明けの珈琲」をセッションした。

ゲストを送り出し、北原バンドが最後に届けたのは、北原が作曲したスカパラの“歌モノ”ナンバー「さらば友よ」。北原は曲の終盤のパートを「さらば50代! さらば五十路! 今日から還暦! 60感激! 元気でいてね! また逢う日まで! イェーイ!」と歌い替え、盛大な拍手が送られる中ステージを終えた。

コロナウイルス感染拡大防止対策として換気が行われた約15分間のインターバルでは、場内のビジョンに北原が趣味のサーフィンに興じる姿を記録したレアな映像が映し出された。映像終了後、場内に流れたSEは、北原作曲の「Perfect Future」。北原を除く8人は白と黒のツートーンスーツ姿で再登場し、「Happy Birthday Ska」でスカパラのライブをスタートさせる。期待が高まる中、満を持して姿を見せた北原は、赤いスーツに赤い頭巾という、スカパラ流の還暦スタイル。加藤が「本日の主役、北原雅彦!」とコールすると、メンバーは笑みを浮かべながら「誕生日おめでとうー!」と曲を歌い上げた。

スカパラのステージのセットリストも、北原の還暦を祝した特別仕様に。谷中が「このあと6曲、北原さんの曲で攻めたいと思います」と予告すると、北原が作曲した中では最新の「Great Conjunction 2020」が奏でられ、川上の「トーキョースカメドレー、北原雅彦60アニバーサリースペシャル!」というコールを合図に始まったメドレーでは「Natty Parade」「Open Your Eyes」「リボルバーイレブン」「Like Jazz On Fire -灼熱のジャズの如く-」「BLACK JACK」と“北原曲”が5曲続けて演奏された。

MCパートでは、茂木に「ずっと北原さんの隣でしょ?」と振られたNARGOが、北原に向けて手紙を読み上げるという一幕も。驚きの表情を浮かべる北原に対し「北原雅彦さんへ」と呼びかけたNARGOは、33年前に大学の軽音楽部の先輩後輩として北原に出会ったこと、その北原がNARGOの実家に電話をかけ、電話好きだが内容を覚えていないNARGOの祖母にスカパラ加入の誘いをたびたび伝えていたこと、めげずに電話をしてくれたことが今につながっていることへの感謝をまっすぐに伝えた。そんなシーンののちに披露されたのは、北原が作曲し、NARGOがボーカルを務める「雨の軌跡」で、NARGOは情感豊かなボーカルでこの曲を歌い上げていた。

アンコールでは、通常ならば谷中が行うメンバー紹介を北原が担当。「東京スカパダイスオーケストラ、奇跡のメンバーを紹介させてもらいます! ……誰からだっけー?」という曖昧な呼びかけに、毎回トップバッターを務めている沖は「はーい!」と手を挙げた。名前を呼ばれたメンバーは次々に北原と出会ったときの思い出を述懐。そのほとんどが見た目とギャップのある甲高い声についてのものだった。NARGOから「長い付き合いですけど、優しくするのは今日だけです。明日から塩対応です!(笑)」と厳しい言葉が飛び出したのち、GAMOのターンでは北原が「GAMOさんが電話してくれたから今ここにいるんですよ」と、自身にスカパラ加入のきっかけをくれたGAMOに感謝を伝える。そして北原は最後に「1人でできることって大したことないんですよ。こうしてみんなで集まると、うん、ああ、泣けてきちゃった、ヤバイヤバイ」と感極まった様子を見せ「アタシが初めてスカパラに持ってきた曲をやりましょう」と、1989年発表の「ホリデイ」をタイトルコールした。

ラストナンバーは北原の大ジャンプで締めくくられ、祝祭感があふれる中でスペシャルなツアー初日公演は幕を閉じた。なお、公演の中では「メンバーが還暦を迎えるたびに赤スーツが増えていくのもいいかも」という提案も。ファンは今後の展開も楽しみにしておこう。

同公演のアーカイブは、本日9月13日23:59まで配信中。

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