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主要キャスト400人、制作15年…ソ連全体主義の町を完全再現した意欲作が公開

ナタリー

20/12/17(木) 12:00

「DAU. ナターシャ」ビジュアル

第70回ベルリン映画祭で銀熊賞(芸術貢献賞)に輝いた「DAU. ナターシャ」が2月27日に公開決定。あわせて特報映像とビジュアルが到着した。

ロシアの監督イリヤ・フルジャノフスキーとエカテリーナ・エルテリが手がけた本作。フルジャノフスキーは2004年に「4」を発表したのち、本作のプロジェクトに着手した。それは今や忘れられつつあるソビエト連邦の記憶を呼び起こすため、“ソ連全体主義”の社会を完全に再現するという試み。オーディション人数約40万人、衣装約4万着、1万2000平米のセット、主要キャスト400人、エキストラ1万人、撮影期間40カ月、35mmフィルム撮影のフッテージ700時間と、莫大な費用と15年もの歳月を掛けて本作を完成させた。

タイトルの「DAU」とは1962年にノーベル物理学賞を受賞したロシアの物理学者レフ・ランダウに由来するもの。彼はアルベルト・アインシュタインやエルヴィン・シュレーディンガーと並び称される学者であったと同時に、ソ連の独裁者ヨシフ・スターリンを批判して逮捕された経歴も持つ。

「DAU. ナターシャ」はその膨大なフッテージから生まれた映画化第1弾で、ランダウが勤めていた物理工学研究所に併設されたカフェのウェイトレス、ナターシャが主人公となる。スカウトで起用された新人ナターリヤ ・ベレジナヤが演じるナターシャの目を通し、独裁の圧制のもとでたくましく生きる人々と、美しくも猥雑なソ連の秘密研究都市が描き出される。ナターシャの壮絶な運命を予感させる特報はYouTubeで公開中だ。

キャストたちはセットとして当時のままに再建された秘密研究都市で約2年間にわたり実際に生活し、カメラは至るところで彼らの姿を捉えた。町の中ではソ連時代のルーブルが通貨として使用され、出演者もスタッフも服装も当時のものを再現した衣装や食料で生活。毎日当時の日付の新聞が届けられるという徹底ぶりだったという。なお本プロジェクトにおいては、すでに劇場映画第2弾「DAU. Degeneration(原題)」も完成している。

「DAU. ナターシャ」は東京のシアター・イメージフォーラム、アップリンク吉祥寺ほか全国で公開。

※「DAU. ナターシャ」はR18+指定作品
※記事初出時より、本文の一部を変更しました

(c)PHENOMEN FILMS

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