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堂本光一、『Endless SHOCK』公演中止を受けた一連の活動を振り返る インスタライブなどから伝わる舞台への思い

リアルサウンド

20/3/26(木) 6:00

 堂本光一が座長を務める舞台『Endless SHOCK』が新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2月28日から公演を中止していたが、3月22日、帝国劇場からインスタライブを通じて舞台の演目を披露した。

 これ以前にも、インスタライブで1時間程度の生配信を行ったほか、テレビのドキュメンタリー番組、音楽特番への出演、会員限定の公式ブログで想いを綴るなど、今回の一件で改めて堂本の舞台に対する想いが伝わってきた。

(関連:堂本光一、インスタライブに降臨 『Endless SHOCK』出演者と届けたエンターテインメントへの愛と力

■帝国劇場史上初の試み

 インスタライブ配信では、帰国する米国人ダンサーを除いた全てのキャストが参加。演目の生配信は帝国劇場史上初の試みだという。観劇が叶わなかったファンはもちろん、その他ジャニーズグループのファンの関心を集め、Twitterのトレンド入りを果たすなど大きく注目を集めた。

 堂本は、今回ライバル役に抜擢されたKAT-TUNの上田竜也、梅田彩佳(元AKB48)、前田美波里らの出演者と共に、公演休止を受けて何かできないかと、ライブ配信に至った経緯を説明。目玉となる階段落ちのシーンも披露するなど、配信は2時間以上に及んだ。

 また、堂本が最終回を飾ったドキュメンタリー番組『RIDE ON TIME』(フジテレビ系)。これまでの軌跡を紹介しながら、最後は今回の一件について語った。2000年上演の『MILLENNIUM SHOCK』を、帝国劇場最年少座長を21歳という若さで務めた。当時は帝国劇場にアイドルが立つことに対して批判の声も寄せられたという。それでも継続した堂本。体を鍛えあげ、バラエティ番組でも生ものは避けるほどの徹底ぶり。時には周囲から誤解を受けたこともあった。

 20年の時を経ても高さ4.8メートル、22段の階段落ち、ハーネスを使わない自力のフライングも健在。堂本の連載「エンタテイナーの条件 」の中で、歴代のライバル役には「君はある意味主役だから」(『日経エンタテインメント!』2020年4月号より)と、ストーリーを動かす人物であることを念頭に、責任を持って演じることを求めてきたと綴っていた。今回、上田演じるタツヤについても、衣装一つから、上田の性格、パフォーマンスを踏まえてチューニングを重ねたという。今回は8割を新メンバーで構成するなど、歴史を重ねてきた舞台だが新たな一歩を踏み出した矢先のことだった。

 『RIDE ON TIME』では長年出演してきたふぉ~ゆ~の松崎祐介、越岡裕貴が「光一くんも変わってるんです」、「包まれている気がする」、「包容力が増した」と堂本のこの十数年の変化を語っていた。20年。座長という肩書きを背負い、逆風にも耐えて、なお自分も進歩しながら、やり続けてきた。

■有事の際にこそ分かる人柄

 2015年に、機材トラブルによる事故が起きて負傷者が出たときのこと。当日の舞台は中止となったが、翌日には幕が開き、公演は続いた。「翌日から開けるべき」と伝えたのは堂本本人だったと、のちに自身の連載で克明に綴った。

 この一件に対し、「今回でいえば『前をむいて、進んでいかなきゃいけない』ことの大切さは、悔しいですがたくさん学びました」と明かした(『日経エンタテインメント!』2015年7月号より)。「Show must go on」とは簡単に使える言葉ではあるが、座長の想いや覚悟だけでは務まらないことは、丁寧に綴られた文面を通して学んだものだ。

 今回、新型コロナによる舞台中止を受けて、何かできないかと模索した堂本。公式ブログにはルールについて綴った回があったが、珍しく文面から憤りのようなものを感じた。

 公演中止から12日目の3月10日。堂本は共演者を集めて、帝国劇場からInstagramのライブ配信を行った。「こんな世の中ですけれども、せっかくのインスタライブ……やっと許可がおりたので楽しくゆるくできればいいかな」と、どこか慣れない様子も見せた。

 配信では、いま何ができるのかを考えている、という旨を語った堂本。劇場でしか購入できなかったグッズの通信販売、3月21日には『緊急生放送!FNS音楽特別番組 春は必ず来る』(フジテレビ系)に『Endress SHOCK』の演目をテレビ向けに切り出して披露した。そして2時間に及ぶライブ配信と、これまでにないアプローチでファンと同じ時間を過ごしてくれた。

 『RIDE ON TIME』の最後、舞台に立てないことの苦しさを語った。「何が正しいかってこういうときって正直あまりわからない部分もあると思うんですよね。だけど、自分が正しいなって思ったことに関しては、しっかりとそれを実行していくこのは大事なのかなとは思うので。それが決して独りよがりな考え方ではなく、こんな時だからみんなで考えようよ、って。もちろん再開を願ってますし」。

 続けて、「何よりもね、いまもなお感染されて苦しんでいる方もいらっしゃるので」と患者の健康を願い、「世の中が平和になって欲しいな」「(『SHOCK』には)何か躓いたときにまた一歩踏み出したときに、また走りだせるんだっていうようなテーマがありますけど、なんかエンタテインメントという存在がそういうものであってくれたらいいなと思いますけどね」と、いまの想いを語った。

 有事の際にこそ人柄が露呈するものだが、エンターテイナーとして、カンパニーの人生を背負う座長として、一人の人間として……堂本の今回の一連の判断・決断力、行動力、あらゆる人を想う姿勢と想像力、これは舞台に限らず、何においても通用するのではないか。

「ライブやったってファンに対してサービスしないですからね。ファンの中ではよく言われているファンサービスですか、ファンサービスを全くしないタイプなので……」

 番組冒頭で語った言葉の意味は、単純に手を振ったり笑顔をせみたり、ということではなく、「また観たい」と思ってもらえるステージを作ることが何よりのファンサービスだと考えるから。言葉に込められ、姿勢となって表れる熱い想いに、もっと観たい、もっと知りたいと惹きつけられるのだった。(柚月裕実)

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