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香取慎吾、出川哲朗との旅で思い出したロケバラエティを“好き”だった自分 人生をプレイバックしながら実感する新鮮な喜び

リアルサウンド

21/1/25(月) 6:00

 ドラマ『アノニマス~警視庁“指殺人“対策室~』(テレビ東京系)の初回オンエアが本日1月25日夜10時に迫るなか、主演を務める香取慎吾は番組宣伝のために、様々なバラエティ番組へと連日出演を重ねている。

 なかでも、「テレビ東京での主演ドラマにつながった」と感慨深い表情を浮かべていたのが、1月23日に放送された『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレビ東京系、※以下『充電させてもらえませんか?』)へのゲスト出演だった。

出川哲朗の充電させてもらえませんか?~絶景の瀬戸内海の島々!世界遺産・厳島神社SP~

 香取が『充電させてもらえませんか?』に出演したのは、2020年の新春スペシャルに稲垣吾郎、草なぎ剛らと共にゲスト出演した以来、2回目。SMAP解散以降、地上波テレビとの距離ができていた彼らにとって、このゲスト出演は風向きが変わってきたことを体感するものだった。

 それから1年。香取は、主演ドラマの番組宣伝という大きなお土産を持ってくる形で『充電させてもらえませんか?』に帰ってきた。もちろん、番組としても香取の躍進を共に喜び、今回の旅のゴールを「広島・厳島神社にてドラマヒット祈願」とする粋な計らいを見せる。

 小学生からテレビの現場に立ち、多くの生放送やロケ番組を経験してきた香取にとって、この手のロケバラエティは大の得意分野。だが、それでも『充電させてもらえませんか?』は、電動バイクがどのくらい走れるのか、ちょうどいい場所に充電できるお店があるのか……など、行ってみなければわからない要素が多すぎて、予測不可能な展開の目白押し。

 今回の放送でも初っ端からハプニング続き。出川と香取が路地裏で鉢合わせするシーンを、香取の背後からプロデューサーがスマホのカメラで撮影するはずだったにも関わらず、うまく撮れていなかったことが判明する。「この番組、TAKE2はないんだから!」と怒る出川に対して、香取はこんなの朝飯前とでも言わんばかりに「やりましょうよ」ともう一度歩いてきた路地にスタスタと引き返して再撮影に挑む。

 だがTAKE2では香取の歩幅が大きいせいか、想定していた以上に早く出川に近づきすぎてしまったため自らカットをかけ、まさかのTAKE3を願い出る香取。いよいよ3度目の正直としてTAKE3をスタートさせる。すると香取はキラキラとした表情で出川に駆け寄る大げさな演技を決め込み、周囲の笑いを誘うのだった。

 あまりのわざとらしい仕草に、出川も思わず「ひどい!」とツッコまずにはいられない。そして、この番組はやはり仕込みや演出なしのファーストリアクションこそ大事なのだと説きながら、「唯一TAKE2やったゲストがいた。中居(正広)くん! やっぱ似てるわ、SMAP!」と思い出す。その発言に香取もちょっぴり困ったような照れ笑いを浮かべていたのが印象的だった。

 「SMAPの香取慎吾くん!」ーー出川は何度も広島の人たちに、そう香取を紹介した。香取も“そう説明したほうが伝わりやすいなら“といったような雰囲気で、あえて否定も訂正もしない。そうして行く先々で老若男女から「ああ、慎吾ちゃん!」「キャー、慎吾くん!」と歓声が上がる。

 牛すじカレーにみかんジャムチーズのトーストを大きな口でペロリと平らげ、2~3時間後
に漁師丼とエビフライ御膳もかきこむ勢いで完食する。その気持ち良い食べっぷりは、わんぱくな「みんなのしんごちゃん」のイメージそのまま。そして、瀬戸内海沿いをバイクで走っていると「ダイナマイト」「ススメ!」「ありがとう」など、SMAPの名曲がBGMとして流れる。なんだか、すべてがとても懐かしい感覚だ。

 もちろんSMAPは2016年に解散を宣言しているし、コロナ禍の影響でハグや握手ができずにもどかしい思いをする場面もいくつかある。確実に時代は流れ、状況は刻々と変化をしているが、香取が積み上げてきたもの、そして全国の人々の心に残っているものは、決して色あせていないことが改めて実感できる光景だった。

 旅を進めるうちに香取も何かを思い出していくような感覚があったのではないだろうか。安全策を取って、今いる場所で宿泊をするか。それともどうなるかわからないが、イチかバチか出発し、もっと最高の宿泊場所を目指すか。そんな作戦会議をしているとき、「僕も嫌いじゃないんですよ」と瞳を輝かせ、ニカッと笑う。

 真っ暗な道をなんとか走りきり、ようやく見つけた宿に泊まることができないという場面でも、「残念だけど、楽しかったなー」と宿の主人とのふれあいにホクホクしながら話す香取。さらに、やっとのことで見つけた宿泊先は、ごくごく一般的なビジネスホテルなのだが「最高!」とはしゃぐ姿から、心からワクワクしていることが伝わってきた。

 今回のオンエアを受けて、香取はTwitterで「凄く楽しかった。楽しくて、嬉しくて泣けてくる。ロケバラエティが大好きだった自分を思い出した」とSNSでつぶやいていた。そう「思い出した」と。

 もしかしたら香取は今、人生をプレイバックするように生きているのかもしれない。兄のように思えるメンバーたちと共に、SMAPとしてスタートした芸能人生。「SMAP終わったと思った」という先日の『7.2 新しい別の窓』(ABEMA)で明かしたこの言葉を考慮すれば、現在オートレーサーとして活躍する森且行選手がSMAPを脱退した1996年に第一章が、そしてグループとしての活動を終えることを宣言した2016年末に第二章が幕を下ろした。

 そして、2017年以降は新しい地図を広げると、とにかく必死に一つずつ自分の好きなものを拾い集めていく章へと進む。それは、真っ暗な道を手探りで進むようながむしゃらな旅の始まり。まずは小さいころから描いていたアートを、そして個人的に楽しんできたファッションが、彼のクリエイティビティを刺激する。そして、徐々に思い出していったのだ、楽しかったライブを、ドラマを、歌を、ダンスを、バラエティを……。

 
 
 
 
 
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 無我夢中でかき集めた「好き」は、やはりこれまで進んできた道につながっているものだった。そう実感している日々なのではないだろうか。一見すると同じ芸能の仕事を続けているように感じられるが、「これも好きだった」「この人のことも好きだった」「これができるようになってもっと好きになった」と一つひとつに新鮮な喜びがあり、まるで新人のように楽しんでいるように見えるのだ。

 33年ぶりのテレビ東京でのドラマ出演も、約3年ぶりにアンタッチャブル山崎弘也との名コンビ復活も、2000年に慎吾ママとして出演した『おはスタ』(テレビ東京系への再出演も、そして念願だった森且行選手との再会も……。改めて「好き」をたどっていくことで、再び交差する縁がある。

 そして嬉しい縁を感じるたびに、香取はパクパクと気持ちよく食べるときのように吸収しているのだろう。好きが広がっていく喜びを、いい仕事を目指すキラキラとした人がいる感動を、そして全国にそれを待ち望んでくれている人がいる幸せを。年齢を重ね、人間としての魅力をさらに深めながら、年々初々しさを増していく香取慎吾という国民的アイドルは、おそらく一生成長期だ。今後ウェブも地上波も垣根なく活躍の場を広げながら、ますますわんぱくに、そしてフレッシュになっていくに違いない。

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