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『絶対零度』高杉真宙、事件の黒幕として狂気と涙の名演 シーズン5への期待も膨らむ最終回に

リアルサウンド

20/3/17(火) 6:00

 沢村一樹が主演を務める『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)が、3月16日に最終話を迎えた。

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 東京サミットのテロを引き起こした首謀者であり、亡くなった香坂(水野美紀)の弟は篠田(高杉真宙)という衝撃的なラストで幕を閉じた前回。篠田は失敗した計画、つまりミハンの法制化をやり遂げるため、ミハンの大きな壁となっている南雲元総理(浜田晃)の暗殺を企てる。南雲を助けるためには篠田が持っている爆弾の起爆装置を奪うしかない。井沢(沢村一樹)は、彼が全てを終わらせようとしている始まりの場所、26年前に神経ガスが撒かれ地獄絵図と化した映画館へと向かう。

 篠田はテロだけでなく、血の繋がった姉である香坂を射殺し、井沢の妻と娘をも刺し殺していた。血の付いたナイフをプレゼントとして、「そうだよ。僕が殺した」と満面の笑顔で挑発する篠田。「未来の多くの命が失われるから」と詭弁で塗り固められた篠田に、井沢は拳銃を向ける。娘の最期の言葉は「助けて。お父さん」だったという篠田の狂った態度に、井沢は一線を越えまいと絶叫し、怒りと悲しみを必死に押さえ込むのだ。

 「死んじゃダメだよ。お父さん」「あなたが必要なんです」。娘と香坂と一緒に、脳裏をかすめる宇佐美(奥野瑛太)の「言っただろ。お前は越える。一線を」という声。井沢は拳銃を篠田のこめかみから天井に向け、3発の発砲をする。

 「君は僕だ。僕が君だったのかもしれない」。犯罪を憎み、この世からなくしたいという祈りのような思いは、井沢と篠田にも共通している。篠田には、最初から爆弾を起爆させる気はなく、井沢を挑発していたのは自分が死ねば、ミハンシステムが危険人物を事前に検知したことになり、法制化に一歩近づく事実を作るためだった。

 「僕は罰を受けなきゃいけない」。必死に叫ぶ篠田は、諏訪(松尾諭)から撃たれた傷口が悪化し、その場で息絶えてしまう。26年前に映画館で篠田を助けた加賀美(柄本明)が、「もういい。もう終わったんだよ」と抱きしめる。スクリーンに映る映画『三十四丁目の奇蹟』のエンドロール「THE END」の文字が切なく光る。

 狂気的な表情で井沢を挑発していた篠田は、最初からミハンを法制化に導くために死ぬつもりでいた。篠田が犯罪者であること、嘘で塗り固められた男であったことに変わりはないが、一つだけ彼に芽生えていた思いがあった。それが、小田切(本田翼)への好意だ。篠田は諏訪に撃たれた後、小田切に電話で伝えたいことがあると言い残していた。彼は薄れゆく意識の中で、小田切への思いを手紙に綴っていた。「あなたへの思いに嘘はありません。あなたのことが好きでした」。篠田の本当の思いを知り、むせび泣く小田切。彼女の希望の言葉と笑顔は篠田に届いていたのだ。

 最終回はミハン再始動が決定し、南雲がミハンに前向きな意向を示しているというラストに。そして、『絶対零度』シーズン4は、「AFTER STORY」としてさらに続く。舞台は、未然犯罪防止法案が成立した1年後。井沢はリーダーとして活動しているが、依願退職をした小田切は所轄の会計課におり、山内がミハンに誘っているようだ。そして、事件ではミハンの真実を暴くことが目的の犯人が井沢に接触を図る。主演の沢村一樹は、リアルサウンド映画部のインタビューにて、「また次もと思いながらはやりたくないんです。完全燃焼するつもり」と答えていたが、「AFTER STORY」がその“完全燃焼”となってしまうのだろうか。シーズン4の決着とシーズン5への足がかりとなる物語であることを期待している。(渡辺彰浩)

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