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ぴあ

いま、最高の一本に出会える

私のエンタメ愛

第3回 中島愛 PART1

企画連載

3-1

19/4/12(金)

声優、アーティストとして活躍中の中島愛。70~90年代のアイドルソングや歌謡曲のレコードコレクターとしても知られる彼女が、先月、セルフプロデュースによるカバーミニアルバムをリリース。今回の『私のエンタメ愛』は、中島愛が同作品に収録された楽曲を中心に昭和アイドルソングの魅力を語り尽くす!

河合その子さんとの出会いが
自分の歌い方を決めたきっかけに

─── 中島さんが80年代の歌謡曲にはまったのは何がきっかけだったんですか?

中島 最初のきっかけは松田聖子さんだと思うんです。とても小さかった頃ですからはっきりと覚えてはないんですけど。

─── テレビで観て?

中島 それよりも先に、母親がカラオケで歌っているのをよく聴いていました。だから興味の根っこの部分は、たぶんそこだと思います。

─── お母さんはどんな曲を歌っていたんですか?

中島 母がよく歌うのは『あなたに逢いたくて~Missing You~』や『私だけの天使 ~Angel~』とか、その頃ヒットしたシングル曲が多かったですね。

─── 90年代後半に発表された曲ですね。

中島 他にも『天使のウィンク』とか、80年代に遡った曲も歌っていました。そのあと、私が小学校3年生ぐらいになった頃から、『速報!歌の大辞テン!!』っていう徳光(和夫)さんが司会の番組をよく観るようになって。

─── 「今週のランキング」と、遡った「過去のランキング」の映像を交互に流していく番組ですよね。

中島 そうです。私も最初は、SPEEDが出るから観ようとか、「今週のランキング」目的で見始めたんです。でも番組を観ていくにつれて、少し前の時代の音楽もいいなーとじわじわと感じるようになって。その後、中学校1年生の頃に、お母さんと中古電気店のハードオフに行ったときに8センチシングルとかレコードの中古が大量に売られているのを発見して。そこから、すごく掘るようになりました。

─── 「掘る」と言うところがすでにかなりのコレクターな気がしますが、レコードは何枚くらい持ってるんですか?

中島 正確に数えたことはないですけど、LPとドーナツ盤と合わせて、数百枚くらいじゃないかな。千枚はないと信じたい(笑)。でもCDと合わせたら、それぐらいあるかもしれないですね。

─── アイドルソングを中心に集めてるんですか?

中島 そうですね。特に女性アイドルが好きなので。アイドル以外も持ってたり買ったりはするんですけど、棚で真っ先に探すのはアイドルのことが多いです。

─── 最初に買ったレコードはなんだったんですか。

中島 初めて買ったのは、河合その子さんのデビューアルバム『その子』ですね。ジャケ買いでした。でも、まだその時は、レコードプレーヤーを持ってなくて長らく聞けず(笑)。

─── 中島さんが中学生の頃ってすでに00年代ですから、レコードプレーヤーがある家のほうが珍しいですもんね。

中島 だから自分で歌詞を見て、勝手に歌のメロディーを想像して歌うっていう遊びを1年ぐらいしていたんです。

─── それは、あまりに不憫ですね(笑)。

中島 そう。だから見かねて、親がプレーヤーを知り合いから譲ってもらってきてくれました。やっと聴けた時に、その子さんの歌声にすごい惹かれて。その子さんって、曲によって歌い方っていうか、声を変えるので、曲によって本当に違っているんです。1枚目はいい意味でキャピキャピしている歌唱が多かったんですけど、2枚目3枚目とアルバムを経るごとに、どんどんいろんな歌い方が混ざってくるんです。私、その頃、自分の声にものすごくコンプレックスを持っていたんですよ。自分はなんて特徴のない声なんだろうって思ってたんですけど、その子ちゃんみたいに曲によって声を変えれば面白いし、いいのかなって気づいたんです。だから、その子ちゃんとの出会いが、自分にとって歌い方を定めていくキッカケになったというか。

─── 今回のカバーアルバム『ラブリー・タイム・トラベル』には、『青いスタスィオン』が入ってますね。

中島 この曲は3枚目のシングル曲なんですけど、その子ちゃんの曲の中でも、いちばん歌い方が好きな曲というのもあって、今回歌わせていただきました。

邦楽よりも洋楽が流れる
家庭で育った子供時代

─── 中島さんがレコード収集を始めた00年代の初め頃って、過去の情報が、今のように簡単には手に入らなかった時代と思うんです。しかも中島さんは当時、まだ中学生だったわけで。何を頼りにレコードを集めていったんですか。

中島 ジャンクコーナーでLPを探してた頃は、あまり筋道立てて集めるっていうよりは、クレジットを見て、同じ作曲家さん、編曲家さんだから買ってみようっていう買い方が多かったですね。その後、少し経って、インターネットが自由に使えるようになってからリリース順を知って、順序通りに聴いたりするようにもなりました。だから、入口は結構、時系列はバラバラで。とにかくあるものを全部買っちゃえ! みたいな。

─── その頃から作曲や編曲のクレジットをチェックしてるっていうのもすごいですね。

中島 それこそカラオケの影響が大きくて。最初にタイトルと一緒に作詞作曲のクレジットが出るんです。子供だったので漢字の読み方はわからないんですけど、「松本隆」っていう3文字はすごくよく見るなとか、逆にCDには編曲までクレジットが入ってるのに、カラオケだと編曲って書いてある人が載らないけどなんでかな? とか思ってました。集めはじめると、あの曲と同じ人が作ってるなら、たぶんいいに違いない!って、クレジットの名前をチェックして買うようになりましたね。

─── 特に集めていた人は誰ですか?

中島 うちは両親が洋楽ばっかり聴くので、邦楽があまり流れない家だったんです。それもあってメロディやサウンドから曲を好きになることが多くて。英語の歌詞がわからないので音から入るのが染みついていたというか。なので編曲のところに大村雅朗さんって書いてあるから大村さんって書いてあるのを買おうとか、船山基紀さんって書いてあるから船山さんのを探そうとかアレンジャーさんで探すことも多かったです。だから編曲だと特にそのお二人。あと、作詞だとやっぱり松本隆先生ですね。松本先生はカラオケでいつも名前を見ていて、すごく女の子の気持ちを理解してる歌詞だけど名前を見ると男性なのかな?って思って、そこから気になって。

─── で、それから数年後に、中島さんのデビューシングル『星間飛行』の歌詞を、その松本隆さんが作詞されるっていう。

中島 そうなんです! レコーディングスタジオで松本先生にもはじめてお会いすることになって。

─── 昨年出た本(甲斐みのりとの共著『音楽が教えてくれたこと』)にも、その詳しく書かれていましたけど、直々にアドバイスをもらったんですよね。

中島 はい。「赤って書いてあったら赤って歌うんだ。青って書いてあったら、青って歌うんだ。聖子さんはそれが凄くうまかった」っておっしゃって。『星間飛行』の歌詞に「青い電流」ってワードがあるんですよ。

─── そこはもちろん、意識して歌われてるんですか?

中島 はい。でも果たしてあれはできてるのか?って自分でも思うんですけど(笑)。だけど、アドバイスはそれだけだったんですよね。だからこそ、胸に残るっていうか。しかもですね、先日、あの本を、松本先生にお渡しする機会がありまして。へんなこと言ってるわけじゃないんですけど、まさかご本人の手に渡ると思っていないし、好き勝手に話しちゃってるから、結構ドキドキしながらお渡ししました(笑)。

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