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『ブラインドスポッティング』主演・脚本インタビュー公開 著名人たちの絶賛コメントも

リアルサウンド

19/8/28(水) 12:00

 8月30日公開の映画『ブラインドスポッティング』より、主演・脚本のダヴィード・ディグスとラファエル・カザルの2人からのインタビューが到着した。

 ヒスパニック系白人のスポークン・ワード・アーティスト、教育者、舞台脚本家であるラファエル・カザルと、ブロードウェイミュージカル『ハミルトン』で脚光を浴びトニー賞を受賞した黒人ラッパー兼俳優ダヴィード・ディグスが脚本・主演を担当した本作は、オークランドを舞台にした人種の違う者や貧富の差がある者同士が混在することによって起こる問題を描いた物語。お互いを見つめた時に、如何に全体像が見えずに色々なものを見落としているかということを問いかける。

 到着したインタビューでは、ディグスとカザルが、映画実現の思いや、伝えたいメッセージなどを語っている。

 また、本作をいち早く鑑賞した著名人より絶賛のコメントも到着した。

■ダヴィード・ディグス/ラファエル・カザル インタビュー
●映画が実現したことに関して
ダヴィード:この映画は僕たちが長年大事にしてきたプロジェクトだった。本当に映画を作れるとは思っていなかった。企画だけで終わって撮影までいかないことがよくあると聞いていたから。実際に撮影が始まったら、本当に実現したことに15秒おきに戸惑っていた。2人とも完成した作品には大満足している。僕たちが描きたい正直なオークランドを撮らせてくれた。撮影もオークランドで、地元の人を多く使った。

●映画が伝えたいメッセージに関して
ダヴィード:この映画が色んな問題にスポットライトを当ててくれることを願っている。自分の考えを人に押し付けるつもりはないけど、この映画を通してたくさんの人が議論してくれるようになれば嬉しい。『ブラインドスポッティング』のコンセプトは、一つの物事を見た時、他人は自分とは全然違う見え方をしているということだから。この映画を観た人達に、色々な物事を振り返って1回目に見えなかったことを発見させる、ということが出来ればこの映画の目的は達成したと言える。

●これから観る人が何を期待すれば良いか
ダヴィード:とても楽しくてジェットコースターのような映画だ。最低でもカッコいい音楽がたくさん聴けるし、最高だった場合は感動的な体験をして映画館を後にできる。映画を観て感動する体験は素晴らしいと思う。それを目標にして作っているから、みんながそういう
体験をしてくれるよう願っている。

●映画を通して人々に議論してほしいこと
ラファエル:社会に深刻な意見や信念の対立が起こっている時にアートは必須だと思う。何かに対して自分の気持ちや現実、相手が自分のことで理解していないことなどを伝えたい時。今の社会はその交差点に立っていると思う。そういう時にアートが会話をどこから始めるか、または終着点を教えてくれる。だから、そういう会話を進展させることが可能なこの作品を作れたことが幸運だし、とても嬉しく思う。

●この映画の色んな捉え方について
ラファエル:何か議題や、伝えたいメッセージがあると言う映画は傲慢だと思う。アートは受け取り側の解釈の問題だからだ。だが、この映画にはみんなへの質問ならあると思う。それは、“この映画を観た時に何が見えるか?”。この映画の好きなところは、今のところ観た人たち皆が違う見え方をしている。警察官に対して、コリンに対して、マイルズに対して、みんなが違う意見を持っている。“この映画を観て何が見えるのか?”それがこの映画の重要な問いかけだ。

●“ブラインドスポッティング”という造語について
ラファエル:“ブラインドスポッティング”はスラングだ。ベイエリアで生まれる全てのスラングと同じで、誰でも好きな言葉を発明していい。2人の人間が1つの物を見つめた時に全く違う見え方をする。もしくは違う角度からの見え方があることだ。

■著名人コメント
●窪塚洋介(俳優・アーティスト)
荒削りの勢いとセンス、カット割り、そして究極の優しさ。
衝撃のラストとその不器用さで挑む現実社会。皆でひっくり返そう。

●ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
アメリカの都会が抱える様々な問題や課題を一つの物語の中で、コメディ・タッチできわ
めて有機的に扱って、観る人に多くの余韻を残します。意外なほどの力作です。

●小川彩佳(フリーキャスター)
銃社会、人種問題、貧富の格差…絶妙に切り取られたアメリカの「現在地」に絡んでいくラップの見事な緩急!フローに身を委ねているうちに惹き込まれ、クライマックスは思わず瞬きを忘れました。ぽんこつで不器用だけど憎めないマイルズとコリンの友情がたまらなく愛おしい。傷だらけのふたりも、この不完全な世界も、見えている景色もブラインドスポットも、丸ごと抱きしめたくなります。

●モーリー・ロバートソン(ジャーナリスト/DJ)
すごい…
見終わった感想はその一言だけでした。ヒップホップを愛するすべての人に観てほしい一作。「real」な分断とは何かが鮮烈に描かれています。
ネットで想像上の敵をヘイトしたり、「いい話」に感動する今日このごろですが、オークランドに3日滞在すれば筋金入りのリアルに出会えます。そのリアルさにはリズムが伴っている。自分は英語ネイティブですが、日本語字幕を読み続けてやっと追いつけました。このしゃべりの早さ、学校ではけして学べません。悔しいぐらい、真似できない。
「Keep it real」の尊さを学びました。

●宇野維正(映画・音楽ジャーナリスト)
約50年前にブラックパンサー党が結成されたオークランドから届いた、最もリアルで最も新しいプロテスト映画。フリースタイルラップのように発せられる、主人公の「言葉」の力に打ちのめされた。

●森直人(映画評論家)
「小さな分断」が複雑に織り成す現在の街では、差別構造も一筋縄ではいかない。
そんな中、SNSではなく歌声としてストリートの詩はいかに立ち上がるのか。
生々しい「いま」のリアルを届ける傑作友情物語。『ドゥ・ザ・ライト・シング』以来の画期点かもしれない。

●長谷川町蔵(文筆家)
フルートベール駅で』や『ブラックパンサー』、『KICKS』の舞台オークランドから、またもや傑作が誕生。<ヒップホップの隠れた首都>では、会話はそのまま詩となり、フリースタイル・ラップになっていくのだ。変わりゆく故郷の街への賛歌と、アメリカの現実へのプロテスト・ソングを同時に奏でてみせた脚本兼主演のダヴィート・ディグスとラファエル・カザルに拍手を。

(リアルサウンド編集部)

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