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今週の「おとな向け映画ガイド」

東山紀之主演の傑作ブラックコメディと、カッコ良すぎるスタントウーマンのドキュメンタリー、2作品をオススメ。

ぴあ編集部 坂口英明
21/1/3(日)

イラストレーション:高松啓二

今週末のロードショー公開は15本(ライブビューイング、映画祭企画を除く)。全国100スクリーン以上で拡大公開される作品は『おとなの事情 スマホをのぞいたら』『銀魂 THE FINAL』『劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal 前編』の3本。中規模公開とミニシアター系の作品が12本です。その中から、2本を厳選し、ご紹介します。

『スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち』



映画製作の裏方を描いたドキュメンタリーは数々作られていますが、このテーマは初めてではないでしょうか。アクションシーンのスタント・ウーマン、命知らずの女性たちにスポットをあてています。

テレビの『ワンダーウーマン』や『チャーリーズ・エンジェル』、女性のアクションが人気をよんだあたりから、需要も志願者も増えたようです。最近ではマーベルものや『ワイルド・スピード』シリーズ、SFアクションなど、たしかにCGとは一線を画す彼女らの活躍には目をみはるものがあります。

そんなスタントウーマンの歴史を切り開いてきたベテランから現役まで30人以上の証言と、出演作のフッテージ、さらにこの映画のために実演してくれた映像などで、彼女たちの世界を知ることができます。エイプリル・ライトという女性監督の作品です。

奥が深いと驚くのは、専門分野が存在すること。ビルから落ちるのはこの人が名人とか、カーアクションならまかせて、逆に車にはねられるプロもいたり。それぞれが独自にトレーニング方法を開発し、研鑽をおこたりません。キックボクシング、太極拳、体操、ダンス……、様々な分野を志していた人が、先駆者者たちの活躍に刺激を受け、この世界に流入してきたのです。

この映画がきっかけとなってスタント・ウーマンをめざす女性も多いのでは。それぐらい、カッコよくて生き生きとしています。

『おとなの事情 スマホをのぞいたら』



イタリアのオリジナル版、韓国版、フランス・ベルギー版(Netflix)と観てきて、日本版ができないか、と楽しみにしていました。それがついに完成。しかも東山紀之が主演というではありませんか。本国で大ヒットしたあと、すでに世界中で18本が公開または製作発表されていて、日本版は19本目なのだそうです。

世界共通のストーリー設定はこんな風ー。

月食の夜。3組の夫婦と1人の独身男、職業もライフスタイルもちがう7人が年に一度集まる食事会の席で、スマホを使ったゲームが始まります。全員のスマホを机の上に出し、これから届くメールやSNSの通知、電話をすべてさらけだすというもの。「やましいことがないなら、OKでしょ?」と 言われると、皆、断る理由がみつからず、内心ハラハラドキドキでゲーム開始、です。やがて、それぞれの隠していたとんでもない事実が明らかになってしまい……。

イタリア版『おとなの事情』は、40代後半の男女が幼馴染の食事会に集まってパスタやワインでの宴、でした。フランス・ベルギー版『ザ・ゲーム〜赤裸々な宴〜』はフォアグラのミルク煮?がでてきたり、食後のチーズがおいしそうでした。韓国版『完璧な他人』は同郷の仲間たちが新居披露で郷里の料理とマッコリ、チャミスル。集まる場所、食事のちがいなど、各国特有のライフスタイルが反映されています。

さて日本版。脚本はドラマ『ひよっこ』などの岡田惠和。7人がなぜ、定期的に集まることになったかが大きな意味を持ちます。会場も食事もいまの日本を感じさせる設定。なるほど、と納得です。益岡徹と鈴木保奈美、田口浩正と常盤貴子、淵上泰史と木南晴夏、以上がカップル。三平くんというややコミカルで気弱な独身男の役を東山紀之が演じるというのはアイデア、ですね。常盤貴子の大胆なあのシーンとか、鈴木保奈美の開き直った表情とか……、秘密がばれたときの、それぞれのリアクションに「おとなの事情」がにじみでています。

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