Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

ぴあ

いま、最高の一本に出会える

中務裕太×小森隼『HiGH&LOW THE WORST』対談 初演技の苦悩から川村壱馬の活躍まで語る

リアルサウンド

19/10/6(日) 10:00

 大人気バトルアクションシリーズ『HiGH&LOW』と伝説的コミック『クローズ』『WORST』(原作・高橋ヒロシ)の、奇跡のコラボが実現。序章となるドラマ『HiGH&LOW THE WORST EPISODE.O』が好評のうちに終了し、いよいよ本編となる映画『HiGH&LOW THE WORST』が公開中だ。

 『HiGH&LOW』シリーズの鬼邪高校と『クローズ』『WORST』の鳳仙学園という、その名を知られた“凶悪集団”同士がとあるきっかけから対立。さまざまなアクの強いキャラクターが群雄割拠する同作で初登場し、台風の目のような存在感を放っているのが、中務裕太、小森隼(ともにGENERATIONS from EXILE TRIBE)が演じる尾々地真也&正也の“オロチ兄弟”だ。同作で銀幕デビューを果たした2人に、撮影の裏話や同作の見どころについてはもちろん、演技の現場で触れた花岡楓士雄役の川村壱馬やその相棒である高城司役の吉野北人(ともにTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE)といった仲間たちの魅力についても語ってもらった。

参考:ほか撮り下ろし写真はこちらから

ーー出演が決まったときの心境は?

中務裕太(以下、中務):最初にHIROさんと高橋ヒロシ先生が食事されているところに呼ばれたんですが、着いたらいきなり「来た、オロチ兄弟!」って言われて、さっぱりなんのことかわからなくて(笑)。その場で正式に「この映画に兄弟役で出てもらいます」と聞かされました。僕はずっとHIROさんに「出たいです」と直談判してきたので、夢が叶うんだなと思って嬉しくて……なので気持ち的には不安より、むしろワクワクの方が強かった記憶 があります。

小森隼(以下、小森):僕は逆に、最初にお話をいただいたときは不安が大きかったです ね。演技は初めてでノウハウがわからなかったし、今までのGENERATIONSでの経験も活かせないですから。『HiGH&LOW』についてはLDHが手がけるすごく大きなプロジェクトで、自分たちもライブでは関わってきたのでその規模感はわかっていたつもりでしたし、さらにファンの多い『クローズ』『WORST』の高橋ヒロシ先生とのコラボ作品と、聞けば聞くほど不安になってしまって(笑)。なので当初はスタッフさんやGENERATIONSのメンバーにもいろいろ相談しましたね。

ーー尾々地真也&正也というキャラクターについては、どんな風に捉えていましたか?

中務:僕自身は普段兄貴みたいなキャラではないんです。でも高橋先生が、“2人は昔は手の付けられないケンカ兄弟だったけど、今は家族で住むためのマイホームを建てようと一生懸命働いている”とか、作品中に直接的には出てこない細かい設定をいろいろと教えてくだ さって、より深く真也というキャラに入りこんで演じられました。真也の、「あまりしゃべらなくて見た目がコワモテ」というキャラクターも、少し僕に寄せて考えてくださったのかな、と。

小森:またまた! 普段は軽快なトークで場を和ませるプロじゃないですか(笑)。自分は普段がそんなに気が強いキャラではないので、正也については「どんな感じで演じたほうがいいのかな?」と悩みましたね。僕も高橋先生から直接、細かい設定を教えていただいたので、脚本家の方や監督のみなさんとも話し合いながら正也の人物像を組み立てていきました。

ーー『HiGH&LOW』シリーズにはたくさんの登場人物が出てきますが、役作りの上で参考にしたキャラクターはいましたか?

小森:誰も参考にしていないかもしれないです。

中務:超わかる! 高橋先生がオリジナルで作ってくださったキャラなので、僕としてはこれまでの『HiGH&LOW』シリーズとは別モノとして考えていたので、まったく参考にしてないですね。

小森:僕もそう。なので、一から自分のアクションの基盤を作っていくことだけを考えてやっていた感覚はあります。

中務:たとえば斎藤工さん、TAKAHIROさん、登坂広臣さんが演じる雨宮兄弟はかっこよくてシリーズの中ではもう「神」みたいな存在じゃないですか? でも僕らは鳶職人という、泥臭い設定で。“かっこ悪さも含めてオロチ兄弟”というのは意識していたかもしれないです。

ーーちなみに、シリーズの中で好きなキャラは?

中務:村山ですかね。今までも好きなキャラではあったんですけど、今回(山田)裕貴くんと共演してみて、改めて僕の中での1位になりました。

小森:僕もですね。以前に脚本のノリさん(平沼紀久)とお話する機会があったときに、冗談っぽく「出るならどんな役がいい?」って聞かれて「村山が好きだから鬼邪高に入りたい!」って言ってたんですよ。まさかこんな形で大好きな村山と関わることになるとは、夢にも思っていなくて。ほとんどのキャラクターが属する集団や背負っている役割みたいなものがある中で、村山ってある意味、一人だけ自由な存在じゃないですか? 今回の映画を観ていただければさらにわかりやすいと思うんですが、彼には選択肢が無限にあるんですよ。その自由さも含めていいなと思います。

中務:あと裕貴くんの現場でのスタンスにも刺激を受けましたね。めっちゃアドリブを入れてくるんですよ。台本にないセリフをポンと言ってみたり、撮影前に「こういう感じでいってみてもいいですか?」とか監督に直談判しているのを見て、すごいなと思いました。自分だったら絶対思いつかないですもん。

小森:僕らさっきから村山の話しかしてないですけど(笑)、本当に2人ともすごく刺激を受けたと思います。

ーー特に思い入れの強いシーンはありますか?

中務:冒頭のアクションシーンですね。実は最初に上がってきた台本にはなかったんですが、HIROさんが僕ら2人の“登場感”がある絵が欲しいと提案してくださって、生まれたシーンです。僕と隼2人が起点ですし、作品の中でも肝になるアクションの始まりのシーンなので、特に気合いが入りました。まだ暑い時期の撮影でスーツだったので、すごく大変でしたけど。映像ではちょこっとしか使われていないんですが、2人でダッシュするシーンがあって……あれ、10回くらい走ったよね?

小森:自転車を追いかけるんで「全力で走ってください」って言われたね。僕が印象的だったのは、序盤に撮影した、村山と焼肉食べながら話すシーンですね。村山の存在は、もう 『HiGH&LOW THE MOVIE』(2016年)の頃から知っているわけじゃないですか? クランクインして現場にもまだ慣れていない状態なのに、作品の中の“大物”としゃべるシーンという緊張感もあって、その日の撮影は、ひどかったですね(笑)。監督さんに怒られ、脚本家さんに怒られ……何度もNGを出してどんどん“沼”にはまっていったので、すごく印象に残っています。たとえばレモンサワーのグラスをずっと持ちながらセリフをしゃべるんですけど、「普通グラス持ったまましゃべらないよね?」みたいなところから始まって、実際に飲むところでも「いやこのタイミングで飲まないでしょ?」と、本当に初歩的な部分でめちゃめちゃ怒られました。大事なシーンで、セリフも 多くて、僕のセリフがストーリーが動くきっかけになるシーンでもあったので、すごく緊張しちゃいましたね……。

ーーGENERATIONSでのダンスの経験が、アクションで活かされることは?

中務:ダンスとアクションは全然別モノなので、ホントに経験が1ミリも活きなかったです(笑)。僕らは動くと、ついリズムを取っちゃうんですよね。1回殴ったらリズムを取っちゃうから、アクション監督さんに「それはやったらダメ」と言われて「マジか……!」と (笑)。演技も含めて全部が初挑戦だったから、本当に苦戦しましたね。

小森:そうなんだよね。例えば、パンチからのパンチという動きがスムーズにいきすぎて て、振りみたいになっちゃうんです。だから「わざと遅らせて殴るようにしてください」って言われたんですけど、2人とも無意識で動いてしまったりとか。いろいろ勉強になりましたね。

ーー今作では兄弟役を演じましたが、プライベートでもお互い、兄弟のような感覚はありますか?

中務:僕ら、もう知り合って何年になる?

小森:20年近くになるんじゃない?

中務:いまだにアツアツです(笑)。GENERATIONSのメンバーの中でも僕らは一緒にいる時間が長いほうなので、その意味ではやりやすかったですね。

小森:グループの活動の中でもプライベートでも一緒にいることが多くて、もともと兄弟っぽい感じだったから、そこからオロチ兄弟という設定も生まれたんじゃないかと思ってます。

ーー本作を通じて感じた、お互いの魅力や意外な一面はありますか?

中務:隼は普段からおしゃべりですし、明るいキャラの正也とあまり変わらない部分もあったんですよ。でも、普段は優しくて、人を殴ったりとか絶対しないんですよね。だからア クションシーンの正也は……ちょっと怖かったですね。隼の真の姿を見た感じがしました。 キレるとこうなるんだ、絶対怒らせたくない! みたいな(笑)。

小森:(笑)。裕太くんはやっぱり、人として大きいんだなと思いました。撮影の現場でも、一緒にいれば大丈夫っていう安心感があるんです。いい意味でおっとりしているというか、焦ったり緊張したりという負の感情を出さない人なんですよね。僕は逆に緊張しいで、気にしいなので、前日にセリフを覚えてきていても現場で一生懸命読んだり、細かいことが気になってしまうんです。だから、演技が上手くいかなかった日の帰り道に裕太くんにいろいろ弱音を吐いてみたり(笑)。その弱音も受け止めてくれる器の大きさが魅力なんだなって再確認しました。

ーー川村さん、吉野さんなどEXILE TRIBEの仲間たちも活躍する作品ですが、演技の現場 で見た彼らについてはいかがでしたか?

中務:実は、北ちゃん(吉野)には撮影で一度も会わなかったんですよ。

小森:顔合わせで会って、打ち上げで「久しぶり!」って。

中務:北ちゃんは顔からしてかわいらしいイメージがあったんですけど、映像を見返したら、アクションとか男らしい演技もできるんだなっていう不思議な感覚がありましたね。

小森:北ちゃんの金髪、かっこいいじゃない? 本人にもそう伝えたんですけど「普段やらないから違和感があって……」って言ってて(笑)。役作りでその違和感も吹き飛ばしたみたいでした。

中務:壱馬とのシーンは何回かあって。ネタバレになっちゃうから詳しくは言えませんが、ラスト付近の壱馬はもう……凄かったですね。グループではクールなイメージだと思うんですけど、男らしいですし、お酒を飲むと熱く語ったりするやつなんです。それでも役とはいえ、あそこまで感情むき出しで熱くなっている姿は初めて見ました。あの役に入り込んで演じている姿は、後輩ですけどリスペクトしましたね。

小森:僕らは同じEXILE TRIBEで活動してはいますけど、グループの垣根を越えて、毎日一 緒にいたことは実は今回が初めてだったんです。普段の壱馬は僕らから見ると弟っぽい感じなんですけど、あの現場では自分が引っ張っていかないとっていうプレッシャーもあったと 思うんです。そのプレッシャーを見事にはねのけるような演技を見せてくれて、ホントに頼 もしいやつなんだなって……他人事のように思っていました(笑)。僕は撮影中はそれどころじゃなかったこともあって「壱馬は壱馬で頑張れよ」という目で見ていましたね。

ーー小森さんはチームメイトの片寄(涼太)さんが出演されたドラマの『3年A組 ー今から 皆さんは、人質ですー』(日本テレビ系)ウォッチャーとしてメディアにもよく取り上げら れていましたが、団地の幼馴染チームとして『3年A組』で活躍された富田望生さんとも共 演していますね。

小森:実はこの映画の撮影のほうが先だったんですよ。映画の撮影が去年10月くらいで、 ドラマが今年1月スタートだったので。なのでドラマで見て「マドカ(役名)、これにも出るんかい!」と思いました(笑)。

中務:映画の顔合わせのときに、望生ちゃんが「今度、片寄さんと撮影でご一緒するんです」と話していたんですが、それが『3年A組』だったっていう。

小森:なので望生ちゃんのことは先に知っていたから、作品自体の魅力はもちろんですけど涼太と共演する様子を毎週見ているのは、いろんな意味で面白かったです。

ーー本作が銀幕デビューとなりますが、今後の演技のお仕事のビジョンはありますか?

中務:『HiGH&LOW』は事務所の大きなプロジェクトですが、次に挑戦するとしたら、外部でやっているような企画に挑戦してみたいですね。

小森:僕も、演技については未知数な部分があるので、もっといろいろ経験を積んでいきたいですね。今回はある意味、やりたいことをやらせてもらえるありがたい環境でしたが、外の作品でも活躍できるように自分をもっと育てていかないと、と思っています。

ーー最後に、お二人から見た『HiGH&LOW THE WORST』の魅力について教えてください。

中務:『HiGH&LOW』の世界と高橋ヒロシ先生の作品の世界観が合体して、まさに“男の美学”が詰まった映画になっています。『HiGH&LOW』や『クローズ』『WORST』といえば“ケンカもの”というイメージを持っている方もいらっしゃると思うんですが、その中に込められた男同士の熱い友情や、仲間を思う気持ち、誰かを守りたいという気持ちがシンプルに伝わるんじゃないかな。女性でも感動できると思いますし、男性なら改めて「かっこいい男になりたい」と思える一本になっているんじゃないかと。観終わった後には、自分にとって大事なものを再確認できる作品です。

小森:『HiGH&LOW』と、高橋ヒロシ先生の『クローズ』『WORST』のコラボということで、鬼邪高と鳳仙学園が戦うんですが、マンガやアニメの世界に存在していた鳳仙のキャラクターたちが映像で飛び出してくるというのも、改めてすごいことだと思うんですよ。あと、さっき裕太くんも言いましたが、観終わったあとに思わず、離れて住んでいる家族や友達に連絡したくなっちゃうような、“人情モノ”的な魅力もあります。兄弟愛、家族愛、仲間の絆とか、言葉にするとクサいと思うかもしれないけど、意外とそれが自分の心の中にいつでもある感情なんだと気づかせてれるような作品になっているので、ぜひ観ていただきたいです。 (取材・文=古知屋ジュン)

アプリで読む