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高橋颯が豊かな感情表現でドラァグクイーン夢見る高校生に。『ジェイミー』ゲネプロレポート Part2

ぴあ

ジェイミー:高橋颯(中央)

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ミュージカル『ジェイミー』が、8月8日に開幕。これに先駆け、報道陣にゲネプロが公開された。

イギリスのBBCで放送されたドキュメンタリー「Jamie: Drag Queen at 16」をベースにミュージカル化された本作。番組の舞台になったサウス・ヨークシャーで初演されたあと、本場ウエストエンドにも進出し、2018年のローレンス・オリヴィエ賞で5部門にノミネートされた。9月にはAmazon Prime Videoでの映画版配信も決定している。

ドラァグクイーンに憧れる16歳のジェイミー(森崎ウィン / 高橋颯:Wキャスト)は、高校卒業を記念して行われるプロムに“自分らしい”ドレスで参加することを目指していた。誕生日に母マーガレットから真っ赤なハイヒールを贈られたのを機に夢に向かって突き進もうとするも、教師や同級生・保護者から猛反対される。さらにジェイミーの夢を理解できない父との確執も深まって──。

取材日にタイトルロールを務めていたのは、ダンス&ボーカルグループ・WATWINGメンバーの高橋だ。母の応援を胸にショードレス専門ショップのオーナーや仲間たちと打ち解け、ドラァグクイーンになる夢を叶えようとする主人公ジェイミーを、高橋は等身大のキャラクターとして立ち上げる。

ジェイミー:高橋颯

ハリのある歌声で高校生らしい若さを打ち出しつつ、喜怒哀楽といった感情表現の豊かさが高橋の魅力に感じられた。父から決定打を喰らって打ちのめされるソロナンバー「Ugly in This Ugly World」や、互いを想う母子のやり取りが胸に迫る「My Man, Your Boy」でその本領が垣間見られる。

ジェイミーを見守る大人たちには、ベテランキャストが揃い踏みだ。母マーガレットに扮する安蘭けいの必聴ナンバーは、我が子ジェイミーに対する無償の愛を歌う「He’s My Boy」だろう。ジェイミーにドラァグクイーンの手ほどきをするヒューゴ役の石川禅は、かつて自身がロコ・シャネルの名でショーの世界にいた頃の武勇伝を語る「The Legend of Loco Chanel」などで迫力の歌声を響かせた。

左から ヒューゴ/ロコシャネル:石川禅 トレイ・ソフィスティケイ:吉野圭吾 ジェイミー父/サンドラ・ボロック:今井清隆 ライカ・バージン:泉見洋平
ジェイミー:高橋颯 プリティ:山口乃々華

このほか、進路指導の授業から発展する冒頭の「And You Don’t Even Know It」や、興味本位でショーを観に行ったはずの同級生がジェイミーにノックアウトされた様子を歌う「Everybody’s Talking About Jamie」など、にぎやかなダンスナンバーでステージが彩られる瞬間も。一方で、親友プリティ(田村芽実 / 山口乃々華)がジェイミーを励まし、その背中を押す「It Means Beautiful」も沁みる。

プロムのためドレスを身に纏ったクラスメイトたち 左から:田野優花 フランク莉奈 鈴木瑛美子 伊藤かの子
ディーン:矢部昌暉 ジェイミーを目の敵にするクラスメイト・ディーンとの関係性の変化もみどころ

フィナーレは、周囲に“自分らしさ”を認められたジェイミーを中心に展開される「Out of the Darkness(A Place Where We Belong)」。くちびるに紅を差し、真っ赤なピンヒールで楽しそうにパフォーマンスする姿に心が躍った。逆境をバネに道を切り開いたジェイミーのたくましさから、前向きなエネルギーを受け取れるだろう。

ミュージカル『ジェイミー』は8月29日(日)まで東京建物Brillia HALLにて上演。その後9月4日(土)から9月12日(日)まで大阪・新歌舞伎座にて、9月25日(土)から9月26日(日)まで愛知県芸術劇場 大ホールにて上演される。

※高橋颯の「高」は“はしご高”が正式表記。

取材・文:岡山朋代 撮影/田中亜紀

ミュージカル『ジェイミー』チケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2170554

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