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THE RAMPAGE、『THE RIOT』で目指した新境地 「無限大の可能性を感じてほしい」

リアルサウンド

19/10/30(水) 8:00

 2019年は初のアリーナツアー『THE RAMPAGE LIVE TOUR 2019 “THROW YA FIST”』、Jr.EXILE世代のグループによるライブ『BATTLE OF TOKYO ~ENTER THE Jr.EXILE~』、ボーカルの川村壱馬(以下、川村)主演映画とのコラボライブ『HiGH&LOW THE WORST VS THE RAMPAGE from EXILE TRIBE 完成披露試写会&PREMIUM LIVE SHOW』など、大舞台で多数のリスナーを熱狂させてきたTHE RAMPAGE from EXILE TRIBE。そんな彼らが2ndアルバム『THE RIOT』を10月30日にリリースする。

 先述の映画『HiGH&LOW THE WORST』の主題歌「SWAG & PRIDE」を含む同作には現在の16人が放つ熱気と、この先をクールに見据えたまなざしの両方が見え隠れしていて興味深い。音楽性やパフォーマンスなど、彼らが考える“THE RAMPAGEの現在地”について、リーダーの陣、川村、パフォーマーの与那嶺瑠唯(以下、与那嶺)、岩谷翔吾(以下、岩谷)、藤原樹(以下、藤原)、武知海青(以下、武知)、龍に聞いた。(古知屋ジュン)

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●川村「自然に『行くぞ、てめぇら!』モードになる」

――『THE RIOT』とは一見過激なタイトルですが、改めてその意味合いやアルバム全体のコンセプトについて聞かせてください。

陣:直訳すると“暴動”という意味ですが、THE RAMPAGEを象徴する“暴れまわる”のイメージに加えて、「THAT’S A RIOT」=面白い、イケてるね、みたいな意味のスラングがあるので、そういう楽しさも連想されるんです。それは今年のアリーナツアーで作り上げた、ビックリ箱みたいに開けるたびにモードが変わっていくようなTHE RAMPAGEのステージのスタイルとも重なって、2ndアルバムのタイトルになりました。

――壱馬さんは代々木公園野外ステージでの結成5周年イベントで、このアルバムについて「通過点のようなもの」ともおっしゃっていましたが。

川村:アルバムは当たり前に出せるものではないですし、もちろん特別なタイミングではあると思うんです。でも自分たちがこれから作っていくグループとしての歴史を物語として考えると、プロローグとか、第1章みたいな感じなのかなと。もしかしたら僕らが人生の終わりを迎えるときに振り返ったら、この2ndアルバムがエピローグに至るために不可欠な章なんだろうな、とは思うんですけれども。

 ちなみにリード曲の「Move the World」のタイトルは、“自分たちで世界を変える”という意味と、“自分たちが新境地や新たなステップ、ステージに向かう”という意味のダブルミーニングを込めたものなんです。なので、ずっと先を見据えた流れの中でのあくまで「通過点」ということですね。ここから無限大に広がるTHE RAMPAGEの可能性みたいなものを、このアルバムを通して感じていただけたらと思っています。

――収録曲から新曲をピックアップして聞いていきたいんですが、『HiGH&LOW THE WORST』が絶賛公開中ということで、その主題歌の「SWAG & PRIDE」の話から。ちょっと懐かしいたとえかもしれないですが、EXILE×GLAYの「SCREAM」(2006年)を思い出させるようなスケール感のロック×ダンスミュージックで、ライブ映えしそうな楽曲ですね。

陣:ああ、確かに。

――映画の中でも印象的なシーンで使われていますが、壱馬さんがこの曲を歌うときには演じた(花岡)楓士雄モードになるんでしょうか?

川村:同じ映画の中で使われる楽曲でも「FIRED UP」はいち表現としてTHE RAMPAGEの自分に帰ってこられる感じですが、この曲を歌うときはやっぱり、ちょっと楓士雄が入ってくるかもしれないですね。自然に「行くぞ、てめぇら!」モードになるというか。MVにも映画のシーンが盛り込まれていたりしますし。

――振付は龍さんと(鈴木)昂秀さんが担当されたそうで。

龍:最初に聴かせてもらったときに、映画の熱い世界観やTHE RAMPAGEのカラーともすごく合っていると思ったので、振付もかなり作りやすかった部分があります。映画のバトルシーンに合わせる形で拳を突き上げるような大振りな動きを作ってみたり、自分たちのパッションを表現しやすい振付にしました。

――フォーメーションはどう決めていったんでしょうか。MVでは海青さんがセンターになるパートがあったりしましたが。

武知:特別な意味はないと思います!

――“LDHの筋肉王”として知られる海青さんなので百獣の王的な意味合いがあるのかと思っていました(笑)。

龍:いろんな組み方ができるので迷う部分もありつつ、そこはLIKIYAさんとかみんなにも助けてもらいながら完成させました。

陣:パフォーマーだけで踊る時に、センターに立つ人ってすごく大事なんですよ。身長的なバランスもあるんですが、海青みたいなダイナミックな見た目の人が真ん中に来ると、他が個性を出しながら踊っていてもイメージがまとまりやすいんです。THE RAMPAGEは人数が多いので、これまでの経験の中で掴んだフォーメーションのスタイルではあるかもしれないですね。

海青:ありがとうございます、Mr.土台です(笑)。

岩谷:今までの楽曲では比較的細かい振りを手先まで揃えて踊る振付が多かったんですけど、今回は楽曲も勢いがある感じなので、さっき龍がいったように僕らのバイブスを詰め込んだような大振りな動きも多いんですよ。僕らっぽさもありつつ、代々伝わってきたEXILE直系のダンスをTHE RAMPAGEバージョンとして表現しているニュアンスもあって、ライブでも120%の力を込められるので、個人的にもすごく好きですね。

与那嶺:これまでの話にも出てきましたけど、THE RAMPAGEの振りはダイナミックなようでいてかなり細かいんです。それはダンサー目線で見ても技術的な部分で「おっ!」と思ってもらえるようなものを意識していて。この曲は大振りでもありつつ、しっかり音も気持ちいいところで取ってくれているので、踊ってて「これよ、これ!」と楽しくなるようなタイミングが続くし、なおかつ見てくださる方々にもわかりやすく振りを印象付けられる。たとえば拳を上げたり、〈叫べ!〉の部分の声を響かせるような振りだとか。キャッチーさもありつつTHE RAMPAGEらしさも全開になっているので、龍と昂秀には感謝しかないですね。

藤原:映画にも実際に出ている2人が作っているので、拳を挙げたり殴る動きみたいな、映画の持つ熱いイメージがこの1曲に詰め込まれている感じがします。映画には出ていない僕ら自身も映画の登場人物みたいな熱い気持ちで踊れる、そんな部分も魅力だと思います。

●岩谷「LIKIYAさんの振りは、みんな体に染み付いてます」

――「FIRED UP」も同じく、『HiGH&LOW THE WORST』の劇中歌として使われていますね。ボーカルチーム代表の壱馬さんはどんなモードでレコーディングに臨みましたか?

川村:撮影前にレコーディングした楽曲ですが、映画の中で使われるということは知っていましたし、主題歌の「SWAG & PRIDE」と同じくらい思い入れの強い曲ではあります。演じる側として「こういうシーンでこんな風に使われるんじゃないか?」と、ストーリーのイメージと照らし合わせながら、そこに合わせて気持ちを作ってレコーディングに臨んだのは覚えています。「SWAG & PRIDE」とテイストは近いけれども、ライブで披露するときにはセットリストの中で全然別の場所に組み込まれるような立ち位置の違いはあると思いますね。

与那嶺:この曲の振付はLIKIYAさんです。僕らの楽曲の振付をメインでやってくださっているので、やっぱりTHE RAMPAGEのダンスの王道的なニュアンスがあって、みんなすぐ振りが入ったもんね?

全員:(大きくうなずく)

岩谷:LIKIYAさんの振りは、みんな体に染み付いてますからね。「ああ、今回はこうくるんだ!」とか思いながら。

藤原:しかも映画の喧嘩のシーンで流れる楽曲なので、「SWAG & PRIDE」とはまた違った勢いを感じながらパフォーマンスできました。

――映画とのコラボ楽曲と通常のオリジナル曲で、向き合う感覚に違いはありますか?

陣:この2曲は映画のために書き下ろしていただいた楽曲なので、オリジナル曲の“自分たちだけのもの”という感覚とは少し違うかもしれないです。しかも『HiGH&LOW』と歴史のある『クローズ』『WORST』のコラボ作品に、まだまだ新参者の僕らが参加するということで、責任重大だと受け止めていて。ボーカル3人の歌声が入った音源を聴いて、「これはカッコいいものに仕上げないとな」とも感じました。3人が力強い歌で表現した世界を、僕らパフォーマーチームは体で表現するので。

――シングル『WELCOME 2 PARADISE』収録の「Nobody」でも挑戦されていましたが、「All Day」は完全英語詞の新曲ですね。

陣:いわゆるJ-POP的な楽曲だと僕らが日本人だからかもしれないですけど、歌詞がまず入ってきやすいと思うんですよ。でも、この曲みたいに最初から英語で歌うことを想定して作られた楽曲は、歌とサウンドが耳にダイレクトに入ってくるなと感じました。

川村:僕は英会話を9年くらいやってきたので、発音には少し自信があって。他の日本語詞の曲の中でも、英語が混ざってくる部分は日本人が歌ってるとわからないように絶対したいと考えてレコーディングやライブにも臨んでいますね。

――確かに発音の部分でも完成度は高いなと感じました。振りはもう固まっているんですか?

陣:振りはこれからで、誰が付けるかもまだ決めていないんです。前回の「Nobody」ではLIKIYAさんが一番英語が話せるということもあって、歌詞の語感やニュアンスに合わせた振りを作ってもらいました。こういう楽曲を自然に見せられるのも僕らの強みだなと思っているので、早く仕上げてライブで披露したいですね。

――そして先行試聴でも好評だったAva1anche作曲のリード曲「Move the World」はレゲエベースですね。今やTHE RAMPAGEといえば同じくAva1anche作曲の「LA FIESTA」や「Fandango」などレゲエ~ラテンのエキゾチックなフレイバーの楽曲が代表曲になりつつあります。

陣:ファンの方の反応も毎回すごくいいですし、こういうサウンドがTHE RAMPAGEのスタイルと相性いいのかな? というのが、今回で確信に変わった感じはあります。日本ではがっつりレゲエをやっているアーティストの方もいますが、こういう形でエキゾチック感を押し出すアーティストは少ない印象があるので、これも僕らの一つの強みと言えると思います。この曲はメロとサビの印象がまったく違っていて、さらに音サビもあるので、1曲の中でいろんな見せ方ができて。人数が多くてボーカルも3人いるTHE RAMPAGEにはもってこいだなと思いますね。

川村:この曲、踊っててすごく楽しいんですよ。「SWAG & PRIDE」では、ボーカルは完全に踊らないで歌とアクションだけでストレートに勝負する形にしたんですけど、この曲は16人全員でバキバキに踊ろう!というのがテーマで。MVの映像をチェックしたら自分たちでも驚くレベルでバッチリ振りが揃ってましたね。瑠唯さん、琢磨くん、樹とやましょう(山本彰吾)という、これまでの最多人数で振付していて。

陣:ざっくりいうとメロの部分が樹とやましょうで、サビと音サビが瑠唯、琢磨です。

藤原:メロの部分でいうと、これまでのTHE RAMPAGEの曲はメロからガツガツ踊る&細かい振りが多かったんですが、この曲では16人でゆっくり動いたり、シンメで動くという、今までにない見せ方を考えて作りました。

与那嶺:サビ&音サビの部分は、タイトルを反映できるようなものにしたいと思って。シンメの振りを多く作って、“世界を動かす僕ら”と“世界を移ろう僕ら”という二面性を表現しています。あとサウンドがレゲエテイストということで、トレンドを意識した動きや、みなさんが真似しやすそうな動きも取り入れつつ。曲自体にすごく中毒性があるので、ダンスもそれに負けないように構成を考えています。

武知:サウンド的に展開がいろいろあるように、ダンスの面でもいろんなジャンルの振りと展開が詰め込まれているので、最初に踊ったときの感想は「難しい!」の一言でしたね。空気感やテクニカルな部分も一瞬で切り替えなければいけない場面も多いので、すごく集中して踊っています。

岩谷:そんなに激しい曲調じゃないんですけど、インナーからカロリーを燃焼する感じの動きがふんだんに盛り込まれているんですよね。レゲエテイストのサウンドに合わせて、レゲエを踊るときに使われるガンフィンガー(手を銃の形に構える動き)が盛り込まれていたり、そのカルチャーへのリスペクトを込めた振付なので、ダンサーの方々にも胸を張って見てもらえるのかなと思います。

龍:大きい振りも多いんですけど、実はTHE RAMPAGEの楽曲の中でも全員のグルーブをしっかりそろえないと散漫な感じになってしまいそうな、意外と繊細な振りだったりもするんですよ。なのでみんなで意識して楽曲に込められたバイブスをしっかり出せるように……引き続き練習したいと思います。

全員:(爆笑)

陣:向上心は大事だから。完成度高めていこう!

●武知「一体になったときのパワーが爆発的に上がっている」

――今年はアリーナツアーが大盛況で、『BATTLE OF TOKYO』をはじめとした大型ライブやこの『HiGH&LOW THE WORST』とのコラボライブでもTHE RAMPAGEはかなりの爪痕を残したのではないかと。少し早いですが2019年のライブを振り返ってみて、パフォーマンス面のどういった部分が進化したと感じていますか?

武知:アリーナツアーではメンバーそれぞれが“魅せる力”がかなりついたかなと感じました。バンドメンバーの方々の助けは借りましたけど、初のアリーナツアーを自分たちだけでやりきったということが自信につながっている部分もあると思います。たとえば『a-nation』みたいな外部の大きなフェスに出させていただけるときにも、あのツアーをやり切ったプライドを持って挑める。おそらく1人1人がそんな風に思っていて、その相乗効果でTHE RAMPAGEとして一体になったときのパワーが爆発的に上がっているのかなと。

陣:僕らのこれまでの経験から、それぞれが“イメージする力”がついたとも思っていて。10人の前でしかパフォーマンスしたことのない人がいきなり1000人の前でやってもうまくいかないわけじゃないですか。僕らはデビュー前に武者修行、デビュー後にツアーでステージの回数を重ねていく中で、たとえば「今日は野外のこういうステージで、このくらいお客さんがいて、こういう音なんだろうな。それならこういうパフォーマンスができるかも?」といったシミュレーションが、それぞれなんとなくできるようになってきて。1時間なら1時間のパッケージをどういう流れで作っていけばいいかというのが、自然にイメージできる。そのシミュレーション力が今年は一段と上がったなと感じましたね。

川村:会場が大きくなっていくと、ホールの一番奥の列とアリーナの一番奥の列とではかなり距離が違うわけで、でもどんな会場であっても最前から一番奥まで、左右の端から端までに思いを届けることを意識してきたので……そのイメージをずっと大事にしてきたからこそ、大きな会場でやっても自分たちの思いをどの席にも届けられる規模感でパフォーマンスができるというか。毎回のステージで積み重ねてきたことが、今すごく活きているのかなと思います。こういう意識が僕らの中で当たり前になってきていることが、ある意味成長した部分かなと。

――アリーナツアーでは一部パフォーマーの方々がラップを披露されたり、みなさんのマルチな才能に驚いたりもしました。

陣:僕らのツアーDJのIZOHさんのほかに、メンバーの(浦川)翔平もDJをやっているので、アリーナツアーではDJ Sho-heyとしての見せ場もあったんです。それも僕らにとっては強みだなという風に思っていて。たとえばファンの方がTHE RAMPAGEのライブに来るとして、楽曲はなるべく全部聴きたいわけじゃないですか。ライブのセトリから漏れてしまったものも翔平がDJタイムで入れ込んでくるのでライブに厚みが出ますし、メンバー自身がDJとして盛り上げることもライブの1つのポイントになってます。最近、僕は心強さを覚えています。

――Jr.EXILE世代のグループが集う『BATTLE OF TOKYO』でも、自分たちの強みを再認識した部分はあったのでしょうか?

陣:僕らは目に見える部分でもまず他のグループとは頭数が違うので、16人という大所帯だからこそ出せる勢いというのがありますし。他のグループの方とのコラボを楽しみつつも、自分たちのあるべき姿にいつでも立ち返ることができるのがTHE RAMPAGEならではの強みだと思います。THE RAMPAGE(暴れ回る)という名前に込められたコンセプトが僕らのパフォーマンスにも染み付いていますし、そこに向かってやってきたグループなので。

川村:先輩方がこうしてきたから絶対そうしなければいけないというルールなんて、ないと思うんですよ。自分たちで自らをブランディングしていくという思いを、16人で共有できている。それが『BATTLE OF TOKYO』でも大きかったんじゃないかと。見せ方を他のグループに寄せることも考えましたけど、「やっぱ僕らは違うよね?」とセットリストや見せ方については自分たちのスタイルを通したことで、ファンの方々にも喜んでいただいたと思っています。先輩方のいいところを学ばせてもらいつつも、自分たちのカラーを考える上ではそれをすべて踏襲すればいいわけじゃない。そういう意味でも僕らは名前通り、常識をぶち破っていけるグループなのかなと。

――来年2月からのアリーナツアー『RMPG』も楽しみです。

陣:来年は『LDH PERFECT YEAR』ということで、6年に1回の大きなお祭りの中で、いろんなアーティストがいろんなライブだったりエンタテインメントを見せていくことになります。確実に盛り上がる1年になると思いますが、「この波にTHE RAMPAGEも乗りたい!」という思いでは、流れに呑まれて終わってしまうのかなと。注目していただける機会だからこそ、いろんなことにトライできるようにアンテナを張って頑張っていく1年にしたい。ツアーの作り込みはこれからですが、その土地、その会場でしかできないものを見せるという気持ちで臨めたらと。間違いなく前回のツアーを超えるカッコいいものを作りたいなと思います。

(取材・文=古知屋ジュン)

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