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Kis-My-Ft2のパフォーマンスになぜ心奪われる? ドーム配信ライブを経て見えた、7人で築き上げたキスマイ像

リアルサウンド

20/12/9(水) 17:00

 10月3日、4日に開催された、Kis-My-Ft2による東京ドーム初の無観客配信ライブ。10月4日公演の様子を収めたLIVE DVD & Blu-ray『Kis-My-Ft2 LIVE TOUR 2020 To-y2』が、2021年1月20日にリリースされる。

 Kis-My-Ft2(以下、キスマイ)ーー間口は広いが、奥行きも相当に広い。親しみやすさに導かれ、パフォーマンスに触れたら最後、そのギャップに心奪われてしまう。本稿では、前述の東京ドームライブを振り返りつつ、Kis-My-Ft2のライブパフォーマンスの魅力についてプレゼンする。

ドームを使いこなす貫禄と、経験がもたらす演出力

 ジャニーズアーティストによるドーム公演といえば、大規模な機構や最新技術を駆使した派手な演出でおなじみだ。キスマイもまた、伝統を引き継ぎながらもオリジナリティのある演出で、ファンの心を惹きつけている。彼らが初めてドームライブを開催したのは2011年。今ではドームの使い方を熟知し、ドームならではの演出を魅せる、貫禄あるグループへと成長した。

 今回の配信ライブのオープニングでは、メンバーがトイボックスを彷彿とさせるゴンドラに乗って登場。ライブ前半で披露する、映像効果とダンスのコラボレーションは大きな見せ場だ。また、カメラワークを活かした配信ならではの工夫も随所に見られた。ライブショーとテレビショー、双方楽しめる構成だ。

 ときには「カメラ遊び」ともいえる、遊び心満載のシーンも。マイクが拾ってしまうほど、素で笑い合うメンバーの声が響く。

 キスマイメンバーが笑顔になる、その多くの場面で中心にいるのが千賀健永。ダンスはもちろん、歌唱においても大きな役割を担う千賀は、とことんキスマイに欠かせない男だ。そして今回、ファンの心を不思議なほど掴んで離さない“あの曲”で、彼らの武器であるローラースケートを履き特効が打たれた。それはまるで、2020年ならではの、合言葉のような“ファンサービス”だった。

 終盤、彼らの歴史を辿るように展開するメドレーには、ぐっとこみ上げるものがある。さまざまな伏線を回収するエンディングムービーも必見だ。

Kis-My-Ft2 / LIVE DVD & Blu-ray 「Kis-My-Ft2 LIVE TOUR 2020 To-y2」Teaser Movie

ギャップを引き立てる幅広い楽曲と“伝える力”

 キスマイのライブを鑑賞していて驚くのが、実に幅広い楽曲ラインナップと、その難曲ぶり。聴くたびに新たな魅力に出会うスルメ曲も多い。7つの声は、楽曲に厚みと彩りをもたらしている。

 藤ヶ谷太輔のクールなラップやコールはファンの心を盛り立て、優しく言葉を紡ぐ丁寧な歌声で、聴く者の胸を震わせる。宮田俊哉は、1曲1曲大切に、演じるような表現で魅せ、聴かせる。今回、彼がメインを担った楽曲が初回盤Blu-rayに収録される。ぜひ、その甘い歌声を堪能してほしい。

 二階堂高嗣の声は、キスマイサウンドにおける重要なスパイス。配信ライブでは、常に画面の向こうのファンに呼びかけ、気遣い、コールアンドレスポンスを積極的に行う姿が印象的だった。余談だが、ライブでの貴重な“脱ハット”に隠された優しさの真相を、自らは頑なに明かさないのがまた、彼らしい。

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 メッセージ性の高い楽曲が多いのも、近年のキスマイの特徴だ。楽曲に託されたメッセージに説得力を持たせることができる、そういう年齢になってきたということだろう。彼らは、秀でたものを持つエリートが集まったグループではなかったかもしれない。これは、本人たちも折に触れ発言していることだ。けれど7人は「Kis-My-Ft2」という唯一無二の“絶対”を作り上げ、継続し、今まさに東京ドームという大きな舞台で輝いている。

 誰よりも“Dream come true”を体現している彼らが届けるエール。響かないはずがない。

多彩なフォーメーションワークと衣装に込められた個性

 ライブでのダンスパフォーマンスは、テレビで披露するキャッチーなシングル曲のそれとはひと味違う。「キスマイ、こんなに踊るのか」と、驚く人も多いだろう。

 見どころのひとつに、7人いるからこその多彩なフォーメーションワークが挙げられる。互いにノールックで、めまぐるしく立ち位置が入れ替わってゆく。そのなかでセンターに立つことの多い玉森裕太は、楽曲によってガラリと表情を変える。今この空間を楽しんでいることがありありと伝わる優しい笑顔と、クールな表情とのギャップに惹き込まれるはずだ。

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 キスマイにはもう、前列・後列など存在しない。誰がどこに立とうともしっくりくる、それだけの時間と経験を重ねてきた。近年、玉森が担当している衣装も、それを成立させる要素のひとつだ。

 メンバーカラーにとらわれないカラフルな色使い。個性に合わせて異なるディティール、それでいてバランスよくまとまる不思議。まるでキスマイそのものだ。彼らはいつからか、“衣装”を格差ではなく強みに変えたのだった。

想い想われていることを実感した配信ライブ

 配信ライブの多くの時間、彼らの瞳は客席を見つめていた。その姿勢が「ライブ感」を際立たせ、実際に会場にいるかのような臨場感を生む。「繋がってますよ」「届いてますから」。随所で、そう言葉にしていた北山宏光。呼びかけているようで、言い聞かせているようにも感じた。

 「不安だよ」「やっぱり、みんなの顔見て歌ったり踊ったりしたいよ」と口にしたのは横尾渉。人間味溢れる彼らしい、嘘のない言葉だ。きっとどちらも本当で、どちらも愛なのだと思う。

 今回、お腹の赤ちゃんとともに視聴しているファンや、シンガポールにいるファンからも応援の声が届いていた。配信ライブは、キスマイがどれほど愛されているのか、彼ら自身、実感する時間となっただろう。

 想い想われ、それでも会えなかった2020年。来年はきっと、同じ場所で笑っていると信じたい。まずは、今夜放送の『FNS歌謡祭』第2夜で待ち合わせだ。

【FNS歌謡祭】第2夜に出演する Kis-My-Ft2 のみなさんからのメッセージ☆

 ちなみに、LIVE DVD & Blu-rayには、最新アルバム『To-y2』に収録されたユニット曲のパフォーマンスも収録される。そのほか、リハーサルから本番当日まで密着したドキュメント映像、マルチアングル、名場面集やメンバー副音声など、形態によってさまざまな特典が用意され、一度配信を観た人でも楽しめる内容になっているという。ぜひチェックしてみてほしい。

■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。
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