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16歳で結婚と出産を決意……『今日好き』重川茉弥の家庭観とは? 応援したくなる“しゅんまや”の覚悟

リアルサウンド

20/7/21(火) 8:00

 2019年4月にAemaTV(現ABEMA)で配信された恋愛リアリティショー『今日、好きになりました。ハワイ編』(『今日好き』)をきっかけに人気となり、番組を通じて付き合った1歳年上のしゅんくん(前田俊)と2020年6月に結婚、7月に出産した重川茉弥のファンブックが『あの日、好きになって470日 恋愛リアリティーショーのその後の話』(扶桑社)だ。

参考:重川茉弥、出産予定日に書籍『あの日、好きになって470日』刊行

 重川茉弥は2004年生まれだから、16歳で結婚・出産。当然、SNS上で賛否両論が巻き起こった。

 この本を読むと、どういう経緯で番組に出演することになったのか、出演しながら何を考えていたのか、そしてどんな想いで出産を決意したのかがよくわかり、しゅんまやを好きな人たちはふたりのどこがいいと思っているのかもよくわかる。

■『今日好き』コメンタリーとして読める

 『今日好き』は「2泊3日の恋の修学旅行」というコンセプトで「ハワイ編」「ソウル編」「済州島編」などを区切って男女5人5人をいっしょに過ごさせ、出会ってわずか3日で男女どちらかから告白し(どちらが告白するかは「○○編」ごとに異なる)、付き合うかを決める。

 この本は、ひとつには映像には描かれていなかった部分のコメンタリーとして楽しめる。たとえば、まや(重川茉弥)は『今日好き』のオーディションが事務所に所属して最初に受けたオーディションであり、初めての大きな仕事、しかも人生初の海外ということもあって緊張していたという。

 たしかにハワイ編1話を観ると、その時点ではあまりしゃべれていない。だからこそバスに乗るときまやからしゅんに声をかけて隣に席を取ったシーンは驚きがあったわけだが、その理由は「恋愛には積極的に行くタイプだから」と書かれている(しゅんは、番組で顔合わせがしたあと必ず出演者に聞く「第一印象」では女子人気が高かったが、まやが素速く動いたことでしゅんまやの距離は縮まった)。

 さらには寒かったときにしゅんがまやにパーカを貸してくれたときには「彼氏のパーカ」に憧れが強かったから嬉しかった、といったことも書かれている。

■意外にも(?)芯の強いしゅんの姿が印象的

 『今日好き』に出演する男子には、露骨にガツガツしているタイプはほとんどいない印象だ。しゅんも積極的というよりやや控えめな性格に見えるさわやかな男子だが、まやから妊娠を告げられたときには産むという決断を受け入れ、それまで住んでいた千葉からまやの住む大阪へと生活・仕事の拠点を移すとまやの父親(まやの描写によるとかなりのコワモテのようだ)に告げた。外見からはうかがい知れないが、逃げずにわずか17歳で父親になることを引き受けたのはなかなかにすごい。

 『今日好き』は2泊3日で誰に告白するのか、告白を受け入れるかどうかにすべての焦点が合っている。しかも出演するのは高校生だから、同じリアリティー番組でも『テラスハウス』のように異性や同性間で「仕事ちゃんとしてんの?」「将来のこと考えてんの?」といった仕事軸で値踏みし合う緊張感はない。

 『今日好き』では出演者たちの仕事観や家庭観は番組内ではほとんど見えてこないのだ。だからこそこの本でまやの家族観やしゅんの覚悟、そしてそれらをまわりがどう見ているのかがわかるのが興味深い。

 妊娠が判明したまやは、同年代でママになった友だちに泣きながら夜通し相談をし、そばにいる友人の子を見て「育てていけるかもしれない」と思えて産むことを決意した、という。

 重川家の5人兄弟を育てるために共働きで夜遅くまで仕事して育ててくれた自分のママがお手本であり、浮気は絶対に許さない、とも語る(しゅんはYouTubeで「好きな映画は『ウルフ・オブ・ウォールストリート』」と言っていて、大丈夫か?と個人的には思ったが……)。つまり、彼女にとってはお手本になる存在が近くにいたから、出産・育児を引き受けられると決意できたのだろう。

 そんなしゅんまやについてまやの友人3人がコメントを寄せ、「本当にケンカをしないところがいい」「お互いの好きが溢れていて、しかもそれぞれがわかっているところがいい」と言っている。ファンもそういう溺愛しあっているところが好きなのだと思う。

 若年出産の現実を見る・知る前に結婚・出産してしまったとか、そんな年齢で産んで本当に面倒を見切れるのか、などと否定的に語る人もいるかもしれないが、本を読んで、番組や動画で観ているだけよりずっと応援したい気持ちになった。(飯田一史)

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