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ゴスペラーズ・安岡優が無意味で面白い!? 最高のパフォーマンスを披露!【ソロライヴレポート】

ぴあ

安岡 優 ソロライヴ 2020 “お兄さんと一生!?”(Photo:市橋照子)

ゴスペラーズの安岡優が、9月14日(月)に『安岡 優 ソロライヴ2020 “お兄さんと一生!?”』を東京・渋谷のTSUTAYA O-EASTで開催した。ソーシャルディスタンスを遵守した中で観客を入れ、同時に配信ライブも行うというこの日のスタイルは、安岡自身にとっても、グループにとっても初の試みであった。

目と耳で余韻を楽しむ“言葉”をテーマにしたライヴに!

19時30分。開演と同時に配信もスタート。抒情的なメロディーが流れる中、安岡 優がステージに姿を現す。オープニングを飾ったのはロックバラード「Your Hero」だった。安岡が作詩(山田ひろしとの共作)・作曲を手掛けた、ゴスペラーズのナンバーである。曲中の<誰より側で守りたい><世界も救えないし、空も飛べないけれど、>というフレーズが、誰もが抱える“先の見えない不安”という日常の闇に、小さな光を灯した気がした。

「皆さんこんばんは、安岡 優です」と挨拶。これまでの配信ライブに触れながら、会場にいる観客の拍手が本当に力になったと振り返った。そして「配信をご覧の皆さんにとっては(会場の)皆さんの拍手の音もライヴの一部となります。どうぞよろしくお願いします」と続けた。さらに、ライブ配信を鑑賞している皆さんにも楽しんでもらうため、歌詩をテロップで流します、会場にはスクリーンで出しますと説明した後、こう締め括った。

「歌詩を見て歌を聴くと、目に余韻が残る。配信を観ている皆さんには、目と耳で余韻を楽しんでください。今夜は“言葉”をテーマにしたライヴです。最後までどうぞよろしくお願いします」

スツールに座り2曲披露した後「さあ、忙しくなりますよ、この曲は」と、アイドルグループ・アンジュルムに歌詩を提供した「カクゴして!」を披露。

ダンサブルなアップチューンを長いジャケットの裾を翻し歌い始めた安岡。歌詩の中には“満場一致”や“命がけ”など“ハロプロらしい”と思わせる言葉もあり、作詩家の一面を感じる1曲だった。エンディングの<カクゴして!>という決め台詞では、カメラ目線でウィンク&指ピストルでバキューン、というアイドル顔負けのパフォーマンスを見せた。

中盤は無意味で面白い!? 最高峰のパフォーマンスで盛り上げる!

中盤。画面がライブ映像から、テレビ画面のような映像に切り替わる。このライヴ用に作った映像をダイレクトに配信しているようだ。物語が始まる。「バベルの塔」を引用した序章。安岡らしい、海外文学の流れを感じる短い物語。バックには絵本のようなバベルの塔。文字と一緒に、言葉の響きが流れていく。会場ではおそらくスクリーンに同じ映像が流れているのだろう。映像は、ドキュメンタリー風な演出へ。質問が出て、消えた瞬間に、画面はステージ上に切り替わった。スツールに1人腰かけているのは、俳優・田中聡元氏。

田中氏による1人芝居。彼が質問に答えていく形で、ストーリーは展開していく。彼は、とあるアイドルのマネージャー。ずっと本物のアイドルを探していた。「そしたら、出逢っちゃったんですよ、地球外生命体に?」という台詞から、ミラーボール星から来たという兄弟デュオTHE☆FUNKSのステージへ。7曲目「パンツ☆メリハリ」では、歌いながら、ひたすら衣装の上から下着パンツを履き続け、その後脱いでいくという、無意味で面白いという意味では最高峰のパフォーマンスで空間と映像を盛り上げる。会場は心の中で阿鼻叫喚(想像)、コメント欄には爆笑の絵文字が溢れた。リアルで配信していいのか、そのギリギリにチャレンジしたこのカオスをまとめたのは、安岡 優にそっくりと言われる兄のドリー・D(ダイヤ☆モンド)・ファンク・ジュニアだった。

特筆すべきはステージ構成の絶妙さ

「画面で観ている、パンツのちびっ子、いつもお母さんにパンツを畳んでもらってないかい? 自分のパンツは自分で畳もう! 上手に畳めているのか? 地球人!」と叫び、一気にお茶の間まで降りて来たTHE☆FUNKS。カメラ目線で地球人に挑んだ2人に、カメラマンは、がちょーん(古くてごめんなさい!)のように、前後にびよーんびよーんと動かすカメラワークで、ステージ上の、はっちゃけぶりをしっかり伝えた。再び芝居へとステージは展開。ステージ上に、汗びっしょりで戻って来た安岡 優。ステージに残っていたテリー・D・ファンク(弟の方)と、新曲「Romance Novel」を披露。ピュアなメロディーと優しい歌声が印象に残るミディアムバラードだ。サビのファルセットも繊細で爽やかで、夏の終わりを彩るに相応しい1曲であった。「恒例の1曲で楽しくお別れしましょう」と「ちょっとだけ☆ナラバイ」へ。<じゃあね じゃあね 大好きだよ>というワンフレーズでは、“大好きだよ”に合わせ、カメラ目線で笑顔を見せた安岡 優。その直後、会場の観客に向かって大きく手を振り、1人ずつに視線を合わせるように、ゆっくりと会場を見回した。「それではまた来年も元気でお逢いしましょう。ゴスペラーズ、安岡 優でした」と挨拶し、安岡 優はステージを後にした。

この日のライブ配信の中でも、特筆すべきは、制作映像とステージの映像との切り替えのタイミングである。これまでも、同様のチャレンジをしたライブ配信を何回か鑑賞したことがあるが、どうしても“間”が感じられ、配信画面を観ていると素に戻ってしまう感覚があった。しかし、この日のライヴにはそれが無かった。入念な下準備やリハーサルはもちろん、バンドメンバー、スタッフらを含め、この日のライブ配信に関わった全員が、ライヴの流れと意図を理解していなければ成立しないタイミングだったと思う。このタイミングの妙だけでも、配信ライブという新たな形のエンターティンメントの次の1歩のヒントになるのではなかろうか。

アーカイブでその“瞬間”を是非体験してみて欲しい。あ、あと無意味な面白エンターティンメントの最高峰も、ただただ笑えます。

Text:伊藤亜希
Photo:市橋照子

安岡 優 ソロライヴ 2020 “お兄さんと一生!?”アーカイブ配信
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<販売期間> 9月20日(日)23:59まで
<配信日時> 9月21日(月・祝)23:59まで
<料金> 2,500円(税込)
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