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是枝裕和、脚本にほれ込んだ俊英・佐藤快磨監督を絶賛「やはり力がある」

ぴあ

20/9/22(火) 23:12

サン・セバスティアン国際映画祭(スペイン)のオフィシャルコンペティション部門に出品されている『泣く子はいねぇが』のワールドプレミアが日本時間9月22日、現地で行われ、佐藤快磨監督と主演の主演の仲野太賀、企画を担当した是枝裕和氏がリモート出席。都内にある配給元バンダイナムコアーツから、海外プレスに向けた質疑に応じた。

2014年、『ガンバレとかうるせぇ』でぴあフィルムフェスティバル映画ファン賞(ぴあ映画生活賞)&観客賞をダブル受賞し、同作で釜山国際映画祭など数多くの国内外映画祭で評価された佐藤監督。劇場デビュー作となる本作では、秋田の男鹿半島を舞台に、伝統行事・男鹿のナマハゲから“父親としての責任”“人としての道徳”といったテーマを見出し、約5年の歳月をかけ、オリジナル脚本を書き上げた。

本作の着想について「20代後半にさしかかり、同級生が結婚したり、父親になるなかで、自分が父親になる未来が見えないというのがスタートでした」と佐藤監督。「父親になるタイミングとはいつなのか。撮影を通して、探すことができたら、父親ではない自分が撮る意味がある映画になるんじゃないかと考えた」と振り返った。

秋田県出身である佐藤監督は、ナマハゲを題材に選んだ理由を「鬼が子どもを泣かせるだけではなく、父親を育んでいく、成長させてくれるという側面もある行事だから」と説明し、「男鹿半島で生きて、感じてしまう不安。それでも男鹿だから感じられる希望は、自分だからこそ描けるものがあると思った。男鹿の方々が、脚本の内容に賛同してくださり、たくさん携わってくださった」と感謝を示した。

一方、企画として参加した是枝氏は「脚本を読んで、とても感動的だったし、たくさんの人に受け入れられる、いい映画になると直感した」といい、「何とか応援し、背中を押せればと。企画というよりも、どうサポートし、いい形で世の中に出せるか…。時間はかかったが、脚本を読んだ感動が映画でも失われず、すばらしい着地に至っていた。やはり力がある監督なんだと思った」と絶賛。

佐藤監督の“資質”については「すごく頑固で、演出の価値観も持っている。現場にいるみんなが、佐藤君を信じていて、うらやましかったし、だからこそ、こういう作品ができた」と太鼓判を押していた。

佐藤監督が2016年に製作した中編『壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ』にも出演している仲野は、本作で覚悟がないまま、父親になった挙句、ある不祥事が原因で、家族と故郷を捨てざるを得なくなった主人公を演じた。「身勝手な愛情が美しいと思える役柄で、ぜひ演じたいと思った」といい、「キャストとスタッフ、男鹿の皆さん全員が監督を信じて、足並みそろえて作品を完成させた。その美しさは、なかなか得難い経験」と回想。「長編1作目で、ここまで現場に愛される監督はなかなかいないと思う。クランクアップの日には、みんなで監督を胴上げしたほど」と佐藤監督の“愛されエピソード”も披露した。

映画『泣く子はいねぇが』
11月20日(金)公開

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