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鷲尾伶菜が語る、ソロプロジェクト“伶”での新たな挑戦 「自分の人生に音楽が付いてくるような感覚です」

リアルサウンド

20/10/6(火) 6:00

 E-girlsの鷲尾伶菜が10月2日、ソロプロジェクト「伶」名義の「Call Me Sick」と「こんな世界にしたのは誰だ」の2曲を同時配信した。記念すべきソロ作は、佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS from EXILE TRIBE)と橋本環奈がW主演する映画『小説の神様 君としか描けない物語』の主題歌と挿入歌として制作された。鷲尾は対照的な2曲が流れる本編を実際に観て「ぴったりでした」と感想を語り、自信をみなぎらせる。彼女の個としての才能に期待が高まるばかりだ。

 今回はその鷲尾にソロデビューへの意気込みや経緯、配信曲への想い、理想のアーティスト像などをインタビューした。「伶」はどこから来て、何を見据えているのだろうか。(小池直也)

「ひとりで立っていられるようなアーティストでいたい」

ーーソロプロジェクトを立ち上げた経緯は?

鷲尾伶菜(以下、鷲尾):前々から決めていたわけではないんです。でも「もしグループ活動がなくなったら、自分は何をするだろう?」と考えた時にどんな形でも音楽はしたくて、ソロの活動も視野にはありました。26歳という年齢なので、ひとりで立っていられるようなアーティストでいたいという気持ちもあって。以前は現実的ではなかったですけどね(笑)。ふわっとイメージはしていました……。

ーー今はコロナ禍で音楽業界的には厳しい面もありますが、なぜこの時期に始動したのでしょうか。

鷲尾:いつスタートするかは完全にタイミングだと思っていました。本当はライブができればよかったのですが、ゆっくり音楽を聴いたりして準備ができる、という意味では悪い時期ではなかったと感じています。

 やっぱり制作段階で写真や衣装を選んだりとか、自分で自分をプロデュースしていくというところはグループの活動とは違うところですね。積極的に意見を出すことでやりたいことに挑戦させてもらえて、楽しい気持ちでソロ活動もスタートできました。

ーーなぜプロジェクト名をご自身の名前「伶」に?

鷲尾:直感です。フルネームにしようかとも思ったのですが、この名前にほぼほぼ決めていました。今までE-girlsの鷲尾伶菜として頑張ってきたからこそ新たな名義でやりたいなと。「伶」という文字には「音を奏でる人」という意味があって、名付けてくれたのは母親です。お腹の中にいる時からクラシック音楽とかを聴かせてくれたみたいで。

ーーでは、今回配信される曲の制作について教えてください。

鷲尾:伶としての曲を探すなかで、映画『小説の神様 君としか描けない物語』のタイアップのお話をいただいたんです。なので自分よりも、まず映画に合う曲を作らなきゃと(笑)。もちろん、自分も心地よいと思える曲で。今回はコンペでたくさんのなかから選びましたね。この2曲とは縁がありました。

 「Call Me Sick」はタイトルにひねりがあるし音も可愛いですね。あとはバンドサウンドでベースもカッコいい。それとは真逆なものにしようと思ったのが「こんな世界にしたのは誰だ」だったんです。結果として心の内に秘めた負の感情で、言葉に出せないものを歌にぶつけているような曲になりました。映画のなかでは主人公が落ち込んだり、壁にぶつかった時にBGMとして流れます。形のないナイフが突き刺さるという意味で映画はもちろん、今の社会的にも合っているのではないかなと。

ーー実際に歌をレコーディングしてみた感想を教えてください。

鷲尾:難しかったですね。特に「こんな世界にしたのは誰だ」のイントロ部分は声でできているので、楽器っぽく聴こえるように重ねたのが難しかった。メロディも言葉が詰まっていて複雑ですし、レコーディングは苦戦しましたよ。今までE-girlsやFlowerでも録る時はひとりでしたけど、今回は新鮮に感じました。

 あとは今までと違う表現が増えればと思ってチャレンジもしています。テイク毎に歌いまわしを変えて、レーベルの女性スタッフさんと「どれがいいかな?」と部分的に組み合わせたりして。そのスタッフさんは厳しくも優しい方で(笑)、意見を交換しながら作れたのが新しかった。

ーー映画『小説の神様 君としか描けない物語』もご覧になったとのことですが、自分の音楽が付いた映像を観て照れたりはしませんでした?

鷲尾:ぴったりだったと思います。やっぱり自信がないものは出せないですからね(笑)。もともと久保茂昭監督には「Follow Me」や「Celebration!」「One Two Three」などのMVを撮っていただいていたんです。今作をどのように描かれるが気になっていました。色彩の美しさはMVを観ているような感覚になりますね。

 若者の痛みや傷、闇に自由を奪われてしまうという物語も現代にぴったりだなと思いました。恋愛映画かなと思っていたのですが、脚本を読んだり、本編を観たりして、小説で言葉を紡ぐことで伝えられるものが多いんだなと。アーティストとしても共感できました。

映画『小説の神様 君としか描けない物語』予告編

ーーソロプロジェクトで何かしらのパフォーマンスをする予定はありますか。

鷲尾:先日公開になった、YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』に出演しました。あいみょんちゃんの「猫」が心に響いたし、他にも好きなアーティストが出演していて、もともと好きな企画なんですよ。出演が叶って嬉しかったですが、すごく緊張しました。

 静まった空間のなかにマイクが1本置いてあるんです。でもバンドの皆さんがいたので孤独感は少なかったです。もちろん反省点もありますが、ライブと同じくその時に出たものが自分の実力かなと(笑)。まずは楽しんでやれたので良かったです。まだ曲が少ないので集めてリリースして、ライブもやりたいですね。

ーー配信ライブなども期待したいところです。ちなみにE-girlsとして出演した、LDHの配信ライブ『LIVE×ONLINE』の手ごたえはいかがでしたか。

鷲尾:すごい時代になったなと思います(笑)。呼びかけても反応がないのは寂しいですが、カメラマンさんが頑張ってくれて感激でした。オンラインならではのステージングを学んでからお客さんを前にしたら、以前よりも良いパフォーマンスができるんじゃないか、という予感もします。

伶 – Call Me Sick / THE FIRST TAKE

「誰にもとらわれない音楽をしていきたい」

ーー理想のアーティスト像などがあれば教えてください。

鷲尾:今の自分だからできる表現をしたいですね。私にとっては自分の人生に音楽が付いてくるような感覚なんです。結婚したとしても、出産したとしても、環境が変わったとしても、その時の自分に合った音楽を届けていきたい。人生の流れのなかで、発信できるものは変わるじゃないですか。隠すことなく素直に音楽と寄り添えればなと思ってます。海外のシンガーも自分の恋愛や人生を曲やエンタテインメントにするじゃないですか。それが理想です。

 日本人の方だとAIさんがいいなと思います。家族の曲を作ったり、子どもに向けて歌ったり。音楽が身近にある家庭だなと。10年後くらいには自分もそうなっていたら、と勝手に思っています(笑)。あと可能であれば、バンドの方々と一緒に楽しみながらの活動が理想です。自分としてもたくさん発見ができるのではと思っています。

ーー先日発表されたプレイリスト「音楽を楽しむplaylist」では、ご自身が普段よく聴いていたり、カラオケで歌う楽曲を選ばれたそうですね。しかし、そこにはバンド形式のアーティストは、ほとんどいませんでした。

鷲尾:よく聴く曲と演奏したい曲は違うんですよ(笑)。あと最近だとゼッド&ジャスミン・トンプソン「Funny」が好きです。あのテイストの曲がすごい好きで。あと個人的にBLACKPINKがセレーナ・ゴメスをフィーチャーした「Ice Cream (with Selena Gomez)」は激アツでしたね。邦楽なら宇多田ヒカルさんの「Automatic」やMISIAさんのデビュー期の曲とかを今やったらカッコよさそう。R&Bが好きなので、日本人の耳に馴染むような形で歌えたらいいですね。もちろん、いずれは色々なジャンルの曲を歌っていきたいです。

ーー昨年はFlowerの楽曲「F」を作詞作曲されていました。今回のプロジェクトでも今後、曲作りをされたり?

鷲尾:自粛期間中にも何曲か作曲していました……自信がないので世に出せるかは分かりませんが、ギターを弾きながら作った曲でした。トラックメイカーの友人とZoomで話しながら、コードを弾き直してもらったりして、イメージを膨らませていきました。スマホで歌を入れたものを送って制作したのですが、意外といけるし楽しかったです。自粛期間だったからこそ編み出された方法ですね。

ーー共作といえば、ソロだとフィーチャリングもしやすくなるかなと思います。客演したいアーティストなどはいます?

鷲尾:色々な方とフィーチャリングすることで新しい個性も生まれると思うので、機会があればやりたいです。自分とは真逆のSIRUPさんや、声が魅力的なReNさんと一緒に作ってみたいです。海外だったらNIKIさん。あとは普段から多く聴いてるので、ラッパーの方がいいなと。それが叶うように実力をつけたいと思います。機械の勉強もしないと(笑)。

ーー最後に伶としての展望などあれば教えてください。

鷲尾:一番は自分らしく、誰にもとらわれない音楽をしていきたいですね。やりたいことが少しずつまとまってきたので、それを実現できるように努めていくのが近道だと思っています。もちろんプライベートも充実させていきたいです。私のことを知らない方たちにも、私の音楽活動をもっと幅広く知っていただけると嬉しいです。

■リリース情報
伶「Call Me Sick」「こんな世界にしたのは誰だ」 
10月2日(金)2曲同時リリース ダウンロードはこちら

①「Call Me Sick」
※映画『小説の神様 君としか描けない物語』主題歌
作詞:KazKuwamura 作曲:KazKuwamura/Shotaro/姜藝利 編曲:Shotaro

②「こんな世界にしたのは誰だ」
※映画『小説の神様 君としか描けない物語』挿入歌
作詞:ケリー 作曲・編曲:野村陽一郎

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