パヴァロッティ 太陽のテノール
20/9/1(火)
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パヴァロッティの人間像に迫るドキュメンタリーだが、よくある「大スターになるまでの汗と涙の記録」でもないし、「ステージから離れた場での、素顔のスター」を映し出すものでもない。
あくまで、「世界的に著名なスター」がどう生きたかという点に、スポットが当てられている。もはや「普通の人」「一般人」としては生きられなくなった男の、それゆえの苦悩のドラマが、浮き出てくるのだ。
過去の映像も引用されるが、この映画のために撮られた、妻、元・妻、娘、共演者たちへのインタビューの比重が高く、当人が亡くなっていることもあってか、かなりあからさまに語られる。といって、暴露的ではない。
最初の妻と、二人目の妻とが、それぞれの立場で、自分とパヴァロッティを語るので、法廷ドラマを見ているかのようだった。
一般に、音楽家のドキュメンタリーは、演奏シーンをつないでくれれば、それだけでファンは楽しい。だから名場面集を期待すると、ちょっと肩透をくらうかもしれない。そういう映画ではないのだ。パヴァロッティの舞台映像を見たければ、オペラやコンサートのDVDを見ればいいわけだから、中途半端に名場面集にしないのは筋が通っている。
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