Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

宮野真守が語る、ウルトラマンゼロと主題歌を通して挑んだ表現 「ウルトラマンシリーズで描かれたことを今こそ見習うべき」

リアルサウンド

20/11/6(金) 12:00

 『最新 ウルトラマン主題歌集 ウルトラマンZ』が10月21日に発売された。この作品は、初代ウルトラマンから現在放送中の『ウルトラマンZ』に至るまで、54年間のテレビシリーズの主題歌がコンパイルされた2枚組の作品である。ジャズや歌謡曲を取り込みながら合唱団の美しい歌声で聴かせた昭和シリーズの主題歌から、次第にダンスミュージックやロックと融合したJ-POPへ進化していった平成初期の主題歌たち、そしてメタルやヒップホップまで吸収しながらアニメソングとしても抜群の強度を誇るようになっていった近年の主題歌たち。この作品を聴くだけで、ウルトラマンシリーズの歴史だけでなく、50年にわたる日本のポップスの歴史まで総ざらいできるのが、非常に面白いところだろう。

 そんなウルトラマン主題歌の魅力を語るべく、リアルサウンドでは2回連続の企画展開を行っていく(第1回は、怒髪天・増子直純とナイツ・土屋伸之による対談)。第2回は、声優・宮野真守へのインタビューである。宮野は、これまで複数の楽曲でウルトラマンシリーズの主題歌を担当。11月22日から始まる新シリーズ『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』(YouTube独占配信のオリジナル作品)でも新曲「ZERO to INFINITY」が主題歌に起用されている。

 そして宮野といえば何と言っても、10年以上にわたって演じ続けているウルトラマンゼロ。「ウルトラセブンの息子」という強烈なインパクトと破天荒なキャラクターによって、この10年のシリーズを支え続けているゼロだが、これまでのウルトラマンと違って特定の“人間の姿”を持っていないからこそ、演じている宮野の声こそが「ウルトラマンゼロの心そのもの」だと言っていいだろう。そんな宮野に、幼い頃のウルトラマンの思い出から、主題歌にまつわるエピソード、そしてウルトラマンゼロを演じるなかで感じた大切な想いなど、たっぷりと語ってもらった。ウルトラマンシリーズの素晴らしさが改めて伝わるインタビューになっていることは間違いない。じっくりと読んで欲しい。(編集部)

「セブンの息子だ」って言えるのがとにかく感慨深い

ーー10年以上にわたってウルトラマンゼロを演じられてきた宮野さんですが、幼少期を振り返ると、思い入れのあるウルトラマンや印象的なエピソードってありますか?

宮野真守(以下、宮野):子供の頃からテレビが好きでいろいろな番組を見ていましたけど、ウルトラマンシリーズを見始めたのは再放送だったかなと思います。初代の『ウルトラマン』もよく見ていましたけど、小学校の頃にカッコいいと思っていたのは『ウルトラマンタロウ』かな。あとはゲームも好きな少年だったので、ゲームボーイで『ウルトラマン倶楽部』とか、いろいろなゲームをやっていました。

ーーなかでも印象に残っている音楽というと何でしょう?

宮野:やっぱり『ウルトラマンタロウ』の主題歌ですよね。『タロウ』の曲はそれまでのウルトラマンシリーズの重厚な感じと違って、スタイリッシュだったのですごく好きなんです。〈タロウ ウルトラマン No.6〉という始まり方がカッコいいし、「英語じゃーん!」ってなりました(笑)。変身して登場するときも、手がパーじゃないですか。スタイリッシュだなって(笑)。

ーー兄弟のなかで身長も高いしスタイリッシュだけど、名前がタロウっていうギャップもいいですよね。

宮野:たしかに……! 変身するときのバッジもカッコいい形だったんですよね。初代のウルトラマンはスティックタイプのライトっていう感じだったから、間違えてスプーンを出しちゃうシーンもありましたけど(笑)、タロウはお洒落だなと。

ーーウルトラマンゼロになってタロウと共演したときは、感慨ひとしおという感じだったんでしょうか?

宮野:そうでしたねぇ。本当は、親父(ウルトラセブン)の話もした方がいいんだろうけど……(笑)。

ーーはははははは。そちらもあればぜひ。

宮野:ゼロになったときは、「セブンの息子だ」って言えるのがとにかくすごいなって思いました。「俺だけだぜ、これ言えるの!」って(笑)。登場シーンのセリフが、「ゼロ。ウルトラマンゼロ! セブンの息子だ!」ですからね。感慨深かったですよ。僕は舞台『ウルトラマンプレミア』で森次(晃嗣/モロボシ・ダン役)さんや真夏(竜/おおとりゲン役)さん、黒部(進/ハヤタ・シン役)さんとご一緒して、当時のお話やウルトラマンシリーズに臨む上での気持ちを、いろいろ聞かせていただけたんです。親父と同じようにウルトラゼロアイを目元にもってきて、「デュワッ!」って変身できたのは感動しましたし、やっぱり幼少期に観ていたウルトラマンへの想い、ヒーローへの憧れはずっと心のなかに残っていたんだなって感じました。

 ありがたいことにゼロをやらせていただいてから、自分のライブにもウルトラヒーローに登場してもらったことがあるんですよ。サプライズだったのでファンの皆さんも喜んでくれたんですけど、何より男性スタッフ陣がみんな喜ぶっていう(笑)。「ウルトラマンだー! かっけー!」みたいな童心に帰る感じがあって、やっぱりウルトラマンはすごいなと思いましたね。

「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」予告編

ーー自分も『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(2009年)で初めてウルトラマンゼロを見たときの衝撃はいまだに忘れられないんですけど、宮野さんはそこから10年でのゼロの成長をどのように感じていましたか。反抗期だった少年が、少しずつ大人になっていく過程もあったような気がしていて。

宮野:ゼロの描かれ方は、今までのウルトラマンシリーズのなかでも異質だったかもしれないですよね。まず、キャラクターボイスである僕しか存在しないから、とにかくようしゃべるんですよ(笑)。初登場から振り返ると、まだヒーローになりきれていない、未熟なところが色濃く出ていたのが印象的でした。人間っぽいっていうと変ですけど、そういう泥臭さ、若気の至りが誰よりも強いんじゃないかな。基本的に口が悪いし(笑)。でも、そこがゼロの魅力だし、その後の自由さにも繋がっていると思うんです。「ヒーローとは何たるか」を徐々に知っていって、どう成長していくかをファンの皆さんも一緒に楽しんでくれたんじゃないかなって。

ーーそれまでのウルトラマンにはなかった“危うさ”こそが魅力でしたし、力は強いのにどこか心配になってしまうのがゼロですよね。

宮野:ともすれば(ウルトラマン)ベリアルと同じ道を辿りそうでしたもんね。でも悪の道に堕ちそうになるのを止めてくれる仲間がいたことが、ゼロにとっては幸運だったのかもしれないなって思います。

ーーたしかに。

宮野:そこだけがベリアルとの違いだったのかもしれないって思うと、皮肉ですよね。何事もちょっとしたきっかけの違いなのかもしれないなって。

ゼロのキャラクター性が歌詞の背中を押してくれた

ーー『最新 ウルトラマン主題歌集 ウルトラマンZ』Disc 2には宮野さんの楽曲が2曲収録されていますが、どちらもウルトラマンゼロの成長を描いた楽曲だと思うんです。〈「守る」ことが「戦う」ってこと〉(「DREAM FIGHTER」)、〈守るべきものがある それが真実〉(「ULTRA FLY」)という歌詞は、いろいろな仲間が増えたり、慈愛の心が芽生えていったゼロの心境とシンクロしているように聴こえるんですが、振り返ってみると、どんな想いで作詞されましたか。

宮野:その時々で演じさせていただいているキャラクターがいるので、その想いは歌詞に込められています。でもウルトラマンシリーズの歌詞を書いたときに、今までの作詞の仕方と違うなと思ったのは、ゼロのキャラクター性が歌詞の背中をより強く押してくれた気がしたんです。僕が普段使わない言葉遣いをたくさん込めることができたのは、やっぱりゼロを演じているからこそだなって。僕の音楽活動では作品の存在が大切で、その想いがしっかりと自分のなかに刻き込まれるんですよね。演じているときも自分ごとのように感じて、それを歌詞にしていくという書き方なので、作品やキャラクターにはすごく背中を押してもらっています。

宮野真守「DREAM FIGHTER」MUSIC VIDEO
宮野真守「ULTRA FLY」MUSIC VIDEO

ーーでは、ウルトラマンゼロというキャラクターは、宮野さんのなかでどんな存在になっているんでしょう?

宮野:うーん……ひと言では表せないくらい、大切なものをたくさんもらったと思います。演じているなかで、「やっぱりウルトラマンってすごい」「ウルトラマンにしかできないことがあるんだ」と思った瞬間が何度もあって。例えば震災のとき、エンターテインメントを生業にしている人間として、ものすごい無力感を感じたんです。「あぁ……こういう危機が起きたときに僕らは必要ないんだ」って思いましたし、自分としては何をしたらいいのか見出せなかったんですよね。

 でもそういう時に、ウルトラマンは言葉を発することができるんです。「ゼロとして子どもたちにメッセージを送ってあげてください」というお話をいただいたんですけど、そのときに「ウルトラマンなら言葉を届けることができる。やっぱりウルトラマンってみんなにとっての希望なんだ」と実感しました。自分がゼロとして出演したヒーローショーでも、子どもたちがウルトラマンを応援している姿を見ていると、「これだけ真っ直ぐな想いを生み出せるヒーローの象徴こそがウルトラマンなんだ」と思いましたね。

ーーなるほど。

宮野:『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』がまもなく始まりますけど、コロナ禍の今だからこそ絆や希望を届けたいですし、坂本(浩一)監督にも「みんなで力を合わせて立ち向かっていく大切さを伝えられる作品にしたい」という想いがあったので、主題歌の「ZERO to INFINITY」には、その想いを込められたらいいなと思ったんです。

どこにでも属せる柔軟性はゼロだからこそできる

ーーゼロってウルトラヒーローのなかでも際立ったキャラクターだと思うんですけど、そんなゼロだからこそ成し得たことって何だと思いますか。

宮野:初代の頃から、ウルトラマンが負けてしまったときの絶望感があるじゃないですか。「それでも人類はどう立ち向かっていくか」というメッセージもあったと思うんですけど、ゼロの場合は挫折に近いというか、もうちょっと精神的な部分を見せてきたと思うんです。勝ったり負けたりしながら頑張って闘っていくシーンに、より感情が見え隠れするというのが、さっき言った“ゼロの人間臭さ”を物語っているのかなと思います。

 特に「ULTRA FLY」を書いているときは、『ウルトラゼロファイト』を通してゼロが新たな力を手に入れていったんですけど、もっと印象的だったのは、膝をついて負けそうになったり、ゼロの力だけでは立ち上がれなくなってしまった瞬間なんですよね。でも、繋いできた絆があるから仲間が助けてくれたりして、「自分は一人じゃないんだ」っていうことをゼロ自身がどんどん知っていったと思うんです。最初は「俺一人でなんでもやってやるぜ!」と言ってたゼロが、仲間に支えられ、次第にニュージェネレーションの後輩たちを導く存在にもなっていくーーその成長の過程こそがゼロの魅力になっているのかなって思います。

「ウルトラマン列伝」第6クール主題歌OP映像「ULTRA FLY」宮野真守
新主題歌・DREAM FIGHTER 版「ウルトラマン列伝」PV

ーーとてもよくわかります。

宮野:なので自分で言うのもアレだけど、「ゼロ前/ゼロ後」みたいな感じがあって。ゼロの後から急に「ニュージェネレーション」という呼ばれ方になりましたし、ゼロって第7世代に入りきれない6.5世代みたいな感じですよね(笑)。たまに第7世代に混じってニュージェネレーションと一緒に闘ったりとか、かたや師匠からマントをもらってレジェンド枠にも入っていたりとか、自分で「ウルティメイトフォースゼロ」っていう別の仲間を作っちゃったりとか。どこにでも属せる柔軟性はゼロだからこそできることなのかなって思います。サッカーでいうとリベロみたいな(笑)。

ーー(笑)。ゼロは、ウルトラマンメビウスよりもさらに若手のホープとして登場し、活躍が認められると別宇宙でウルティメイトフォースゼロを結成してコミュニティを広げていきました。そして、ウルトラマンジードから見ればよきお兄さんであり、ウルトラマンゼットからすれば師匠でもあるという。

宮野:そうそう。ウルティメイトフォースは同僚ですよね。後輩だったゼロが、同僚を見つけてどんどん先輩になっていき、最終的には師匠になっていく。それこそすごいスパルタな修行をさせていましたもんね(笑)。

60秒予告篇『劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦! ウルトラ10勇士!!』

ーー『劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!』(2015年)のときに、ヒカルとショウの手を縛って一緒に崖を登らせるシーンは印象的でした(笑)。

宮野:はははははは。若手とはいろんな関わり方をしていて面白いですよね。またズルいのが、ゼロは誰にでも乗り移れる特徴を持っているので、変身する人間とのやりとりも乙なものですよね。まさかのサラリーマンになって通勤しましたから(笑)。

ーーですよね。『ウルトラマンジード』での、伊賀栗レイトとゼロのやりとりは本当に素晴らしくて。ウルトラマンと人間のコミュニケーションに、ああいうコミカルな描き方ができるとは思いませんでした。

宮野:いやぁ、面白いですよね。レイトに無理矢理変身させるシーンもたくさんありましたから。「待ってくださいよぉ、ゼロさぁーん!」ってレイトが言ってるのに、「うるせぇ、行くぞ!」みたいな(笑)。

『ウルトラマンジード』オープニングムービー! -公式配信-

監督やスーツアクターの方々と一緒にゼロを成長させていった

ーーその正反対ぶりがとにかく最高でした(笑)。でも、どうしてゼロはそこまで幅のあるキャラクターになっていけたんだと思います?

宮野:僕自身もそれまで声優として、監督やスーツアクターの方々とフレキシブルにコミュニケーションを取りながらキャラクターを成長させていったことって、あまりなかったんじゃないかと思うんですよ。例えば、映画によって監督が違ったりすると、「宮野さんが主体で行きましょう」という瞬間もあったり、「今までどうやってゼロを演じていました?」って逆に監督から聞かれることもあったりとかして。

 あと、だんだんゼロが自由なキャラクターになっていくにつれて、ゼロを演じる岩田栄慶さんとのやり取りが非常に面白かったんです。例えば、ゼロがめちゃくちゃコミカルに動いているところに、僕が声を乗せて新しいものが生まれていったりとか。

ーーへぇ!

宮野:グレンファイヤーの声を演じている関(智一)さんとのやりとりも面白かったんですけど、スーツアクターの方々がグレンとゼロに入って自由に動き回っているところに、僕と関さんがどんどんアドリブで声を入れていったりしましたね。

ーーとても面白いです。スーツアクターの動きと俳優・声優の方々の演技、美術セットや音楽が相乗効果となって物語が動いていくのは、特撮の醍醐味ですよね。

宮野:そうなんです。『ウルトラマンプレミア』に出演させていただいた時も、スーツアクターの皆さんとコミュニケーションを取って、現場でどういうポリシーを持って闘っているのかを聞かせていただきながら、一緒に作っていきたい気持ちがどんどん高まっていったので。画面を通して一緒に刺激し合いながら作っている実感があったので、そのなかでゼロというキャラクターに奥行きが出てきたんじゃないかなと思います。表面的にならないのは、みんなの愛情がしっかり注がれているからかなって。

ーー貴重なお話をありがとうございます。主題歌集の話に戻ると、他にも印象的な主題歌があれば教えていただけますか。

宮野:やっぱりV6さんが歌っている『ウルトラマンティガ』の曲(「TAKE ME HIGHER」)は印象的でした。長野(博)さんが主演で、久しぶりに平成ウルトラマンとして『ティガ』が出てきたときはカッコいいなと思ったし、曲もスタイリッシュだったから印象に残っています。

V6 / TAKE ME HIGHER(YouTube Ver.)

ーーやっぱりスタイリッシュさは大切なんですね。

宮野:そうですね、タロウに通ずるスタイリッシュさ(笑)。タイプチェンジして闘うようになるのもティガからだし、あれはカッコよかったなぁ。

ーーティガは宇宙からやって来たウルトラマンではないんですよね。平成3部作(『ウルトラマンティガ』『ウルトラマンダイナ』『ウルトラマンガイア』)からはウルトラ兄弟という設定を一新したことで、それまでのシリーズとはまた別の物語を展開していったことも斬新でした。

宮野:そうそう、また違う世界線になっていくんですよね。ゼロは時空も超えられちゃうので、ダイナやコスモスのような違う世界のウルトラマンとも共闘できちゃったという(笑)。でも自分自身も、つるの(剛士)さんとご一緒させていただけたり、高見沢(俊彦)さんの曲にも参加させてもらえたりしたので、ウルトラマンシリーズに参加している一員として、いろいろな経験をさせてもらいました。

ーーゼロと同じように様々な世界に飛んで行けたわけですね。

宮野:時空を超えて連れて行ってくれましたよ、それこそイージスの力で(笑)。『輝く!日本レコード大賞』で歌えたのは一生の思い出ですね。ウルトラマンシリーズの曲をメドレーで歌わせてもらったんですけど、やっぱり誰もが知っている曲じゃないですか。それがすごいなと思いながら、大事に歌わせていただきました。

高見沢さんとパフォーマンスできたことは奇跡

ーーお話に出た高見沢さん作詞作曲の「Legend of Galaxy~銀河の覇者」は、パワーメタルと呼んでいいほど激しい楽曲になっていて、歌唱の難易度も高かったんじゃないかと思うんですけど、振り返ってみるといかがですか。

宮野:「Legend of Galaxy~銀河の覇者」に関しては、本当にありがたいしか浮かばないですね。Takamiy様の作った曲を一緒に歌えるというのは、すごい人生だなと思うし。初めて共演した『ULTRAMAN ROCK DAY』の舞台袖で、僕のパフォーマンス後に「君、声高いね。いいね!」と言ってくれて(笑)。そこから本当に優しくしてくださったし、記念すべき自分の武道館ライブにも高見沢さんが来てくださって、「Legend of Galaxy~銀河の覇者」や自分の曲を一緒にパフォーマンスできたことが、もう奇跡でしたね。僕も高見沢さんの曲を歌わせていただいたことで、今までやったことのない歌唱や曲調に挑戦できたので幅が広がったと思うし、出会いは本当に大事だなって感じました。

『新ウルトラマン列伝』第1クール オープニング~第1話限定バージョン~

ーー素晴らしいですね。「Legend of Galaxy~銀河の覇者」はすごくキーが高い楽曲で。

宮野:でも、上ハモはTakamiy様が歌ってくれるので(笑)。高見沢さんと一緒にハモれるって、なんて気持ちいいんだろうと思いました。あと、イントロもめっちゃ豪華!

ーー終わったと思いきや第2弾のリフに突入するという(笑)。大人こそ興奮できる、素晴らしい楽曲ですよ。

宮野:そうそう! 「まだイントロ!? 弾くねぇ、見せるねぇ!」って(笑)。(歌詞カードを見ながら)その後のTHE ALFEE「Final Wars!」もカッコいい曲だし、『ウルトラマン列伝』の並びがすごいですよね。宮野、宮野、THE ALFEE、Takamiy、ボイジャー挟んでからの、THE ALFEE。その後もTakamiyがフィーチャリングで入ったりしていて。

「ウルトラマン列伝」第8クール主題歌「Final Wars!」THE ALFEE
『新ウルトラマン列伝』第4クール オープニング ~ガイア&ゼロファイト&大怪獣ラッシュバージョン~

ーーかなり攻めたトラックリストですよね。

宮野:『ウルトラマン列伝』めちゃめちゃ自由度高いですね(笑)。面白いなあ。「Legend of Galaxy~銀河の覇者」はゼロの闘ってる姿がギターリフにマッチしますし、何よりライブでアガるんですよ。あと僕のライブにウルトラマンたちが来てくれたとき、ゼロだけはいつも曲に合わせてノリノリなんです。他のウルトラマンたちはシュッとしてるのに(笑)。

ーーはははははは。ゼロだけはノリが違うんですね(笑)。

宮野:うん、やっぱりゼロはすごいですよ。『ウルトラマンサーガ』(2012年)でDAIGOさんと一緒にやったときから、もうキメポーズが「ウィッシュ」になっちゃいましたから(笑)。

ーーすっかり自分のものにしてしまったという(笑)。

宮野:ゼロはそういうところがあるから可愛いですよね。影響されやすいというか(笑)。レイトのもとを去るときも、娘さんに「俺の子になってもいいんだぞ」とか言っちゃってて。

ーーレイトから「2万年早いぜ」って逆にツッコまれてましたね(笑)。

宮野:ははははは。ほんと、すぐ影響されちゃうから(笑)。

ーーウルトラマンゼロの魅力から主題歌のエピソードまで、貴重なお話をたくさん伺いましたけど、ウルトラマンシリーズに10年以上携わってきたことで、声優として、歌手として、あるいは人間として、宮野さんご自身の在り方はどのように変化してきたと思いますか。

宮野:この10年間、ウルトラマンゼロは常に何かを発信し続けてきたんですよね。ただ10年経っただけじゃなく、その都度成長している姿が描かれてきたというのは、ウルトラマンのなかでも本当に稀有な存在なんじゃないかと思います。だから自ら動き続けることで、希望は見つけられるんだなと僕自身も感じましたね。コロナ禍の苦しい状況が続くなかで、みんながエンターテインメントの在り方を模索しながら、無力感ややるせなさを感じて過ごしていると思うんですけど、「諦めないことによって見えてくる光」というのは、僕はずっとゼロから教えてもらってきたことなんです。

 いろいろなことができないって言い切ってしまうんじゃなくて、「どうやったらできるのか」と思うだけで見え方が全然違ってくるし、できることもどんどん増えてくる。ピンチなときこそ、新たなものが生まれるチャンスでもあると思うので、諦めなければ光や希望は見つけていけるし、もし見えなくなってしまったらウルトラマンが照らしてくれると思うんです。そうやってウルトラマンシリーズで描かれてきたことを、今こそ見習うべきだなって。僕もそのことを体現していきたいし、自分の活動を通してできることをちゃんと見つけて、面白いものとしてみんなに届け続けていく。そういう存在でありたいなと思います。

合わせて読みたい

怒髪天 増子直純 × ナイツ 土屋伸之が語り合う、“ウルトラマンシリーズ愛” 歴代主題歌の魅力から表現に与えた影響まで

 

■リリース情報
『最新 ウルトラマン主題歌集 ウルトラマンZ』
2020年10月21日(水)発売
CD(2枚組)¥2,500+税
日本コロムビア株式会社

【収録内容】
Disc 1
01. ご唱和ください 我の名を!/ 遠藤正明『ウルトラマンZ』
02. Connect the Truth / 玉置成実『ウルトラマンZ』
03. Buddy, steady, go! / 寺島拓篤『ウルトラマンタイガ』
04. ヒトツボシ/ 佐咲紗花『ウルトラマンタイガ』
05. Sign / スフィア『ウルトラマンタイガ』
06. Hope the youth / Bentham『ウルトラマン ニュージェネレーションクロニクル』
07. Hands / オーイシマサヨシ『ウルトラマンR/B』
08. 夢飛行 / 三森すずこ『ウルトラマンR/B』
09. GEEDの証 / 朝倉リク with ボイジャー『ウルトラマンジード』
10. キボウノカケラ / ボイジャー『ウルトラマンジード』
11. GO AHEAD~すすめ!ウルトラマンゼロ~ / 水木一郎withボイジャー『ウルトラマンゼロ THE CHRONICLE』
12. オーブの祈り / 水木一郎withボイジャー『ウルトラマンオーブ』
13. Shine your ORB / ボイジャー with クレナイガイ&SSP『ウルトラマンオーブ』
14. ウルトラマンX / ボイジャー feat.大空大地『ウルトラマンX』(『新ウルトラマン列伝』)
15. Unite (ユナイト) ~君とつながるために~ / ボイジャー『ウルトラマンX』(『新ウルトラマン列伝』)
16. ウルトラマンビクトリーの歌2015 / ボイジャー with ヒカル&ショウ feat. Takamiy 『新ウルトラマン列伝』
17. ウルトラマンギンガの歌2015 / ボイジャー with ヒカル&ショウ feat. Takamiy『新ウルトラマン列伝』
18. 英雄の詩 / THE ALFEE『ウルトラマンギンガS』『新ウルトラマン列伝』

Disc 2
01. キラメク未来~夢の銀河へ~ / ボイジャー feat. ウルトラマンギンガ『新ウルトラマン列伝』
02. Legend of Galaxy ~銀河の覇者 / Takamiy with 宮野真守『新ウルトラマン列伝』
03. Final Wars! / THE ALFEE『ウルトラマン列伝』
04. ULTRA FLY / 宮野真守『ウルトラマン列伝』
05. DREAM FIGHTER / 宮野真守『ウルトラマン列伝』
06. ウルトラマンメビウス / Project DMM with ウルトラ防衛隊『ウルトラマンメビウス』
07. ウルトラマンマックス / TEAM DASH with Project DMM『ウルトラマンマックス』
08. 英雄 / doa『ウルトラマンネクサス』
09. Spirit / Project DMM『ウルトラマンコスモス』
10. ウルトラマンガイア! / 田中昌之&大門一也『ウルトラマンガイア』
11. ウルトラマンダイナ / 前田達也『ウルトラマンダイナ』
12. TAKE ME HIGHER / V6『ウルトラマンティガ』
13. ウルトラマン80 / TALIZMAN『ウルトラマン80』
14. ザ・ウルトラマン / ささきいさお、コロムビアゆりかご会『ザ☆ウルトラマン』
15. ウルトラマンレオ /真夏 竜、少年少女合唱団みずうみ『ウルトラマンレオ』
16. ウルトラマンタロウ / 武村太郎、少年少女合唱団みずうみ『ウルトラマンタロウ』
17. ウルトラマンエース / ハニー・ナイツ、少年少女合唱団みずうみ『ウルトラマンA』
18. 帰ってきたウルトラマン / 団 次郎、みすず児童合唱団『帰ってきたウルトラマン』
19. ウルトラセブンの歌 / みすず児童合唱団、ジ・エコーズ『ウルトラセブン』
20. ウルトラマンの歌 / みすず児童合唱団、コーロ・ステルラ『ウルトラマン』
©️円谷プロ

商品詳細はこちら

■新シリーズ情報
YouTubeウルトラマン公式チャンネル登録100万人突破記念作品
『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』
©️円谷プロ
<配信開始日時>
2020年11月22日(日)より全世界同時配信

<ストーリー>
グリムドを撃破した後、宇宙で修行に励むタイガたちトライスクワッドの前に、“ゼットンを統べる者”宇宙恐魔人ゼットが襲い掛かった! あらゆるゼットンを召喚し襲い来る恐魔人ゼットの前に絶体絶命のトライスクワッド! 全ての背後で暗躍する黄金の巨人(アブソリュートタルタロス)に対抗すべく、ウルトラマンゼロたちは新たな対抗策に打って出る。

本作にはウルトラマンゼロをはじめ、さまざまな世代や世界で人気を博するウルトラマンたちが続々参戦。時代を超えて紡がれる物語に乞うご期待。

番組HP
YouTubeウルトラマン公式チャンネル

■番組情報
『ウルトラマンZ』
テレビ東京系にて毎週土曜あさ9時から放送中
番組公式HP

新TVシリーズ『 ウルトラマンZ 』PV初公開! -公式配信- 変身アイテム & 3タイプの姿、初登場!

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む