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「やりたいこと詰め込んだ」溜口スーパードリームショー完結、笑いと感動呼ぶ

ナタリー

好きな人、デミ・ムーアを客席に見つける溜口。

昨日7月9日、ラブレターズ溜口のライブ「溜口スーパードリームショー~新・世界で一番熱い夏~ presented by お笑いナタリー」が東京・さくらホールで開催された。

前回の延期決定から約1年を経て実現した「溜口スーパードリームショー」は、溜口の手がけた台本をもとに“エンターテイナー溜口佑太朗”がアメリカ・テキサスで巻き起こす冒険物語を描くもの。これまで東京・LOFT9 Shibuyaで行われてきた「溜口スーパーディナーショー」「溜口スーパービッグショー」のいずれとも異なり、大スケールのストーリーを進めながらその中で歌やダンス、1人コントを休みなく披露していく。スーパーMCことタッカーノが溜口に対してとある疑念を抱きつつもアメリカ仕様の前口上を軽やかに述べると、緞帳には溜口らのシルエットが。客席が色めき立つ中、ダンサーを従えた溜口はJリーグのイメージソングをバックに登場。1年分の期待のこもった大歓声に応えるキレあるダンスがこのめくるめくステージのキックオフとなった。

ショーをスタートさせた溜口とタッカーノだったが、歌の途中、溜口愛用のゴールデンマイクがテキサスの風に飛ばされてしまうハプニングが発生。溜口はこれでなければ歌えないと、パフォーマンスを中断してタッカーノと共にゴールデンマイクを探す旅に出る。道中で出会うのは、いまだ日の目を見ない社会派YouTuberのフガちゃん(肉体戦士ギガ)や、外出自粛中の芸人のnoteを真似た情報を小出しにする手法で小金を稼ぎながら、あるミュージックシアターで奴隷のように働かされている恋人の帰りを待ち続ける女性(ターリーターキー玉)、そして面白いことには優しいがそうでないことにはとことん厳しい性格が萩本欽一を思わせる鳥・キンチャンだ。溜口はコントや「近頃漫才にチャレンジしていることで『ラブレターズは迷走している』と囁かれ始めている」という自虐発言で彼らを惹きつけ、仲間にしていく。ちなみに溜口は最初、キンチャンに篠原涼子のモノマネでアプローチしていたのだが、その反応はからっきし。タッカーノに「こういうときASH(&D)の芸人は弱い」と言われてしまう始末で、キンチャンはそれらを含めたやり取りが気に入ったようだった。

ゴールデンマイクを追ってたどり着いたのは、女性の恋人をこき使っている張本人、ミュージックシアターのオーナー(ザ・ギース高佐)の元。オーナーは「ハラスメント高佐」という名で活躍していた世界的ハーパーである自分の大切な楽器をその恋人が壊したと言いがかりをつけ、薄給でステージに立たせたり、雑用をさせたりしていた。“勇者だけが抜くことのできる剣”ならぬ、“選ばれた者しか履くことのできないローラースケート”を奇跡的に乗りこなす溜口が、ゆっくりと滑っていくヒップアタックで囚われた仲間たちを救出。オーナーが放つ銃弾を受けそうになるも、女性の恋人であり、実は溜口の生き別れた双子の兄だったユウイチロウ(溜口 / オルカ竹内)が身を挺して助けに入る。彼は死の淵をさまよいながら佑太朗に昔プレゼントしたゴールデンマイクのことを語った。

ユウイチロウのことは飛んできたキンチャンが病院に運んでくれ、一件落着。オーナーはすべての悪事がシアターの来場者に知られてしまい、「もう何もかも終わりだ」と自暴自棄に。すると溜口は、オーナーに代わってブーイングが止まない観客たちの前に飛び出していく。「このシアターで人気者の兄に顔は似ている」とそれだけを頼りに繰り広げたのは、お題として与えられた芸能人の架空のゴシップを言うという目の肥えたテキサスの人たちに伝わりそうにないとんまな芸。見かねたオーナーはハープを取り出し、「Jupiter」を演奏して“伝説のハーパー”復活を果たしてみせた。

随所で展開された溜口の1人コントは相方・塚本やせきしろ、放送作家の渡辺佑欣が提供している。歌や芝居だけでなく笑いの部分もないがしろにすることなく、溜口はその表現力でどれも魅力的に演じて客席の視線を釘付けに。この公演に向けて連載していた「ラブレターズ溜口のドリーム一直線!」の内容にちなみ、Ado「うっせぇわ」を歌唱レパートリーに入れたり、インドダンスを取り入れたり、読者を楽しませるポイントもたっぷり仕込んだ。また、タッカーノは全編を通じてコミカルな雰囲気を作り出し、スーパーMCおなじみの下ネタも忘れない。肉体戦士ギガと玉も重要なポイントや笑いどころを担ってストーリーを引っ張った。重厚な雰囲気のオーナーを演じて全体を引き締めた高佐は、まだどこでも見せていないハープの弾き語りをTHE 虎舞竜「ロード」で披露。ブルースハープを奏でる溜口と2人、歌や楽器のハーモニーを響かせて笑いと予期せぬ感動を生んでいた。

最後は全員でKAN「愛は勝つ」を歌って大団円。5人それぞれの歌声に味があり、得も言われぬ充実感が会場を包む。エンディングトークでは、このライブに「やりたいことを詰め込んだ」という溜口が「昨日最後の稽古終わり、一番何がやりたかったか台本を見返していたら、『あ、固有名詞が言いたかったんだな』って。芸能人の名前が38人分も出てくる(笑)。だから歌よりも固有名詞のライブがやりたいんだなって思いました」と気付きを報告。それを聞いた高佐が「でも一番の固有名詞は、このライブの座長『ラブレターズ溜口』ですよね。本日はどうもありがとうございましたー」とうまいことを言った風に締めくくろうとしたが、溜口は「ダメだよ! 最後は僕に言わせてください」とストップをかける。溜口は「1年越しのライブになりましたけど、こんな苦しい中会場まで駆けつけてくれて感謝しかないです。またこの6人で……」と言いかけて舞台上に5人しかいないと気づいてキョロキョロ。「金髪の彼(ユウイチロウ)含めて6人。みなさんに応援していただけたら」と語って夢の一夜に幕を下ろした。

なお会場で販売されたグッズのうち、「渋谷でパーティー」含む4曲入りダウンロード音源と新作トレーディングカード(10枚セット)のみ後日ナタリーストアで販売される。

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