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劇場を“テーブル化”し、新たな舞台の形を追求する「デスクトップ・シアター」

ナタリー

21/5/6(木) 11:29

ロームシアター京都×京都芸術センター U35創造支援プログラム ”KIPPU”「デスクトップ・シアター」チラシ

福井裕孝「デスクトップ・シアター」が、7月2日から4日まで京都・ロームシアター京都 ノースホールで上演される。

「デスクトップ・シアター」は、ロームシアター京都と京都芸術センターが協働して行う創造支援プログラム“KIPPU”の1作品。2019年に行われた試演会では、テーブルの上の空間を舞台として、俳優の指による演技で上演が行われたが、今回は劇場を“テーブル化”し、新たな舞台の形を追求する。

演出を福井と吉野俊太郎が共同で手がけ、出演者には石原菜々子、今井彩乃、小坂浩之、小中葵、斉藤ひかり、篠原加奈子、鶴田理紗、野村眞人、宮田直人が名を連ねた。チケットの先行販売は5月8日、一般販売は15日にスタート。

福井と吉野による“演出テキスト”は以下の通り。

福井裕孝コメント

人とものの関係を考えるというような漠然としたイメージよりも、もう少し具体的というか、日々の営みの中でのそれを前提にして、人とものが共同・共演する場を構想するなら、舞台は劇場ではなくテーブルになるんじゃないか。テーブルは常に人ともの、また人と人の間にある。地面から切り離され(脚に支えられ)宙に浮かぶ平面上には、劇場よりも純粋な空間が広がっている。そんなわけで、テーブルの上で上演しようと考えた。試演をやった2年前も今も、テーブルの上で何をやればいいのかはよくわかっていない。ただテーブルの上を舞台にすることに決めたので「デスクトップ・シアター」。

吉野俊太郎コメント

たとえば文楽における人形が操演者なくして歩くことができないように、人形は黒衣を含めてで一体で、つまり人形を地から支持する下半身が黒衣である。デスクトップも“トップ”であって、“トップ”であるということは“ボトム”もあるはず。こちらにもまた、支える下半身の存在が仄めかされている……だから本企画の正しい名称は「デスクボトム・シアター」でもあるのでは……なんて思い巡らしつつ、僕は演劇そのものにおいて下半身とは何なのかが気になってしまって今は仕方がない。ただの支持体にはない珍奇な主体性が、演劇の下半身にもあるのではないか、とか。

ロームシアター京都×京都芸術センター U35創造支援プログラム ”KIPPU” 福井裕孝「デスクトップ・シアター」

2021年7月2日(金)~4日(日)
京都府 ロームシアター京都 ノースホール

演出:福井裕孝、吉野俊太郎
出演:石原菜々子、今井彩乃、小坂浩之、小中葵、斉藤ひかり、篠原加奈子、鶴田理紗、野村眞人、宮田直人

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