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渡邉理佐が語る、“欅坂46での5年間” 「その瞬間に思った、感じたことに嘘はないと思う」

リアルサウンド

20/9/6(日) 10:00

 9月4日、欅坂46にとって初のドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』が公開された。当初は4月公開だった本作は、新型コロナウイルスの影響により、一時は新たな日程もわからないまま公開延期に。そんな思わぬ苦難を乗り越えて、ついにそのベールが剥がされる。だが、この5カ月の間に起こった出来事によって、本作が持つ意味合いは大きく変わってしまった。欅坂46にとってこの映画は、“初”であり、“最後”のドキュメンタリーなのである。

 リアルサウンドでは本作を深く掘り下げるため、常にグループの最前線に立ち、モデルなどの活躍を通して欅坂46の名を広く発信してきた渡邉理佐にインタビューを行った。デビュー当時の映像も収められた本作についてはもちろん、改名発表の瞬間からラストシングルまで、渡邉が見てきた「欅坂46の5年間」を語ってもらった。(編集部)

改名するなんて、それこそ思っていなかった

ーーちょうどグループの結成日(8月21日)に映画を観させていただきました。ショッキングなシーンはありつつも、改めて欅坂46が他とは違う、特別なグループだったことを実感できる作品だと思いました。まずは映画をご覧になっていかがでしたか?

渡邉理佐(以下、渡邉):今まで見せてこなかったような、色々あった中でのライブの舞台裏のインタビューだったり、そういうものも映画で使っていただいていたり、配信ライブの映像も新しく入っているので、過去のライブ映像と比べると全員がすごく成長したような雰囲気だったり、表情もわかりやすく伝えられていたりすると思います。ライブを振り返りながら、メンバーそれぞれが当時感じていたことを話しているので、この5年間がギュッと凝縮されたような映画になっているんじゃないかなと思います。

ーーおっしゃったようにライブ映像がふんだんに収録された作品ですよね。通常アイドルのドキュメンタリー映画だと、ライブ映像はあくまでその当時を説明する要素として扱われることが多いと思います。ですが、映画でのライブ映像を見ていると、欅坂46がライブパフォーマンスを自分たちの武器として、これまで強く打ち出してきたことが改めて伝わってきました。渡邉さんは映画でのライブ映像をどのようにご覧になりました?

渡邉:そうですね。ライブの映像が本当にたくさん使われていて、ライブを振り返る映画にも見えたりするのかなと思います。やっぱり私たちは楽曲を届けることにすごく重きを置いていたと思うので。楽曲だったり、パフォーマンスが好きで応援してくれていたファンの方も結構多いんじゃないかなって。その応援してくださっている方と一緒に、こんなことがあったなって振り返ることもできるし、当時を知らない、新しくファンになってくださった方にとっては、自分が行ったことのないライブの映像を見ることができる、すごく見応えのある映画になっていると思います。

ーーちなみに、映画ではデビューシングル『サイレントマジョリティー』リリース当時のCDショップ巡りの様子など、ファン含めメンバーにとっても懐かしい映像が多く盛り込まれています。デビュー当時というと、渡邉さんは17〜18歳だったと思いますが、その当時の欅坂46、またはご自身を見てどう思いました? おそらく恥ずかしいと感じるシーンもあったと思うんですけど……

渡邉:本当にもう、(デビュー当時の映像を)使われるのが恥ずかしくて(笑)。自分でも見ながらちょっと笑っちゃったりしていたんですけど、今振り返ってみたら、すごく幼いなって。自分自身でも子どもだなって感じるインタビューも入っているんですけど、その当時、その瞬間に思った、感じたことに嘘はないと思うので。でも、5年経った今この瞬間に見て、すごく成長した部分もたくさんあるなと思います。

ーーデビューから5年、流石に今のような未来は想像すらしてなかったですよね。

渡邉:そうですね、全く。改名するなんて、それこそ思っていなかったですし。その当時はメンバーが卒業していくことも、(2期生が)加入することも本当に頭になくて……。1stシングルの頃から21人(デビュー時の1期生の人数)だけでパフォーマンスをして、曲を届けることをずっとこれからも続けていくんだろうなと思っていました。でも、卒業していくことが悪いことでは全くなくて、新しい道を見つけていくことは喜ぶべきことですし、色々考えて選択したことでもあると思うので。それは卒業していったメンバーの気持ちを尊重したいです。今は新2期生も加入して、グループにすごくいい影響や雰囲気を持ってきてくれたなってすごく思うので、結果的にはそういう変化だったりも今このグループにとって必要なことだったんだと、ポジティブに捉えられていることの方が大きいです。だからそういう変化にも、今は感謝したいと思っています。

ーーライブシーンでいうと、やはり平手友梨奈さんが急遽不在となる場面がグループの前に何度も立ち塞がるように出てきます。特に2017年のアリーナツアー(『欅坂46 全国ツアー2017「真っ白なものは汚したくなる」』)愛知公演でのシーンは、本当にグループの切迫した状況が伝わってきました(この時、愛知公演初日、体調不良のため平手がライブを欠席することが開催当日に発表された)。

 平手さんが不在のたび、他のメンバーは「私は(グループで)何ができるんだろう」と、自問自答するような場面も映画の中では出てきたと思います。渡邉さんご自身はグループにとって、自分はどんな存在だと考えますか?

渡邉:2017年当時は、本当に無力なんだなって思ったりもしましたし、何もできない、貢献できないなっていう、結構マイナスな方向に考えることの方が多くて……。いてもいなくても変わらないんじゃないかって思っていました。

ーーそれって、最初は自信がなくて、自分の存在意義もわからないまま、目の前のことをこなしていくだけで精一杯だったからだと思うんです。逆にそんな状況の中で、自分がやっとグループに貢献できたと感じた瞬間はありましたか?

渡邉:2018年の2ndアニバーサリーライブ(『欅坂46 2nd YEAR ANNIVERSARY LIVE』)で、その時は元々平手が不在ということをわかっている上で開催したんですけど、代わりのセンターをどうするかっていう時にそれぞれ他のメンバーが(センターを)任されて。センターを務めることを初めてしたライブだったので、そこで私も「月曜日の朝、スカートを切られた」をセンターでやらせていただいて、そこで考え方も変わりました。もちろん始まる前は本当に不安で押し潰されそうだったんですけど、そのライブを観てくださったファンの方だったりがすごく良かったよって言ってくれたりして、やって良かったなってすごく思いました。その後から徐々に他のメンバーも自信がついたんじゃないかなって思う場面が結構ありました。そのライブでの経験が、後々生きてくる場面がたくさんあったなって感じる瞬間でした。

ーーその2周年ライブでセンターを務めた経験が、今では「私も欅坂の一員としてグループに貢献できた瞬間」として残っているんですね。

渡邉:そうですね。

ーー平手さん以外がセンターを務める話でいうと、例えば小池美波さんが「二人セゾン」のセンターを務めることになった際、TAKAHIRO先生とレッスンしているシーンがとても印象的でした。渡邉さんも実際センターに立って、不安もあるなかで「私にしかできない欅坂46の表現」みたいなものを模索したりはしましたか?

渡邉:楽曲の世界観とか、歌詞の伝えなくちゃいけないものというのは崩したくなかったので。でも、平手がやってくれたものとはまた違う、何かを自分自身で考えながら表現できたらいいという気持ちはありました。全部(平手がセンターの時とは)一緒になったりしないように、っていうことは頭におきながら、結構その時に感じたことを大事にパフォーマンスしてたつもりではいます。

このメンバーだったからこそ経験できたことがたくさんあった


ーー他にも映画では小林由依さんが卒業された今泉佑唯さんのことについて答えていました。小林さんにとって今泉さんは同志でありライバルでもあるーーそんな存在なんだと、見ていて微笑ましい気持ちになりました。ちなみに渡邉さんにはそういう存在のメンバーはいたりするんですか?

渡邉:やっぱりメンバー全員、頑張っている姿を見てると、感化されたりする部分もたくさんあります。それこそ新2期生も入ってきて、個人でお仕事もいただいて、番組に出たりしている子も最近は結構いるので。そういうメンバーを見て、自分も鼓舞されるんですけど、一番は自分との戦いというか。できないと思っていたことも、挑戦することによって成長できたりすることもある。それは、この5年間で発見したことでもあります。新しいことを始める前ってすごく不安になったり、緊張したり、余裕がなくなったりすると思うんです。その中で自分ができることを全うすることで、得ることがたくさんあるなと感じるので……だから本当に自分との戦いだなって思いますね。

ーーつまり、他のメンバーと比べるという以前に、まずは自分自身がライバルなんですね。

渡邉:そうですね。本当に一週間前だったり、1日前の自分とは考え方が変わっていたりする瞬間も結構あるので。その都度、自分が思ったり、感じたことを周りの人に伝えたり、とにかく意思表示することはすごく大切なことだなって思いました。

ーー今回新たに追加された配信ライブ(『KEYAKIZAKA46 Live Online, but with YOU!』)でのシーンについて、改めて改名発表の瞬間を大きなスクリーンで観ると、ショッキングではありつつ、この先も記憶に残り続けるシーンだなと感じました。あの瞬間、決心や決意のほかに、どこか不安な気持ちも入り混じったような表情を皆さんされていたように思いました。改名発表の瞬間、渡邉さんはどんな心境でしたか?

渡邉:菅井(友香)が言ってくれた言葉が本当に全てだなと思います。改名することに対して、私自身は寂しいなって気持ちももちろんありましたけど、それよりも楽しみやどんな風にこれからなっていくんだろうっていう前向きな気持ちがすごく大きかったです。きっと応援してくださる方からしたら、すごくびっくりしただろうし、ショックな気持ちもあったとは思うんですけど。でも本当に、メンバー自身は前を向いていますし、改名することも悪いことでは全くないから、新しく進化するために必要なことだったのかなって思っているので。グループとしてさらにパワーアップする瞬間も、映画には収められていると思います。

ーーではあの瞬間、渡邉さんとしては不安よりも決意の方が強かったんですね。

渡邉:そうですね。強かったと思います。

ーーそれを聞いて、ファンはすごく安心するし、改名後のグループを楽しみにされる方もいると思います。そして、改名発表後には配信リリースされた「誰がその鐘を鳴らすのか?」が初披露されました。渡邉さんは初めてこのラストシングルを聞いた時、どのように感じました?

渡邉:本当に、今までの楽曲よりも寄り添ってくれるような内容で、今まではもっとこうあるべきだとか、結構強い内容だったと思うんですけど、この「誰がその鐘を鳴らすのか?」は一歩引いて、背中を押してくれるような、どこか客観的に見ている内容なのかなと思いました。(曲中の)主人公である僕が成長していく瞬間を、グループと共に目の当たりにしているような楽曲だと思います。成長していくグループを見届けてくださった方々には、映画と楽曲、合わせて楽しんでいただけたらと思います。

ーー配信ライブやTV番組で「誰がその鐘を鳴らすのか?」のパフォーマンスを観ていて、特に印象的だったのが曲終わりの振り付けでした。衣装の左胸にあるグループロゴを握り締め、それを手放すような。あの振りを見て、まさに今の欅坂46を表現するメッセージにも感じたんです。実際、渡邉さんはあの部分を踊る時、何か思うことがあったりしますか?

渡邉:ここ(左胸を指差す)にちょうどエンブレムがあるんですけど、それを握り締めて離す振りは、捨てたりとかそういうことではなくて。握り締めたまま手放して、そこに置くことによって、また新しいスタートが切れるーーそんな意味でもあると思っています。今この瞬間に合っている振りですし、本当にポジティブに受け取って欲しいなと思いますね。

ーー10月12日、13日には『欅坂46 THE LAST LIVE』が開催されます。まぎれもなく、これが欅坂46としては最後のステージになると思いますが、どのようなライブにしたいと考えていますか?

渡邉:欅坂の楽曲を愛してくださった方に届くライブにもしたいですし、これからまた新しく生まれ変わって、良い意味で変化していく私たちの瞬間を見届けていただけけるようなライブにもしたいなと思っています。ここで終わりっていうことではなく、また新しく始まることを伝えられるライブにできたらいいですね。

ーー最後に、渡邉さんにとって「欅坂46での5年間」というのはどんな5年でしたか?

渡邉:今まで感じたことのない感情を味わったり、このメンバーだったからこそ経験できたことがたくさんあったと思います。自分自身は本当に成長できたので、この5年間にはすごく感謝したいなと思います。

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『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』■映画情報
『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』
公開日:9月4日(金)全国ロードショー
企画:秋元康
監督:高橋栄樹
製作:今野義雄 大田圭二 秋元伸介 安齋尚志
エグゼクティブプロデューサー:上田太地
企画協力:石原真 磯野久美子
プロデューサー:澁澤匡哉 上野裕平 竹下孝
協力プロデューサー:江原慎太郎
宣伝プロデューサー:菊地智男
撮影:上池惟孝
編集:伊藤潤一
音楽:大坪弘人
制作担当:瀬戸俊介
制作:VISUALNOTES
製作:Seed & Flower 東宝 Y&N Brothers NHKエンタープライズ
配給:東宝映像事業部

©2020「僕たちの嘘と真実 DOCUMENTARY of 欅坂 46」製作委員会

『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』公式サイト

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