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寺十吾がハロルド・ピンター「誰もいない国」を演出、出演に柄本明ら

ナタリー

18/9/10(月) 20:13

「誰もいない国」チラシ

「誰もいない国」が、11月8日から25日まで東京・新国立劇場 小劇場で上演される。

ハロルド・ピンター作「誰もいない国」は、1975年にイギリス・ロンドンのロイヤル・ナショナル・シアターで初演された作品。今回の上演版では、ピンター研究の第一人者として知られる喜志哲雄が翻訳を手がけ、寺十吾が演出を担当する。

物語の舞台は、ロンドン北西部にある屋敷の大きな1室。ある夏の夜、屋敷の主人である作家のハーストは、酒場で出会った詩人のスプーナーを部屋に招き、酒を飲んでいた。酒が進むにつれ、べらべらと自らをアピールするスプーナーに対し、寡黙なハースト。そこへ、ハーストの同居人の男たちが現れて……。出演者には柄本明、石倉三郎、有薗芳記、平埜生成が名を連ねている。

寺十吾コメント

「言葉」が、ちゃんと気持ちを表せるもの、本当の事を直接言い表せるものとして扱われ妄信されるようになった昨今、セリフとは何であるかと改めて考えみたら、やはりそんな筈は無い訳で、実は思ってる事と言ってる事はズレまくり、やってる事と言ってる事がまるで違い、嘘と本当がごちゃ混ぜになり、しまいには何が言いたいやらさっぱりわからんというのが言葉の本来の性質で、この性質を活かした結果、解読不能な戯曲は世界中にあります。
そこが面白い。言葉がままならないからこそ面白い。
真実とか本当に言いたい事なんて如何わしいものは、やはり如何わしい言葉を羅列して羅列してやっと、ようやくボンヤリそれらしいものが気配を見せるだけで、いうなればそれらは言葉で言い表したのでは無く、言葉という鉤の棒で水中を引っ掻き回した果てに、やがて水面に浮かんでくる水底の泥に混じった血のようなものだと考えます。
ハロルド・ピンターの「誰もいない国」では、その果てにどんな面白い模様が浮かぶかを楽しみにしながら水面に漕ぎだしたいと思っています。

「誰もいない国」

2018年11月8日(木)~25日(日)
東京都 新国立劇場 小劇場

作:ハロルド・ピンター
翻訳:喜志哲雄
演出:寺十吾
出演:柄本明、石倉三郎、有薗芳記、平埜生成

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