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映画『東京リベンジャーズ』杉野遥亮&磯村勇斗インタビュー「北村匠海とタケミチが重なって見えた」

ぴあ

撮影:山口真由子

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主演の北村匠海を筆頭に、今、勢いに乗る若手俳優陣による豪華共演が話題となっている映画『東京リベンジャーズ』が、7月9日よりついに公開となる。

人気漫画の実写化に、錚々たる俳優たちが集結したことで、制作が発表になった時点から注目されていたが、コロナ禍の影響を真正面から受け、撮影は中断、公開も延期に。そこから何とかこの作品を完成させたい、という出演陣、制作陣の想いが一つとなり、約1年をかけた撮影を経て、今、この瞬間を迎えている。

しがないフリーターのタケミチ(北村)が、高校時代にタイムリープし、現代では死んでしまっている元恋人・ヒナタ(今田美桜)の運命と、自身の未来を変えようと奮闘する姿を描く本作。杉野遥亮は、ヒナタの弟で、タケミチのタイムリープのきっかけとなる直人役を、磯村勇斗はタケミチの高校時代の親友で、タケミチのタイムリープにより人生が大きく変わってしまうアッくんを演じた。

今回、劇中での共演は叶わなかったが、本作で共演が3本目で、プライベートでも交流があるという二人。お互いの役柄や現場でのエピソードの他、仲良しの二人だからこその話題も飛び出し、最終的には“小学生役で再共演!?”の想いも明かした。

撮影:山口真由子

3度目の共演「どんどん仲良くなっている」

――橘直人を演じる上で意識していたことを教えてください。

杉野:中学時代の直人も演じるので、まずはそれをどうしようかと。大人になったときとどう違いを見せられるか、って考えていたんですが、(コロナ禍による撮影中断があり)奇跡的に中学時代を撮った1年後に大人のシーンを撮ることになったんです。その1年の間に他の仕事もして、いろんな新しい経験もできて、自然と顔つきも変わっていたので、そこはラッキーだったな、と思いました。

あとは、直人は怒っているシーンが多いので、そこはどうやってやろうか、というのも考えました。自分の中にどんな怒りの着火剤があるのか、探しながら演じました。

――ちなみに、中学時代のシーンで、タケミチ(北村匠海)が直人に対して、“でっかいくせにいじめられてんじゃねぇ”って言うじゃないですか。原作にはないセリフですが、あれは杉野さんが直人を演じるからできたセリフですか?

杉野:そうなんです。僕が中学時代も演じるとなって、セリフが変わりました。ありがたいことにオリジナルで作っていただきました。

(C)和久井健/講談社 (C)2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会

――アッくんこと、千堂敦はタイムリープの前後で大きな変化がある人物でもありますが、何をポイントにして演じていましたか?

磯村:一番はタケミチとの友情関係の部分を大事にしていました。そのときのアッくんがタケミチに対してどのくらいの思い入れがあるのかとか、距離感を意識することで、違いが出ると思っていたので。

(C)和久井健/講談社 (C)2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会

――お二人は同じ作品に出演するのが本作で3回目で、プライベートでも仲が良いそうですが、出演が決まったときはどう思いましたか?

磯村:“また一緒だね。よろしくね”みたいなメッセージのやり取りをして。

杉野:すごく前のことだよね。

磯村:もう2年くらい前になるんじゃない? こういうご時世になる前だもん。

杉野:でもさ、そのときよりも今の方が仲良くなってるよね。どんどん仲良くなってる感じじゃない?

磯村:そうだね(笑)。

――ただ今回はお二人がお芝居をやり合うシーンがなくて。

杉野:そうなんですよ。最初の時点では(共演シーンが)あったんですけど、それがなくなってしまって。(現場で)会える日を楽しみにしてたのに。

磯村:いろいろあって変わっちゃったんだよね。

杉野:でも、僕は現場で周りの人から磯村くんのことを聞いていて。特に屋上でのアッくんとタケミチのシーンがすごかった、って聞いて、「やってんな~」って(笑)。

磯村:あははは(笑)。

杉野:「そうか、磯村くんは熱いのを撮ってるんだな」って。僕は今回、説明をするセリフが多くて、そういう熱いやり取りみたいなのがあんまりなかったから羨ましくもあり。ただ「磯村くんが頑張っているんだから、俺もマジで頑張らなきゃ」となりました。

撮影:山口真由子

北村匠海は周りの脇役たちを引き立てることができる主役

――完成作を観て、お互いに対して感じたことはありますか?

磯村:僕は今回、遥ちゃん(杉野)の新しい一面が見られた気がして嬉しかったです。直人は他の人たちとは一人だけ違う時間軸の中で動いていて、重要なポジションでもあったから、演じるのは大変だったと思うんです。

でも、そこを真っ直ぐに、一本筋を通して演じてくれていたので、全体が締まったんだなって感じました。直人を全うしていたんだな、と。ただ個人的には“かわいい遥ちゃん”がいなかったのはちょっと寂しかったけど(笑)。

――磯村さんから見ると、普段の杉野さんは“かわいい遥ちゃん”だと(笑)。

磯村:すごくピュアで、周りからも愛される人なので、やっぱりかわいいというイメージはありますね(笑)。

(C)和久井健/講談社 (C)2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会

――杉野さんは磯村さんのシーンで気になるところはありましたか?

杉野:タケミチとアッくんが自転車で2人乗りしてるシーン。「楽しそうだな~」って。自転車の2人乗りって、普段はしちゃいけないことだから、映画だからこそできることでもあるじゃないですか。(磯村と)匠海との共演も2回目だし、現場も楽しかったんだろうなって。青春って感じがして、羨ましくなりました。僕はほとんど部屋の中での撮影だったので(苦笑)。

(C)和久井健/講談社 (C)2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会

――北村さんとは、お二人とも映画『春待つ僕ら』で共演していて。今回は3人一緒のシーンはありませんでしたが、3ショットのお写真が公式SNSに出てましたね。

磯村:駅で撮ったやつね。一緒のシーンではないけど、同じ場所での撮影があって。

杉野:だから余計に役柄としても会いたかった。

磯村:芝居を一緒にしたかったよね。

撮影:山口真由子

――お二人から見た北村さんはどんな人ですか?

磯村:今回もそうですけど、座長で主演をやっていても、僕らみたいな周りの脇役たちを引き立てることができる人なんです。本来、主役って目立つ立場ですけど、匠海はそれだけじゃなくて、他の人たちと同じ視線で立てる力を持っている。俳優として空気を読む力があるというか。彼の存在を見ていると、だからこそ、今、すごく求められているんだな、と思います。

ただ、それを無理してやっているわけじゃないんですよね。一緒に芝居をしていても、自然とやれているところがすごくいいな、と思います。

杉野:今回、僕が接していたタケミチは、高校時代とは変わって、自分の言いたいことをストレートには言えないようなキャラなんですけど、そこがちょっと匠海自身とかぶるな、と。匠海も腹の底で思っていることを、グッと堪えているのかな?と感じることがあるので、僕にはその辺が重なって見えました。

だから、映画の最後に、タケミチが自分の想いを吐き出すシーンがあるんですけど、そこは匠海自身の普段は言えない想いとかも乗っていたりするのかな?と勝手に思ったりもしてました。

撮影:山口真由子

同年代の俳優陣をライバル視?「最終的には“自分”」

――本作は同年代の役者同士で芝居をするシーンが多いですが、お互いをライバル視することはありますか?

杉野:ライバルと言われれば、そうなのかな? どこかで「負けたくない」とか、「クッソー」って思うことはあるから。でも、結局は“自分”なんですよ。それもわかっていて。自分がその現場で、その役としていられるかどうか。やっぱり役としてその場にいられる人を見ると、いいな、って思うし。

だから意識はしているけど、最終的には“自分”なんだと思います。結局は自分が頑張らないといけないですから。

磯村:僕はライバルとか、そういうことは全く何も感じないですね。同世代であろうが、先輩であろうが、後輩であろうが、同じ板の上に立ったらフラットだと思っているので。ただ同じチームとしての仲間意識はあるので、同世代の素敵な俳優が集まったからには、いいものを作りたい、という気持ちにはなります。

撮影:山口真由子

――今の時代、自分は意識していなくても、周りが言っていることが耳に入ってくることもあるのでは?

磯村:それはもう勝手に言っててくださいって感じです。人それぞれに意見があるのは当たり前だし、ただそれを全部気にしていたら俳優はやっていけないので。

杉野:そういえば、俺、エゴサするのやめた(笑)。

磯村:見なくなったの?

杉野:うん。良いことの99より、悪いことの1の方が入ってきちゃうから。

磯村:気にし過ぎだよ(笑)。遥ちゃんは感受性が豊かだから。

――磯村さんはエゴサーチをしないのですか?

磯村:僕はしないです。もちろん作品に対するコメントとかは気にしますけど、別に僕自身がどう思われているかは気にならないので、そこには興味ないです。

撮影:山口真由子

“直ちゃんは小学四年生”での共演を希望!?

――先日、お二人が出演したラジオで、お互いの好きなところを挙げていましたが、逆に「ここは直してほしい」というところはありますか?

磯村:直してほしい、とは違うけど、遥ちゃんはピュアで、最初は疑うけど、一度人を信用すると、すぐに信用してしまうところがあるので、あんまり信用し過ぎるのも良くないよ、と。危ない人も中にはいるから気を付けて、と言いたいです。

杉野:僕は……磯村くんに直してほしいところなんてないよ。

――優し過ぎるから気を付けて、とか。

杉野:磯村くんは優しいけど、ちゃんと人を見ることができるから、直して、とは思わないし。

――忙し過ぎるから、もっと時間を作って一緒に遊んでほしい、とか(笑)。

杉野:それはある! ドライブ行こうね。

磯村:そうだね。旅に出よう。

杉野:ずっと話は出ているんですけど、この状況もあって行けてなくて。滝に打たれるのとかどう?

磯村:いいね!滝修行(笑)。

撮影:山口真由子

――では、4回目の共演があったら、どんな関係性がいいですか?

杉野:磯村くんのいろんな役柄を見てるから悩むな。あっでも、今回のマイキー(吉沢亮)とドラケン(山田裕貴)とか、タケミチとアッくんとか、タケミチと直人とか、そういう一つのペアみたいな関係はやったことがないからやりたいね。

磯村:確かにそうだね。バディみたいなのはやりたいね。でも刑事とかはありがちだから(杉野が小学生役を演じたドラマ『直ちゃんは小学三年生』にかけて)“直ちゃんは小学四年生”はどう? 一学年上がった四年生でやろうよ(笑)。

杉野:クラス替えで同じクラスになったライバルとかね。バチバチになるの(笑)。

――今回、杉野さんが中学時代も演じると知ったとき、難しそうだな、とは思ったのですが、でも、すでに小学生も演じていたな、と(笑)。

杉野:僕もそれ、思いましたよ(笑)。中学時代を演じるのを悩んでいたけど、「俺、小学生もやったわ」って。

――磯村さんは今回、高校生を演じるのに悩みはありませんでしたか?

磯村:もちろん制服姿はそろそろ苦しいかなって思うことはありますけど、作品のテイストにもよるというか。今回のような不良役とかだと、逆に30歳とかになってからの方がちょうどいいってこともあるし。でも等身大の10代を演じることはもうないでしょうね(笑)。

撮影:山口真由子

――最後にお互いの役の見どころを含めて、本作のアピールをお願いします。

磯村:直人はタケミチを導くキーパーソンで、この作品のストーリーテラーみたいな部分もあるので、直人とタケミチのやり取りにはぜひ注目してもらいたいです。そして何より、この作品自体が、僕らが何度も“リベンジ”をして撮ったものなので、その熱い想いが画面を通して観てくださる方に伝わって、元気や勇気を与えられたらいいな、と思います。

杉野:そういえば、磯村くん、あのとき何kg痩せたんだっけ?

磯村:5kgぐらいしか痩せてないけど。

杉野:アッくんとタケミチの屋上でのシーンは、そのために磯村くんは5kg痩せたりもして、本物の空気感を作り出していたので、ぜひ劇場で観てほしいな、と思うし、僕も改めて劇場で観たいと思っています。タケミチ以外の人たちとの共演シーンはほとんどなかったけど、こういう作品で一緒になれたことは、今後の僕の励みになると思います。そして、この作品が何年後かに、そのときに中学生だったり、高校生だったりする子供たちにも親しんでもらえるような、長く愛されるものになれればいいな、と思います。

単に豪華な俳優たちが出演しているだけでなく、全員がそのポテンシャルを最大限に発揮し、作品の価値を高め合って完成した本作。インタビューで語っていたように、今後、語り継がれるような一作になっていると思う。その瞬間を見逃さないよう、劇場に足を運んでほしい。

『東京リベンジャーズ』本予告編

<映画情報>
映画『東京リベンジャーズ』

7月9日(金) 全国ロードショー

原作:和久井健「東京卍リベンジャーズ」(講談社「週刊少年マガジン」連載中)
キャスト:北村匠海 / 山田裕貴 / 杉野遥亮 / 今田美桜 / 鈴木伸之 / 眞栄田郷敦 / 清水尋也 / 磯村勇斗 / 間宮祥太朗 / 吉沢亮
監督:英勉

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