グッド・ワイフ
20/7/7(火)
舞台はメキシコの高級住宅街。主人公はそこに暮らすセレブ夫人。豪勢な誕生日パーティーを開き、高級品を買い漁り、周囲にマウンティングをかます。
普通なら、悪役の立場に据えられるキャラクターだ。それが段々と愛しく思えてきた。
メキシコの大不況により彼女の夫の会社が傾いていくのに合わせて、物語は進む。主人公はカードや小切手も使えなくなり、一方で見下していた相手と立場逆転。
それでも彼女は必死に見栄をはり続ける。たとえ虚栄でも金持ちコミュニティから脱落したくない。必死にあがく。その様は哀れで惨めでもあるが、「ざまあみろ」とはならない。
ただの“いけすかない奴”で留まらないリアルな人物描写の虜になっているからだ。
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