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野田秀樹 作、野上絹代が新キャストと共におくる『カノン』、いよいよ開幕

ぴあ

『カノン』チラシ

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東京芸術劇場芸術監督・野田秀樹の戯曲に、国内外の演出家が挑むシリーズ企画。その第5弾は、2000年にNODA・MAPで初演された『カノン』を野上絹代の演出で上演。新型コロナウイルスの影響で昨年は公演中止、そして今年も初日延期となったが、いよいよ8月25日(水)にシアターイーストにて開幕する。

野上絹代は、社会性とポップなユーモアを併せ持つ作品をアップデートする劇団「快快(ファイファイ)」のメンバーで、2015年に「演劇系大学共同制作Vol.3」で『カノン』を演出。これを目にした野田が「冴え渡った演出に吃驚し、再演をすれば、更に磨きがかかるのではないか」と、その才能を見込み再演を希望。そこから企画が動き出し、今回、野上演出での『カノン』再演が実現することに。

物語は、牢番の太郎が囚われの身の沙金に心奪われ、牢から逃してしまうことから始まる。その罪の放免の為に、太郎は権力者・天麩羅判官に沙金率いる盗賊団のアジトで“ある事”を探る密偵を命じられる。窃盗に対して弱腰の太郎だったが、思想犯で捕らえられた弟・次郎を助けるために人を殺め、罪を重ね、更に沙金への想いを募らせていき……。

太郎を演じるのは、舞台出演は今回が2度目となる中島広稀。「1年以上前に一度稽古を終えた『カノン』ですが、お披露目をせずに今回もう一度稽古から始まる事に少し戸惑いがあるのは事実です。しかし、キャストの皆様のお顔、稽古風景を思い浮かべると戸惑いよりも期待感を強く抱いています」と明かしていたが、新たな稽古を経てどんな太郎を体現してくれるのかに注目。そして沙金役のさとうほなみは「“前へ行くよ、前へ”。わたしが演じさせて頂く沙金の作中での台詞です。このひとことにわたしはすごく心を動かされました。ただ前向きなだけの言葉でもなく、後ろ向きな言葉でもない。すごく強い意志を感じました。また前に進める機会を頂けたこと、心より感謝しております」とコメント。「ゲスの極み乙女。」のドラマ―としての活躍ほか、演技でも注目される彼女の新たな魅力にも期待だ。また、天麩羅判官役は野田作品にも多く出演してきた渡辺いっけいが務める。

役者たちが縦横無尽に舞台上を走りまわり、その疾走感がスペクタクルに昇華する名作『カノン』。野上絹代の演出と新たなキャスト陣でどのように再構築されるのか注目を。



文:伊藤由紀子

『カノン』
作:野田秀樹
演出:野上絹代
出演:中島広稀 / さとうほなみ
名児耶ゆり / 永島敬三 / 大村わたる / 山本栄司 / 長南洸生 / 緒形敦 / 川原田樹
手代木花野 / 佐々木美奈 / 前原麻希 / 本多遼 / 湯川拓哉 / 小田龍哉 / 村田天翔 / 竹内蓮 / 田坂歩
木津誠之 / 家納ジュンコ / 佐藤正宏
渡辺いっけい

2021年8月25日(水)~2021年9月5日(日)
会場:東京芸術劇場 シアターイースト
※公演関係者の新型コロナウイルス感染により、8月25日(水)~8月28日(土)公演が中止となりました。最新の公演情報は公演公式サイトよりご確認ください。
https://www.geigeki.jp/performance/theater278/

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