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難敵上等! エース不在もプラス!? 日本代表は苦しい時間も課題も大歓迎!!

ぴあ

南野拓実 (c)スエイシナオヨシ

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久々に骨のある相手だ。ミャンマー戦からキルギス戦までの5試合で唯一勝敗が論点となる試合である。『FIFA ワールドカップカタール2022』アジア2次予選突破が求められた5月28日・ミャンマー戦はオール海外組で臨んだ日本代表が10-0でノルマを達成した。ジャマイカ戦が中止となり6月3日に急遽組まれたU-24日本代表戦は強度の違いを見せ付けて3-0の快勝。国内組7人を先発に並べた6月7日・タジキスタン戦は相手の堅守速攻に手を焼いたもの4-1で勝利、チームの底上げと結果の両立を果たした。続いて対峙するのがセルビア代表である。FWルカ・ヨビッチやMFフィリップ・コスティッチ、ドゥシャン・タディッチ、セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチら主力は来日していないが、ドラガン・ストイコビッチ監督率いる若きセルビア代表は侮れない。6月7日のジャマイカ戦は1-1に終わったものの来日して1週間、若いメンバーは日に日にコンディションを上げている。

接戦、さらには苦戦も予想されるセルビア戦ではあるが、日本代表の面々は楽しみにしていた。

「今までやって来た部分を出すという意味では変わらない。予想される試合の展開とかはアジア相手とはちょっと変わってくる。メンツを見ても今までの相手よりも実力がある。こういう時期に欧州のチームとやれるのは僕らにとって有意義。今までやってきたことをぶつけた上でどういう結果になるかは楽しみ。

(リバプールでチームメイトだったマルコ・グルイッチについて)少し連絡を取った、仲がいい選手のひとり。彼は体が大きく技術も高く中盤でボールもさばける。こっちとしては厄介な選手で、相手にとって重要な選手じゃないかと思っている。

(相手の可変システムについて)個人的にひとつのポイントは両サイドハーフのプレッシャーのかけ方になると思うので、今日の練習でしっかり話し合えればと思う」(南野拓実)

「まずは勝ちにこだわりたい。今回一番いい相手。まず勝つことだけを考えてプレーしたい。その上でチームとして森保(一)さんが求めることをやりながら、コンビネーションの質を上げていきたい。セルビアはフィジカル面で強いイメージがある。逆にすぐカッとなってしまうなど人間的に弱いと感じる部分もあるので、日本が狭い距離感でやっていければ、だんだんイライラして自分たちのプレーできなくなるんじゃないかなと思っている」(鎌田大地)

「強い相手とやる方が楽しいし、個人としての良さも出しやすいと思う。やっぱり欧州など自信を持っているチームの方が1対1になるので。サイドで1対1になれば勝つ自信がある、相手も攻撃してくるので」(伊東純也)

「僕個人として代表で欧州のチームとやるのは初めて、アジアのチームとは違い強い相手。ポルトガルでやってきたが試される場だと思う。ここでしっかり活躍して勝利に貢献できれば次の可能性につながっていく。ポルトガルへ行って個で負けない、局面を打開するのは成長していると思うので、そこを見てほしい。この半年でできることが増えて、戦えるか試される大事な試合。レベルの高い試合になると思うし、率直に楽しみ」(守田英正)

「テクニック、フィジカル的にも優れている選手がたくさんいるので、今までの2次予選とは全く違うサッカーになってくると思うし、厳しい試合になると思う。目の前の相手が強いからこそ、自分たちの立ち位置、ポジショニングをしっかり考えて戦いたい。フィジカル面で上回られるチームと戦った時にどう自分たちのストロングを出すか。目の前の相手と戦うのか、ボールをもらう前のポジショニングだったり、勝負をしない立ち位置というのを常に一人ひとりがしていかないと、フィジカルの強いチームには勝てない」(長友佑都)

「自分の特長を出したい。もっと攻撃的で面白いサッカーを見せられれば。自分の良さをピッチ内で示していくだけ。(酒井)宏樹くんがこの代表で出続けているし、チームに貢献しているのですごくリスペクトしているが、大事なのは自分がピッチに立った時にどうプレーするか。試合に出る時はいつもそこだけに集中している」(室屋成)

「セルビア×ジャマイカは食事の時に流れていたので、ある程度知っている。日本人にはない体格の部分があるし、欧州はすごく強い。このキャンプ、4試合の中で一番レベルが高い相手なので、激しくなると思う」(小川諒也)

「セルビアは力があるなと映像を見てすごく感じた。欧州の選手たちとやる機会は多くないので、貴重な機会を大事に戦っていきたいし、自分がどれだけバトルできるのかしっかり出し切りたい。チームとしても勝つために色々合わせていかなければいけない。試合の中で、臨機応援に対応しながら進めていければ」(谷口彰悟)

「個の部分で勝つのは当たり前だが、日本の良さは組織で守れることだと思うし、そういったところをたくさん出していければいいなと思う。局面では自分の個の強さであったり、一人ひとりの個の強さが重要になってくる部分もすごく大事になる。そういった局面では負けないことを意識したい」(植田直通)

「欧州の選手の方が個で打開しようとする。FWだったら周りにサポートの選手がいなくても、ボールを収めて、まずマイボールの時間を作って、あわよくばターンしてそのままゴールへ向かう。そういう個の意識の違いがある。今回のセルビアはアピールしたい選手もたくさんいるだろうし、“1本のシュートを決めて、次の代表にも生き残るんだ”という思いを持つ選手もいるはず。そこにも注意しなければならない。(タジキスタン戦で)失点したからこそ、もう一度引き締め直して、集中して入れる気はする」(権田修一)

「ある程度アグレッシブにくる時間帯があると思うので、そういう時には自分に一枚食い付かせてフィールド内の数的有利を作りたい。それにどんなシュートがきても無失点で終わることを一番の目標にしたい。大柄の選手がいてセットプレーとかクロスボールに対して、自分の強みである高さを出していければ。その上でシュートストップして無失点で終われればいいなと。見ている人も接戦を望んでいるだろうし、やる側としても歯応えのある相手の方がチームの成長につながる」(シュミット・ダニエル)

戦線離脱したエース大迫勇也に代わって追加招集されたオナイウ阿道は、純粋に試合を待ち望んでいた。

「今回は予選があって親善試合もあり、活動期間が長いので、FWとして結果を残したい。より結果というものにフォーカスしていかなければならない。本当にスタート地点に立たないといけない。同年代、下の世代の選手はずっと先を行っているので、自分も追い付いていかないといけないし、追い抜いていかないといけない。ゴール前で起点になりながら最後ボックス内で勝負できればと思っている。個人のレベルが高いので、ビルドアップに自分が入らなくても、しっかり前へボールを運んでくれると思うので、CFとしてしっかりゴールを取れればいいなと思っている」

選手だけではない。指揮官もセルビア戦を楽しみにしていた。6月10日の前日会見で森保監督は次のようにコメントした。

「セルビアという強豪と試合できることを楽しみにしている。この戦いで我々が世界で勝っていくための基準を確かめられるし、我々がどの位置にいるか測る最高の相手だと思う。攻守にインテンシティが高く、スピードもある。時間とスペースのない中での戦いでどれだけ相手を上回っていけるか、選手たちにはトライしてほしい。FIFAランキングも我々は28位で、セルビアは25位だが、実際は25位以上の力を持っていると思う。今回『キリンチャレンジカップ』でセルビアを呼んでもらい、試合ができることに感謝したい」

相手をどのように分析しているか問われると、こう答えた。

「セルビアは攻撃力も守備力もレベルが高いチーム。ポルトガル戦はカウンターで点を取り、アイルランド戦も縦に速い攻撃で点を取っている。遅攻でもビルドアップできる選手がいる。簡単にボールを握られないように我々はいい守備をしないといけない。相手の起点をしっかり潰せるようにしたい。ただ守備だけでは終わらないようにいい守備からいい攻撃へつなげるよう、相手の嫌がることができるよう今日の練習で詰めていきたい」

選手起用について質問されると、指揮官はこのように返した。

「U-24代表戦のスタメンが中心になってくると思う。そこからタジキスタン戦を見て、何人かを入れ替える形にしていこうかと思っている。最終的には今日のトレーニングを見て決めたい。相手も3バックのチーム、いろいろ考えないといけない。ジャマイカ戦の前半は4-1-4-1、4バックから3バックの可変システムで、後半は本来の3バックを使ってきた。選手にはコンパクトにきても3バックできても柔軟に対応できるかどうか、形を変えることも考えたい」

また森保監督は大迫不在の戦い方についても言及した。

「ここで無理をしてケガを悪化させてしまうと彼の所属チームでのプレーに影響してしまうし、我々の戦力ダウンにもつながる。今は無理する時ではない。大迫自身はすごくやりたがっていたが、ここは我慢。リスクを負う時ではないという判断で、離脱を決定した。大迫は存在が大きいのでチームにとって痛いが、彼がいつもいてくれるわけではない。大迫がいない時のチームの戦い方をここで作っていくことはチームにとってプラス。タイプは違うが、いいFWがいるので、経験を積んでいってもらって、最終予選へ向けて、幅を広げる、チーム力を上げるいい機会だと思っている。そもそも選手たちは“自分が負けている”なんて全く思っていないと思うので、我々やファンに存分に自分の良さを発揮してくれればと思っている」

『キリンチャレンジカップ2021』日本代表×セルビア代表は6月11日(金)・ノエビアスタジアム神戸にてキックオフ。試合の模様はフジテレビ系列にて生中継。この後日本代表は15日(火)・パナソニックスタジアム吹田にて『FIFA ワールドカップカタール2022』アジア2次予選兼『AFCアジアカップ中国2023』予選・キルギス戦に臨む。こちらはフジテレビ系列、NHK BS1にて生中継。

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