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折坂悠太がカレー作りとともにライブを届け最後に実食、1年半ぶり単独公演で見せた“うつつ”

ナタリー

「折坂悠太単独公演2021<<<うつつ>>>」より。(Photo by yukitaka amemiya)

折坂悠太のワンマンライブ「折坂悠太単独公演2021<<<うつつ>>>」の東京公演が6月4日に東京・USEN STUDIO COASTで開催された。

折坂が有観客の単独公演を行うのは、2019年10月から11月にかけて開催された「折坂悠太のツーと言えばカー2019」以来、約1年半ぶり。彼はyatchi(Pf)、senoo ricky(Dr, Cho)、宮田あずみ(Contrabass)、山内弘太(G)、サポートプレイヤーのハラナツコ(Sax)、波多野敦子(Violin)、宮坂遼太郎(Per)といったミュージシャンとともに折坂悠太(重奏)編成でライブを行い、その模様をLIVEWIREで生配信した。

VIDEOTAPEMUSICが手がける映像を背に楽器隊が音を奏で出すと、徐々に折坂の世界観が立ち上がる。そのまま彼は鈴を片手に「春」を歌唱しゆったりとライブの幕を開けた。さらに折坂は「心」「芍薬」を立て続けに披露。折坂の独特な節回しの歌唱と、楽器隊の有機的な演奏に観客は魅了される。その後披露された「朝顔」で折坂は伸びやかな歌声を響かせ、続けて「針の穴」に突入。荘厳なストリングスと小刻みなパーカッションの音が彩りを添える、颯爽としたステージングを見せた。

ライブが中盤に差しかかると、フロアの下手側に仮設されたキッチンブースで突如カレー作りが始まり、その模様がステージのスクリーンに大きく映し出される。会場中に響き渡る具材を炒める音、ほのかに漂うスパイシーな香り。そのままカレー作りの映像と音は止まることなく、折坂は「のこされた者のワルツ」「鶫(つぐみ)」を披露。ミニマムな編成で紡がれた曲が、変哲のない調理風景やカレーの香りと不思議な調和を見せ、得も言われぬ郷愁を誘う、特異な音楽体験を観客にもたらした。

その後披露された「轍」は、昨年コロナ禍の中でSoundCloudにドロップされた「Wadachi2020」バージョンで歌われ、「もう我慢できない もう我慢しない」という言葉が幾度となくリフレインされた。原曲から大幅なアレンジが施された「道」では、後半になるにつれて徐々に演奏の熱量が増していき、その大迫力のパフォーマンスに観客は圧倒される。さらに折坂は「鯱」「炎」「星屑」と未発表曲を立て続けにプレイ。緩急の効いたセットリストで観客を揺さぶっていく。そして本編の最後に折坂は「さびしさ」をパフォーマンス。穏やかな波の映像を背にファルセット交じりの歌声を聴かせ、ラストには鮮やかなロングトーンを響かせた。

アンコールで折坂は「よるべ」を歌唱したのちに、「明日からも生きましょう。どうもありがとう」と一言述べ「坂道」を軽やかにプレイ。折坂はハンドクラップと打楽器の音に乗せてメンバー紹介を終えると、おもむろにステージを降りる。彼はキッチンブースへ移動し、完成したカレーを実食。カメラをまっすぐ見据えながらカレーを口に運ぶと、スクリーンに「折坂悠太単独公演2021<<<うつつ>>>」と公演名が大きく映し出され、そのままライブは閉幕した。

なおLIVEWIREでは6月13日23:59までこの公演のアーカイブ映像を配信中。チケットは6月13日21:00まで販売されている。

「折坂悠太単独公演2021<<<うつつ>>>」2021年6月5日 USEN STUDIO COAST セットリスト

01. Impro
02. 春
03. 心
04. 芍薬
05. 荼毘
06. 朝顔
07. 針の穴
08. トーチ
09. Impro
10. のこされた者のワルツ
11. 鶫(つぐみ)
12. 轍
13. 道
14. 鯱
15. 炎
16. 星屑
17. take 13
18. さびしさ
<アンコール>
19. よるべ
20. 坂道

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